来週の為替予想(豪ドル/円 NZドル/円 )「豪雇用統計が弱まれば、利下げ開始時期が早まる?」ハロンズ FX 2024/11/9 #外為ドキッ

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来週の為替予想(豪ドル/円 NZドル/円 )「豪雇用統計が弱まれば、利下げ開始時期が早まる?」ハロンズ FX 2024/11/9 #外為ドキッ

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執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
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今週の振り返り

今週の豪ドル/円は100.67円前後、NZドル/円は91.27円前後で週初を迎えました。週末に米大統領選をめぐる世論調査で民主党候補のハリス氏が共和党候補のトランプ氏との支持率の差を縮めたことで、取引開始からドル売りが優勢となりました。豪ドル/円、NZドル/円は豪ドル、NZドルがそれぞれ対米ドルで強含みましたが、米ドル/円の下落につれて上げ幅を縮小しました。日本時間6日の東京時間に開票が始まった米大統領選では、序盤からトランプ氏が優勢に進めたことで、全般的にドル高が進みました。豪ドル/円、NZドル/円について序盤は対米ドルでの売りの影響で下落しましたが、米株価指数が大幅に上昇したことでリスクオンの動きとなりました(執筆時)。

RBAの利下げは当分先

5日には豪準備銀行(RBA)が金融政策会合を開催しました。政策金利は市場の予想通り4.35%で据え置きでした。その後の定例記者会見でブロックRBA総裁は「インフレ率が目標範囲に向かって持続的に推移していると確信するまで、政策は十分に制限的である必要がある」などと示し、利下げ開始にはまだ時間的距離があることを示唆しました。豪経済について、豪州の労働市場が引き続き強い状態であること、消費の尺度となる小売売上高が底堅かったこと、そして前週に発表された豪7-9期消費者物価指数(CPI)の基調インフレ率を表すトリム平均が前年比+3.5%でRBAのインフレ目標レンジ(2~3%)にはまだ距離があったことなどが明らかになりました。 なので今回のRBAの決定及び、利下げ開始時期が当面先になることについて市場はある程度織り込んでいました。そのため、RBA金融政策後の豪ドル/円は底堅い動きとなりました。

RBAの利下げ開始時期予想が前倒しになるには?

来週は13日に豪7-9月期賃金指数(WPI)、14日に豪10月雇用統計が発表されます。豪州の労働市場は2022年以降力強い成長を続けており、特に今年の4月以降の伸びは目を見張るものがあります(表1参照)。4月以降、豪州で雇用者数は約26.7万人増加して、そのうちの約66%が正規雇用者の増加になっています。さらに、7-9月期に限定すると増加した雇用者の約69%が正規雇用者となっています。そのため、市場は豪7-9期WPIは前期比+0.9%と4-6月期の+0.8%から伸びが加速すると予想しています。14日の豪10月雇用統計の市場予想は雇用者数変化は2.0万人増、失業率は4.2%(前月:4.1%)、労働参加率は67.2%(前月:67.2%)となっています。労働参加率が横ばいに対して、失業率は悪化の予想なので、仮に予想通りの結果であれば豪州の労働市場がやや緩んできているとの印象を受けそうです。ただ、労働参加率に関しては過去最高水準で高止まりになります。失業率の悪化が数カ月にわたって続かなければ、RBAが利下げに転じることはなさそうです。金利先物市場が予測するRBAの利下げ開始時期は来年の5月です。仮に豪10月雇用統計が全般的に悪い結果になったとしても、利下げ開始時期が1カ月前倒しになるかどうかですので、短期的に豪ドル売りで反応をしたとしても、豪ドル相場の流れを変えるものにはならなそうです。

【表1:豪雇用者数変化の推移】

豪ドル/円のテクニカル分析

豪ドル/円は約3カ月半ぶりの水準へ上昇してきています。目先の上値目途は7月高値と8月安値を結んだフィボナッチリトレースメントの61.8%戻しとなる103.27円前後となりそうです(8月5日の長い下ヒゲは考慮しない)。一方で下値は、日足一目均衡表の転換線や基準線、200日移動平均線が100円台半ばから後半にかけてありますのでかなり意識されそうです。

【豪ドル/円 日足・一目均衡表、200日移動平均線】

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

予想レンジ:AUD/JPY:100.00-104.00、NZD/JPY:91.00-94.00

11/11週のイベント:

11/12 (火) 08:30 豪 11月ウエストパック消費者信頼感指数
11/12 (火) 09:30 豪 10月NAB企業景況感指数
11/13 (水) 09:30 豪 7-9月期四半期賃金指数
11/14 (木) 09:30 豪 10月新規雇用者数
11/14 (木) 09:30 豪 10月失業率
11/15 (金) 11:00 中国 10月小売売上高
11/15 (金) 11:00 中国 10月鉱工業生産

一言コメント:

11月7日は立冬で秋分と冬至のちょうど間。冬の兆しが見え始める時期だそうです。東京の気温も先週末までは20℃を超える日が多かったですが、今後は20℃を下回る日が目立ちます。暖かい湯船に浸かって体を温めるなど、体調管理に気を付けましょう。

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外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。

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来週の為替予想 豪ドル 円

2028年11月の豪ドル円見通し。当月始値 124.79、最低 124.79、当月最高 130.46。平均 127.14。月末 128.53。変更 3.0%。

日豪の金利差拡大の理由は、コロナショック(2020年に発生)やロシアウクライナ問題(2022年に発生)の影響により、世界的なインフレが発生したことによるものです。 インフレを抑えるべく、日本以外の世界各国ではハイペースな金融引き締め(利上げ)を実施。 その結果、日本と世界各国の金利差が拡大し、大幅な円安が発生しました。

鉄鋼・銅など金属資源の国際市場動向の影響を大きく受けるため、国際商品市場動向を要チェック。中国向けの資源輸出が経済のカギを握っており、中国の需要減退などのニュースに反応しやすい面も。かつて金利を狙った投機的な取引が多かったこともあり、世界的なリスク警戒感を誘うようなニュースに対する感応度が大きく、リーマンショックの際に、経済的にはほとんどン関係なかったにもかかわらず、ドル円以上に値を落としたこともあるため、大きなニュースには要注意。

曲線が曲がりくねっている理由は? AUD/円の取引の際、トレーダーが知っておくべきこととは?

多くの重要イベントが控えている今年の晩秋ですが、先週は「日銀金融政策決定会合」と「10月の米雇用統計」を無事に終えました。値動きはそこそこありましたが、151円台後半から153円台後半で推移し、概ね152円台での取引に終始しました。重要なイベントであったのは事実でしたが、今年度最大のイベントである「2024年米大統領選」を前にその影響は限定的で、やはり米大統領が正式に決まるまでは、経済政策、外交、とりわけ中国に対する米国の対応が不透明なことで、身動きが取れないといったところです。その米大統領選は日本時間今夜から始まりますが、直近の調査でも両者の支持率は拮抗しており、予断を許さない状況です。

2027年7月の豪ドル円見通し。当月始値 115.13、最低 114.14、当月最高 117.62。平均 115.69。月末 115.88。変更 0.7%。

2028年3月の豪ドル円見通し。当月始値 122.70、最低 120.77、当月最高 124.45。平均 122.63。月末 122.61。変更 -0.1%。

2027年5月の豪ドル円見通し。当月始値 112.71、最低 112.71、当月最高 117.78。平均 114.81。月末 116.04。変更 3.0%。

2028年6月の豪ドル円予想。当月始値 116.90、最低 115.73、当月最高 119.25。平均 117.34。月末 117.49。変更 0.5%。

金利差は為替レート変動における最大のドライバーですが、経済の安定性も為替レート変動の一因と言えます。為替レート変動における最大のドライバーは金利差ですが、経済の安定性も一因になっていると言えます。一般的に、市場リスクとボラティリティは、安全通貨としての円の需要を高めます。

2008年金融危機のあと、日本円は世界の中でも安全な通貨、と位置付けられました。その後も変わらず、世界的リスクのバロメーターという存在になっています。リスクが高くなると、マーケットでは円のせいで米ドルは嫌われてし まいます。マーケットが健全な状態であれば、投資家は円を高利回りの通貨と交換します。

2028年5月の豪ドル円見通し。当月始値 118.93、最低 115.15、当月最高 118.93。平均 117.48。月末 116.90。変更 -1.7%。

2027年6月の豪ドル円予想。当月始値 116.04、最低 113.40、当月最高 116.86。平均 115.36。月末 115.13。変更 -0.8%。

2028年8月の豪ドル円予想。当月始値 117.89、最低 117.89、当月最高 122.34。平均 119.66。月末 120.53。変更 2.2%。

そのため、2024年の豪ドル円を予想する上で、インフレ対策によるRBAの金融政策動向が大きなカギを握っていると言えるでしょう。

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