前日欧州時間から本日アジア時間のマーケット動向と個人資家動向をまとめました。市場参加者の動向を確認し、FX取引をする上での情報としてお役立てください。
FX投資家フローと市況
前日オープンから本日15時までのUSDJPYの値動き(ローソク足)と個人投資家動向です。(画面下のグラフは各時間帯の個人投資家の売買を表しており、青いバーが売数量、赤いバーが買数量です。)
30日、米10月ADP雇用統計が市場予想を上回り、ドル円は153.45円レベルまで上昇したが、その後発表された米7-9月期 GDP速報値が市場予想を下回ったために、152.868円まで下落した。その後は、米9月中古住宅販売成約指数が市場予想を上回ったほか、予算案を受けた英国債利回りの上昇が米債にも波及し米長期金利が上昇、NY時間終盤にドル円は153.429円まで上昇した。
本日アジア時間、注目された日銀金融政策決定会合は、市場予想通り現行の政策金利据え置きを決定。ただ、衆院選を受けた政局不安で日銀の追加利上げ観測の後退が意識されていた中、金融政策運営について「経済・物価見通しが実現していくとすれば、それに応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく」との方針を維持、さらに2024年度のコアCPI見通しは据え置いたことで再び、12月日銀会合での利上げの可能性が高まったとの思惑から、ドル円は153.606円へ上昇後、152円後半レベルまで下落した。
取引金額
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市場シェア上位
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ポジション増減
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FX個人投資家動向 日銀会合で12月利上げ観測高まり円買い進行x203c昨日のドル円プレーヤーはイベント前で様子見ムードか 2024年10月31日
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本日アジア時間、中東リスクが意識される中、週末の衆院選では自民、公明両党は計215議席で過半数の233議席を割り込み、政局不安から日銀の利上げ観測が後退したほか、先週与党大敗を織り込み下落していた日経平均が大幅上昇、リスクオンの円売りが進行したほか、米大統領選を控えトランプ氏有利の思惑からトランプトレード(米債売り・米長期金利上昇・ドル買い)が意識され、ドル円は153.876円まで上昇した。
筆者は昨日の当レポートで「金融政策決定会合を1週間後に控えた現時点において『日銀 利上げ決定へ』などという観測記事やリーク報道が何も出ていないことからすると、7月の利上げ確率は低いと判断せざるを得ない」として利上げ予想時期を7月から9月に変更した。
7/30から日銀の金融政策決栄会合が予定されており、政策発表と総裁の会見は31日に予定されている。一部では今回利上げが決定されるとの見方が高まっていたが、先日発表された東京都区部の消費者物価指数の結果などもあり、利下げを急ぐ必要があるのかとのとの見方が広がった。年内の日銀の政策発表は7月、9月、10月、12月の4回となっている。その中で、デジタル相が「円安是正のため日銀に利上げするように要求した」と発言し、自民党幹事長が「金融政策を正常化させる方向性を明確にすべきだ」との発言しており、日銀に対する牽制とも受け取れる発言をした。特に、海外ではこの2名が9月の自民党の総裁選に出る可能性が高いことから、円が買われる動きも見られた。このことから、海外前を中心に政治的な思惑を背景に9月と10月は利上げをやり難くなったとの見方も出ている。一方、米国でもトランプ氏が利下げを牽制する発言をしていることから、ともに政策に影響が出るのか注目されている。マーケットでは、年内2回の利上げが織り込まれている。政治的な面を考慮すれば、7月か12月の1回のみか、7月と12月の2回(インフレ次第)が有効と考えられる。ただ、より慎重となり12月の1回となる可能性もあり、その場合なら今回は利上げなしで3兆円の買い入れ減額のみの可能性も考えられる。
英国のリーブス財務相は秋季財政報告で400億ポンドの増税を含む予算案を発表。労働党が選挙公約で掲げた公共サービスの再生に取り組むとともに、前保守党政権が残した財政赤字の穴埋めに充当する。2024-25年度の国債発行額は2970億ポンドで、概ね市場の予想通りだった。
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豪7-9月期消費者物価指数(CPI)は前年比+2.8%と市場予想(+2.9%)を下回り、2021年1-3月期以来の低い伸びとなった。ただ、豪政府のエネルギー支援策による電気料金の値下がりなどが鈍化の主因で、コアCPIにあたるCPIトリム平均値は前年比+3.5%だった。
昨日のドル/円は、153円台を維持したものの伸び悩んだ。米10月ADP全国雇用者数が予想を大幅に上回る結果となり、153.48円前後まで強含む場面も見られた。ただ、その後に発表された米7-9月期国内総生産(GDP)が予想に届かなかったほか、対ユーロでのドル売りの影響もあり上値を伸ばすには至らなかった。本日は日銀金融政策決定会合が開催される。政策金利は0.25%で据え置かれる見通しで、市場の注目は植田総裁の定例記者会見での発言に向いている。先週末の衆院選で与党が過半数議席を獲得できなかったことから、日銀は当面利上げに動きにくいとの見方が広がっている。植田総裁の発言内容次第ではドル/円は上下ともに大きく動くことも考えられる。ドル/円は今週に入り152.41円前後~153.88円前後でのレンジ取引となっている。レンジを抜けた際には上下ともに相応の値動きとなる可能性があるため注意したい。NY市場では米9月個人消費物価指数(PCEデフレーター)や前週分の新規失業保険申請件数が発表される。
「日銀内では経済・物価情勢が想定通りに進んでいることに加え、円安に伴う物価上昇リスクが強まっているとして利上げを支持する声が広がりつつある。一方、足元の個人消費の弱さへの懸念は強く、追加利上げに当たっては消費の持ち直しを今後のデータで確認する必要があるとの指摘が出ている。日銀では、追加利上げに向けた素地は整いつつあるとして、今回の会合で利上げが見送られても、近い将来の利上げを予想する向きもある」
その数時間後、ロイター通信から2つの観測報道が流れた。ひとつは「日銀、国債購入3兆円程度に違和感なし 利上げ時期は慎重に判断」、もうひとつは「BOJ to weigh rate hike next week, detail plan to halve bond buying, sources say」という英語記事であった。英語版の表題は「日本銀行 来週の金融政策決定会合で利上げを検討へ」といったところか。表題は何となく似ているが、後述するとおり記事の内容は微妙に異なっており、同じ記事の日本語版と英語版という位置づけではない。結論を先取りすると日本版は「利上げなし」、英語版は「利上げはきわどい判断」という内容であった。この記事が発表される前、7月は約0.04%pt相当の利上げが織り込まれていたものが、記事発表後は0.07%ptに上昇した。僅かと言えば僅かであるが、英語版の記事に反応した(海外?)投資家が相当数存在したことを物語る。為替は一段と円高が進行した。
(1)東京市場では、序盤から円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。さらに、日経平均株価が、序盤から大幅上昇となったことも押し上げ要因となった。しかし、時間外取引で米長期金利が7/18以来の低水準まで低下したことや、スポ末で実需のドル売り、さらに日銀の金融政策発表での利上げ期待を背景に円買いが優勢となった。ドル/円は、序盤の153.66から154.35まで上昇したものの、その後は153.03まで下落した。(2)午後に入り、高値から360円超上げ幅を縮小していた日経平均株価が再び前日比1000円超上昇したことから、ドル/円・クロス円は底固い動きとなった。ただ、戻りは限定的となり、再び上値の重い動きとなった。また、イエレン米財務長官が日銀の為替介入に一定の理解を示したことも円買いの要因となったとの見方もあった。欧州時間では、ドルは底固い動きとなり、値を戻す動きとなった。(3)米国市場では、米国の主要な経済指標の発表がなく新規材料に乏しい中、欧州時間から低下していた米長期金利が持ち直したことを受けて、ドルは序盤から堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の153.73から154.21まで上昇したものの、日米の金融政策発表を控えて積極的な売買が手控えられたこともあり、上昇一服後は終盤まで上下20銭程度の狭いレンジ内の動きが続いた。一方、クロス円もドル/円の動きに合わせて限定的な動きとなった。
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