欧米市場オープニングコメント
「ドル・円は底堅い値動きか、重要イベントにらみもドル売り縮小」
4日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い値動きを予想する。5日投開票の米大統領選を控え、不透明感により警戒の円買いが先行する見通し。ただ、米新政権の政策や連邦公開市場委員会(FOMC)をにらみドルは売りづらい展開となりそうだ。
前週末の米雇用統計は非農業部門雇用者数は予想を大きく下回ったが、ハリケーン被害など特殊要因が織り込まれ、相場への影響は軽微だった。逆に平均時給の高止まりで軟着陸が期待され、米金利高・ドル高の展開に。ユーロ・ドルは1.0830ドル台に軟化し、ドル・円は153円台に浮上した。ただ、週明けアジア市場は東京休場で薄商いのなかドル買い・円売りを修正し、ドル・円は一時151円半ばに下げる場面もあった。この後の海外市場は今週の重大イベントを見極めようと、積極的な売り買いは手控えられそうだ。米大統領選は民主党候補のハリス副大統領、共和党のトランプ前大統領のどちらが勝利しても財政拡張が見込まれ、市場はドル買い要因とみている。その後の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げが予想されるが、年内の追加措置は不透明。堅調な経済指標やインフレ高止まりで緩和後退をにらみ、ドルは売りづらいだろう。
通貨別分析
■株式会社フィスコ(以下「フィスコ」という)は株価情報および指数情報の利用について東京証券取引所・大阪取引所・日本経済新聞社の承諾のもと提供しています。
■”JASDAQ INDEX” の指数値及び商標は、株式会社東京証券取引所の知的財産であり一切の権利は同社に帰属します。
■掲載される情報はフィスコが信頼できると判断した情報源をもとにフィスコが作成・表示したものですが、その内容および情報の正確性、完全性、適時性について、フィスコは保証を行っておらず、また、いかなる責任を持つものでもありません。
■本資料に記載された内容は、資料作成時点において作成されたものであり、予告無く変更する場合があります。
■本文およびデータ等の著作権を含む知的所有権はフィスコに帰属し、事前にフィスコへの書面による承諾を得ることなく本資料およびその複製物に修正・加工することは堅く禁じられています。また、本資料およびその複製物を送信、複製および配布・譲渡することは堅く禁じられています。
■フィスコが提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものであり、投資その他の行動を勧誘するものではありません。
■本資料に掲載される株式、投資信託、債券、為替および商品等金融商品は、企業の活動内容、経済政策や世界情勢などの影響により、その価値を増大または減少することもあり、価値を失う場合があります。
■本資料は、本資料により投資された資金がその価値を維持または増大することを保証するものではなく、本資料に基づいて投資を行った結果、お客さまに何らかの損害が発生した場合でも、フィスコは、理由のいかんを問わず、責任を負いません。
■フィスコおよび関連会社とその取締役、役員、従業員は、本資料に掲載されている金融商品について保有している場合があります。
■投資対象および銘柄の選択、売買価格などの投資にかかる最終決定は、お客さまご自身の判断でなさるようにお願いします。
以上の点をご了承の上、ご利用ください。
株式会社フィスコ
12日の東京市場でドル・円は一時153円39銭まで買われた
12日のニューヨーク外為市場でドル・円は152円60銭まで下落後、153円33銭まで反発した。イスラエルがイランからの報復攻撃を警戒しているとの報道を受けて、一時リスク回避の円買いが優勢となったが、この日発表された4月ミシガン大学消費者信頼感指数の期待インフレ率は上昇したこと、複数の米地区連銀総裁が早期利下げに慎重な姿勢を示したことから、リスク選好的なドル買いが再燃。ドル・円は153円26銭でこの週の取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:151円57銭-153円39銭。
【米・4月フィラデルフィア連銀製造業景気指数)】(18日発表予定) 18日発表の4月フィラデルフィア連銀製造業景気指数は3カ月ぶりのマイナスが予想されている。製造業の景況感悪化で、景気減速懸念なら金利安・ドル安要因に。
【米・3月小売売上高】(15日発表予定) 4月15日発表の米3月小売売上高は前月比+0.4%と、2月実績の+0.6%との比較で伸びは鈍化する見通し。市場予想を下回った場合、長期金利は低下し、ドル売りにつながる可能性がある。
ドル・円は重要な抵抗線とみられていた152円を明確に上抜け、短期的には155円を試す可能性がある。来週発表の小売売上高やフィラデルフィア連銀製造業景気指数が市場予想を上回った場合、緩やかなドル高が見込まれる。
来週のドル・円は底堅い値動きか。米インフレ持続を受け、米国の早期利下げ観測は後退し、リスク選好的なドル買い・円売りがただちに縮小する可能性は低いとみられる。日本の為替介入が警戒されるものの、目先的にドルは上値を試す展開となりそうだ。直近発表の米3月消費者物価指数(CPI)はコア指数も含め予想を上回り、年内3回の利下げ観測は大幅に後退した。米連邦準備制度理事会(FRB)はタカ派的な政策スタンスを強め、対照的に欧州中央銀行(ECB)など他の主要中央銀行は早期利下げに傾いている。そうした政策方針の違いから、ドル選好地合いが続く見通し。
外国為替市場で円安・ドル高が再燃している。10月の円の下げ幅は35年ぶりの大きさとなり、市場では一段安を見込む声が増えている。日銀の植田和男総裁は10月31日の金融政策決定会合後の記者会見で、追加利上げに前向きな「タカ派」姿勢を示したが、市場は1ドル=160円に向けて円が下落する可能性を意識し始めている。
一方、日本政府は円安けん制を繰り返し、ドル高の進行を抑制したい意向のようだ。日本銀行は今月開催の金融政策決定会合でインフレ見通しの上方修正を示唆し、円安を弱めたい意向だ。ただ、日本銀行が現行の金融緩和方針を維持するとの見方が浮上した場合はドル売り・円買いは抑制される可能性がある。
今週のドル・円は堅調。1990年以来、34年ぶりとなる153円39銭までドル高円安が進行した。4月10日発表の3月米消費者物価指数(CPI)は前年同月比+3.5%と、インフレ率は2月実績を上回り、インフレ持続によって米国の利下げ開始時期は7月以降になるとの見方が広がったことが要因。日本政府による為替介入が警戒されたものの、1ドル=152円を超えた後も円安是正のための為替介入は実施されていないこともドル買い・円売りを促す一因となった。中東情勢の緊迫化を警戒したリスク回避的な円買いが観測されたが、ドル高円安の流れが変わることはなかった。12日の東京市場でドル・円は一時153円39銭まで買われた。
コメント