■各社予想 10月米平均時給(前年比)
JPモルガン +4.0%
第一生命経済研究所 +4.0%
バークレイズ・キャピタル +4.1%
BNPパリバ +4.0%
HSBC +4.1%
モルガン・スタンレー +4.1
市場コンセンサス +4.0%
前回 +4.0%
(関口)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
筆者は9月の利下げ開始の見通しを維持しています
9年半振りの利上げを決定した昨年12月のFOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨では、参加メンバーの多くがインフレの下振れリスクを懸念していた事が判明した。会後に公表された政策見通しでは0.25%の利上げが年4回あることが示唆されていたが、今後の利上げペースを予想する上で、12月雇用統計では「非農業部門雇用者数」だけでなく、インフレ関連指標(賃金上昇率)が注目された。
もっともFRBの見通し通り、年4回の追加利上げが実施されることとなれば、一方的に円高が進むことはなかろうが、現時点までに発表されている経済指標や、年初から不安定な金融市場の状況を鑑みれば、3月の利上げは見送りとなる可能性が高いものと考える。従って2016年は「Emotional」にはドル高だが「Logical」には円高となるものと思われる。
ブルームバーグ・エコノミクス(BE)のアナ・ウォン氏らはリポートで、「経済のソフトランディングの見通しは明るくなったと考える。50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利下げがすでに労働市場を安定させたと結論付けるのは尚早だろう。それよりも可能性が高いのは、金融当局が11月に打ち出す次の手が25bp利下げになることだ」と指摘した。
世界同時株安・原油安によるリスク回避の動きをはじめ、いくつかの要因が重なり米ドル/円は年初より円高の動きとなっています。昨年6月に125円後半のドル高値をつけて以降、米利上げといった円安ドル高材料がありながらも、ドル高値を更新することなく現在に至っています。 FRBの見通し通り、年4回の追加利上げが実施されることとなれば、一方的に円高が進むことはないでしょうが、現時点までに発表されている経済指標や、年初から不安定な金融市場の状況を鑑みれば、3月の利上げは見送りとなる可能性が高いものと考えられます。
なお、9月26日に米国に上陸したハリケーンや米港湾でのストライキの影響は、10月の雇用統計にあらわれる見通しで、10月分はいったん雇用の悪化も予想されますが、理由が明確である以上、市場のネガティブな反応は限定的とも考えられます。この先も、引き続き雇用を中心とする米経済指標の見極めは必要で、仮に指標の悪化が目立つようになれば、前述の①から③の動きが逆転し、日本株には強い向かい風となる恐れがあります。
6月の雇用統計は就業者数、失業率、平均時給のいずれも、利下げの決定打ではないとしても、確度を十分に高める内容であったと思われます。筆者は9月の利下げ開始の見通しを維持しています。
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