ドル/円、155円を前に伸び悩む…週末の地政学的リスクを警戒(NY市場の見通し)2024/11/22 #外為ドキッ

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ドル/円、155円を前に伸び悩む…週末の地政学的リスクを警戒(NY市場の見通し)2024/11/22 #外為ドキッ
 

ドル/円、155円を前に伸び悩む…週末の地政学的リスクを警戒

欧米時間のドル/円予想レンジ:153.600-155.500円

東京市場のドル/円は、底堅い展開。序盤に154.00円を割り込む場面もありましたが、日本株高などを背景に下げ止まると午後には154.90円台まで切り返しました。その後は米長期金利が低下したことから伸び悩むと154.30円台まで押し戻されました。

今夜は米11月購買担当者景気指数(PMI)・速報値に注目が集まります。市場予想は製造業PMIが48.9、サービス業PMIは55.0となっています(前回:48.5、55.0)。また、前日NY市場では株高・債券安(金利上昇)、仮想通貨高などトランプ・トレード再開と思われる展開となりました。こうした動きが続くがどうかにも注目です。他方で、週末の地政学的リスクを警戒して持ち高調整が入ることも考えられるため注意しましょう。

ドル/円をテクニカル分析で見ると、チャネル下限・20日線・154.00円(心理的節目)の水準がサポートとして意識されてます。底堅い展開から10日線を突破しつつ155円台への上昇を試すか注目です。

ドル円 日足チャート

この後の経済イベント

11/22(金)
18:30☆英11月製造業PMI・速報値
18:30☆英11月サービス業PMI・速報値
21:00 メキシコ7-9月期GDP・確定値
22:00 ナーゲル独連銀総裁、ビルロワドガロー仏中銀総裁講演
22:30 カナダ9月小売売上高
23:45☆米11月製造業PMI・速報値
23:45☆米11月サービス業PMI・速報値
24:00 米11月ミシガン大消費者信頼感指数・確報値
24:45 シュナーベルECB専務理事講演

11/23(土)
08:15 ボウマンFRB理事講演
※☆は特に注目の材料

経済指標・イベントの結果について

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経済指標カレンダー

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外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe)
2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。

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ドル円の上昇チャネルの上限も156円台に位置している

ドル円は154円台に乗せてきた。市場筋の試算では、150円台の円安水準が続いた場合、電気・ガス代での補助金がなくなることや再エネ賦課金の値上がりなども考慮すると、2024年度の世帯平均の家計負担は前年度と比べて10万円を超すとのことである。すなわち、6月に予定されている1人当たり4万円の定額減税の恩恵を打ち消すことになる。

ユーロドルは4日続落。終値は1.0624ドルと前営業日NY終値(1.0643ドル)と比べて0.0019ドル程度のユーロ安水準だった。欧州中央銀行(ECB)の利下げ開始時期が近づいているとの見方が一段と強まる一方、米連邦準備理事会(FRB)による利下げ開始は想定より後にずれるとの観測が高まっており、欧米の金利差拡大への思惑からユーロ売り・ドル買いが出やすかった。

本日の東京外国為替市場のドル円は、155円を目前にして本邦通貨当局のドル売り・円買い介入の可能性に警戒する展開が予想される。

ドル円は、2022年秋の本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入以来、152円が防衛ラインと見なされてきたが、今回154円台に上昇しても円買い介入が実施されないことで、防衛ラインが155円まで引き上げられているのではないか、との見方が広がっている。

一部の市場筋は、神田財務官が介入に踏み切る「神田ライン」は、過去28日間の安値から10円上昇した水準(本日は156.49円=146.49円+10円)付近ではないか、と推測している。ドル円の上昇チャネルの上限も156円台に位置している。また、2022年秋に円買い介入が行われた水準であるドル円のボリンジャー・バンド+2σは、154.00円付近にある。

米小売指標の上振れをきっかけに全般ドル買いが活発化すると、前週末の安値1.0623ドルを下抜けて一時1.0620ドルと昨年11月3日以来の安値を付けた。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時106.25と昨年11月2日以来の高値を付けた。

鈴木財務相は、17日からワシントンで開催されるG20財務大臣・中央銀行総裁会議を控えて、ドルは各国通貨に対して独歩高の基調にあり議題となる可能性はある、と述べた。2022年秋の本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入は、9月22日、10月21日、24日の3回行われたが、合間の10月12-13日にワシントンでG20会議が開催されていた。

ユーロ円は5営業日ぶりに反発。終値は163.91円と前営業日NY終値(163.13円)と比べて78銭程度のユーロ高水準。ドル円の上昇につれた買いが入ると一時164.44円と本日高値を付けたものの、前週末の高値164.47円が目先レジスタンスとして意識されると失速。ユーロドルの下落につれた売りも出て一時163.66円付近まで下押しした。

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