22日の香港市場は軟調な相場か。米景気が堅調ななか、トランプ次期米政権の経済政策がインフレ再燃につながる可能性が意識され、米長期金利の上昇を懸念する売りが重荷となりそうだ。ロシアとウクライナを巡る地政学的リスクも引き続き警戒されるだろう。ロシアのプーチン大統領は21日、ウクライナを新型の中距離弾道ミサイルで攻撃したと発表し、米国や英国から供与されたミサイルでロシア領内を攻撃したことへの対抗措置と位置づけた。
もっとも、下値は限定的と予想する。前日の米株式市場で主要3指数が上昇した流れを引き継いだ買いが香港でも下値を支えるだろう。中国が景気下支え策を増強するとの期待も根強い。
21日のNY株式相場はダウ平均が続伸。トランプ次期政権の政策の恩恵が期待されるゴールドマン・サックスなどの金融株やキャタピラーなどの景気敏感株の上昇が相場をけん引した。ハイテク株主体のナスダック総合は小幅に反発した。同日の香港株の米国預託証券(ADR)はネット株のアリババ集団(09988)、百度(09888)、美団(03690)、香港公益株の香港鉄路(00066)とホンコン・チャイナガス(00003)が香港終値を下回った半面、英金融大手のHSBC(00005)が上回って引けた。
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
見通し 22日香港株軟調な相場か 米長期金利の上昇を懸念
●日本は、7-9月期に下振れしたものの、インバウンド消費の増加や経済対策の効果、堅調な企業収益を背景に、緩やかな景気回復のパスに復調する見通しです。円安地合いも景気を支えるとみられます。
●中国は、不動産市場の低迷や海外景気の減速で需要不足が続き、若年層の雇用悪化の影響などから個人消費も力強さを欠くことから、景気の回復ペースが鈍化するとみられます。ただし、政府が拡張財政を継続することから、緩やかな減速にとどまる見通しです。
●日銀は1月の金融政策決定会合で、大規模な金融緩和策の現状維持を決めました。また、「経済・物価情勢の展望」(展望レポート)で24年度の消費者物価上昇率(生鮮食品除く)の見通しを引き下げました。
●米国は、これまでの大幅な利上げに伴う景気抑制効果から、景気が緩やかに減速するとみられます。ただし、雇用が比較的安定しており、個人消費が底堅いことや、企業収益が回復傾向にあることから、景気の急減速は避けられ、ソフトランディング(軟着陸)する見通しです。
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