トランプ・トレードのドル高で金(ゴールド)もWTI原油もガタガタ|週刊 米ドルと相性抜群ランキング 2024/11/17

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トランプ・トレードのドル高で金(ゴールド)もWTI原油もガタガタ|週刊 米ドルと相性抜群ランキング 2024/11/17
 

外為どっとコムが提供するCFDサービス「CFDネクスト」の各銘柄(WTI原油、金スポット、銀スポット、天然ガス)と米ドルの「相性」(相関性)をランキング形式でまとめました。銘柄ごとの変動要因についても簡素にまとめています。

執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉

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「米ドルとの相性抜群ランキング」(過去1週間の対米ドルでの相関係数)

順位 CFD銘柄 相関係数
1 金スポット -0.98
2 銀スポット -0.92
3 WTI原油 -0.68
4 天然ガス 0.61

集計期間中(11/8~11/14)金スポットや銀スポット、WTI原油が米ドルと負の相関があった。特に金スポットと銀スポットの負の相関は強く、米ドル高の影響が大きく反映された結果となった。

米ドルの他通貨に対する相対的な強弱を示すドルインデックスは期間中に3.69%上昇した。

※米ドル建てで取引される資源は一般的に米ドルの動向と負の相関(逆相関)が強いと言われている
数値が-1.0に近いほど米ドルの動きが直近の価格動向に影響を与えていたと考えられる
※資源価格は需給など様々な材料の影響で変動するため、必ずしも米ドルと負の相関関係が続くわけではない

WTI原油の変動要因と過去3カ月の値動き

ポイント:WTI原油価格は、ドル高、世界経済の先行き不透明感が重石

原油相場の変動要因は以下の通り

NEW!・期間中のWTI原油は9.56%下落した
NEW!・米エネルギー省の週報で米国内の原油在庫は予想以上に積み増されていた。一方でガソリン在庫は増加予想に対して大幅な取り崩しとなった
NEW!・外国為替市場で米ドル高が続いており、ドル建てで取引される原油に割高感が出た
NEW!・中国をはじめとした世界経済の先行き不透明感が高まっている
    ・石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成されるOPECプラスは12月から計画されていた供給拡大を1カ月遅らせることを決定した
    ・OPECプラスの自主減産が続く中で、一部の加盟国は割り当てられた生産量を無視して生産量を増やしている

天然ガスの変動要因と過去3カ月の値動き

ポイント:天然ガスは、下げに転じる

天然ガス相場の変動要因は以下の通り

NEW!・期間中の天然ガスは上昇基調だったが、木曜日に発表された米国の週刊レポートで予想以上に積み増されていたことを嫌気して急落し1.25%下落となった
NEW!・米エネルギー情報局(EIA)の週報では、米国内の天然ガス貯蔵量は42Bcfの増加。市場予想は38.78Bcfの増加だった。総貯蔵量は過去5年平均を約6%上回っている(11/8時点)
※Bcf=10億立方フィート
    ・米バイデン政権は2024年1月にLNGが環境に与える影響を評価するためにLNGを新たに輸出する際の許可を一時的に凍結    

金(ゴールド)スポットの変動要因と過去3カ月の値動き

ポイント:金(ゴールド)スポット価格は、ドル高のあおりを受けて約2カ月ぶりの水準へ下落

金(ゴールド)スポット相場の変動要因は以下の通り

NEW!・期間中の金スポット価格は2.42%下落した
NEW!・米国の大統領選でトランプ氏の返り咲きが決まったことで米ドルが全面的に買われた影響を受けた。また米株価指数の大幅上昇により、投資資金が金から株式市場に流れたようだ
    ・金価格は10月30日に一時1トロイオンス=2801.80ドルまで上昇し史上最高値を更新した

銀スポットの変動要因と過去3カ月の値動き

ポイント:銀スポット価格は、過去10年の高値圏から急落

銀スポット相場の変動要因は以下の通り

NEW!・期間中の銀スポット価格は2.15%下落した
    ・中国の製造業の回復と太陽光パネルの需要増加から銀価格の上昇を後押し
    ・金同様に装飾需要がある
    ・幅広い産業需要があり、需要の5割以上が工業用需要。そのため経済が上向くと銀の需要が増える
    ・太陽光パネルなど幅広く使われているため、ここ数年は供給不足気味
    ・価格が低い分変動率が大きくなってしまう

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『CFDネクスト』においてスプレッド実績は日本N225では42%縮小し2.9(提示率は最も高く99.95%)、WTI原油では13%縮小し0.026(提示率は99.88%)となりました🌟
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外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。

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[紹介元] 外為どっとコム マネ育チャンネル トランプ・トレードのドル高で金(ゴールド)もWTI原油もガタガタ|週刊 米ドルと相性抜群ランキング 2024/11/17

コンフォートゾーンでの分析は トランプ2.0に対応していません

最後に、このレポートのタイトルに戻ると、トランプ2.0で退場を迫られそうな人の特徴は、事象を点でみる人、過去の常識に依存する人、分かりやすさを重視する人など、コンフォートゾーンにいる人のことです。コンフォートゾーンでの分析は、トランプ2.0に対応していません。

ロイター通信の報道では、下院選で共和党が211議席を確保し、過半数まであと7議席に迫っているという。「トリプルレッド」となれば、トランプトレードの再燃(金利上昇、ドル高、米株高)で、金価格以上に銀価格の下落幅が拡大する展開を警戒したい。

アメリカ大統領選挙でトランプ氏が勝利したことで、金融市場ではこれから実行される政策を考慮したうえで取り引きを行う「トランプトレード」が活発になっています。

トランプ氏の大統領再選を受けて、金融市場では米長期金利の上昇と円安ドル高が進むこととなりそうです。また、株式市場については、短期的にはトランプ氏の勝利が追い風となる一方、長い目で見るとハイテク株を中心に下押し圧力がかかりかねないため注意が必要でしょう。

金融市場では、アメリカ大統領選挙の前からトランプ氏が優勢とみた一部の投資家の間で特定の資産に投資をしたり、売却したりする「トランプトレード」が行われていましたが、当選が確実になったと報じられて以降、一段と活発になりました。このうちニューヨーク株式市場では、トランプ氏が掲げる減税策や規制緩和への期待感から金融やITといった銘柄が大幅に値上がりし、ダウ平均株価は6日からの3日間で1700ドル以上、上昇しました。一方、関税の引き上げによるインフレが再燃するリスクを踏まえて、FRB=連邦準備制度理事会の利下げのペースが緩やかになるという観測や、大規模な財政出動によって財政が悪化する懸念が広がりました。このため、アメリカの長期金利の代表的な指標である10年ものの国債の利回りは、一時およそ4か月ぶりの水準となる4.4%台後半まで上昇したことで、外国為替市場ではドルが買われ、一時1ドル=154円台後半まで円安ドル高が進みました。そのあと、長期金利が一転して低下したのに伴ってドルを売る動きが出て、8日には1ドル=152円台前半まで円高が進みました。専門家の間では「トランプトレード」が当面、続くという見方がある一方で、期待が先行しすぎているという指摘もあり、今後の投資家の動向が注目されます。

■トランプ氏の大統領再選により進められる、地政学リスクの緩和やエネルギー価格を引き下げるための紛争解決策、いわゆるトランプ流「ディール」は、大国の利害調整の犠牲となる当事国にとっては「残酷な結末」となるように思えてなりません。

今の金の価値は幻、つまりはマーケットの間違いであり、それがトランプトレードによって再強化されているということになるでしょう。

■前回のトランプ政権ではトランプ氏の娘婿でユダヤ系米国人のクシュナー大統領上級顧問を中心に、エルサレムへの米大使館設置を始めとする強硬な中東政策が推し進められました。そして、今回のトランプ氏の大統領再選により、イランは更に強硬な中東政策に直面する可能性があります。こうして考えると、イラン側も振り上げたこぶしを不本意な形で下ろさざるを得ない、「残酷な結末」に追い込まれつつあるのではないでしょうか。

トランプ前米大統領が返り咲きを果たした場合、金がポートフォリオの最善のヘッジ手段となる。最新のブルームバーグ「マーケッツ・ライブ(MLIV)パルス」調査の回答結果を示した。

日本銀行は、米国経済の情勢を重視しているが、トランプ氏の具体的な政策を見極めるまで追加利上げを見送る訳ではないだろう。追加利上げの時期に大きく影響するのはドル高円安だ。トランプトレードがなお続き、1ドル155円~160円の水準が定着し、政府が為替介入に動く情勢となれば、日本銀行は12月18・19日の次回金融政策決定会合で追加利上げに動く可能性が高まるのではないか。

ストーンXグループの主任マーケットストラテジスト、キャスリン・ルーニー・ベラ氏はトランプ氏復帰により、民間部門も中銀に追随することでドル離れの動きが加速する可能性があると指摘。「顧客のポートフォリオは金保有を増やしている。ドル安予想が多い。技術的、構造的およびファンダメンタルズの要因は全て、金相場を支えている」と述べた。

しかし同指数は、2016年にトランプ氏が米大統領選挙で勝利した後、0.72近辺まで急低下しました。彼の勝利は、民主主義の対局にある分断を利用したものだったといわれています。この急低下は、彼の横暴ぶりが米国の民主主義を大きく傷つけたことを示しています。

「トランプトレード」を受けてニューヨーク株式市場では、ゴールドマン・サックスや、JPモルガン・チェースといった金融関連の株価が大幅に上昇しました。規制緩和によって金融業界では、買収などが進めやすくなるという思惑が先行している形です。また、トランプ氏の選挙活動を支援してきたイーロン・マスク氏が率いる電気自動車メーカーのテスラの株価も上昇を続け、8日には時価総額が1兆ドル、日本円で152兆円を突破しました。こちらも、規制緩和によって自動運転などの開発が進めやすくなるという期待感が株価の上昇を支えている格好です。一方で、トランプ氏のもとで気候変動対策が後退するという見方から、太陽光発電の会社などの株価は大きく値を下げています。影響は金融市場全体に波及しています。トランプ氏の優勢が伝えられ始めてから外国為替市場では、アメリカの長期金利の上昇を受けてドルが買われる一方、円やユーロが売られる展開となりました。中でも、メキシコの通貨ペソは5日から6日にかけてドルに対して大きく下落して1ドル=20ペソ台後半をつけ、おととし8月以来の安値水準となりました。トランプ政権で関税の引き上げなどが実行された場合にメキシコ経済への打撃が見込まれることに加え、国境管理の強化によって悪影響が出るという見方が広がったためです。また、トランプ氏が暗号資産についての規制を緩和する方針を示していたことからビットコインが上昇を続け、8日には一時7万7000ドル台をつけ、最高値を更新しました。

トランプ新政権は、高インフレに激昂する世論への配慮から、エネルギー価格を引き下げるためウクライナや中東でのディールを強力に推し進める可能性があります。そして、トランプ流ディールの行きつく先は、地政学リスクの当事者にとっては受け入れがたい「残酷な結末」になるように思えてなりません。

以上、世間で叫ばれている「トランプトレード」のほとんどが本来の意味合いから逸脱した、マーケット参加者の都合のよい解釈だということ。

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