指値・ストップ注文のレート水準と数量がわかる「外為注文情報」から今後のポイントを探ります。
154円台で往来、短期勢中心の売買
本日のアジア時間からロンドン時間にかけてのドル/円は下に行って来い。トランプトレードの巻き戻しや、円安けん制発言などを受けて、ドル/円は153.952円まで低下した。下落一巡後は底堅い株価動向から、ドル/円は前半の下げ幅を埋めて154.659円まで上昇した。
オーダーは、現状のレベルの上側の154.950円、155.000円に売りが観測される一方、下側の154.000円に買いが見られる程度。明確な手掛かりがない中で振幅する格好になっているため、投資家は水準感をあまり気にせず、相場の流れに注力して成行で取引しているようだ。
※注文情報「米ドル/円」 1メモリ=1,000,000通貨
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保護主義的な姿勢が示されることで ドル売り圧力も
米ドル/円は取引量が多いため、こういった転換となる価格を見つけやすい特徴があります。
米ドル/円の圧倒的な取引量に比べると、豪ドル/円、NZドル/円などは取引量が大きく少なくなるため、ある程度まとまったオーダーが入ってこないと動きにくい傾向もあります。
世界の政治経済の中心であり、世界中の様々な材料がドル相場に関係してくる。ただ、基本的には米国の材料で動くことが多い。NY株式市場や同債券市場動向などにも要注目。 経済指標への注目度は、他の通貨を圧倒しており、月初の雇用統計発表は世界中の投資家が注目する一つのイベントとなっている。 中銀の独立性が確立されていることもあり、政府要人よりもFRB関係者の発言が重視される傾向が続いていたが、トランプ政権樹立後は、政治関連の発言が相場に与える影響力が強まっている。
注文量の多い米ドル/円やユーロ/米ドルは、まとまった損切り注文が入りやすいため、節目となるレートからストップロスを巻き込んだ動きを見せやすい傾向があります。
こちらは2021年1月22日時点、米ドル/円の1時間足チャートです。
米ドル/円は国内でもっとも取引されており、世界でも2番目に取引量のある通貨ペアです。その取引量の多さにより、ストップロス(損切り注文)もまとまったオーダーが入りやすいです。
世界の外国為替取引で圧倒的なシェアを誇る基軸通貨。2016年に国際決済銀行(BIS)が行った調査では全取引の87.6%がドル関連(ドル円、ユーロドル、豪ドルドルなど)となっている。2位ユーロの31.4%、3位日本円の21.6%を大きく引き離している(為替取引は一回の取引でドル円など2通貨が必要となるため、全体の合計は200%となる)。そのため、経済指標・要人発言などの注目度は他の国・地域よりも圧倒的に高い。 他の先進国に先駆けて景気回復に成功し、2015年12月から利上げ局面に入っている。順調な利上げでかつて高金利通貨といわれた豪ドルやNZドルよりも金利が高い状況となっている。 トランプ政権樹立後は、政治的な情勢も相場に影響が出ている。保護主義的な姿勢が示されることで、ドル売り圧力も。 かつては有事のドル買いといわれ、紛争など世界的にリスク警戒感が強まる場面では買いが出ていた。湾岸戦争以降、米国が紛争当事国となるケースが増え、その役割が弱まったが、ここにきて役割が回復してきており、有事に強い円を除いて、ドル高になるケースが見られる。
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