外為どっとコムが提供するCFDサービス「CFDネクスト」の各銘柄(WTI原油、金スポット、銀スポット、天然ガス)と米ドルの「相性」(相関性)をランキング形式でまとめました。銘柄ごとの変動要因についても簡素にまとめています。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
「米ドルとの相性抜群ランキング」(過去1週間の対米ドルでの相関係数)
順位 | CFD銘柄 | 相関係数 |
---|---|---|
1 | 銀スポット | -0.94 |
2 | WTI原油 | 0.73 |
3 | 金スポット | 0.91 |
4 | 天然ガス | 0.99 |
集計期間中(11/15~11/21)米ドルと負の相関が強かったのは銀スポットだった。一方で、天然ガスや金スポット、WTI原油は正の相関が強かった。ウクライナ情勢への懸念が高まる中で、リスク回避の金需要が増えたことや、ロシア産の原油や天然ガスの供給懸念が影響したようだ。
米ドルの他通貨に対する相対的な強弱を示すドルインデックスは期間中に0.12%上昇した。
※米ドル建てで取引される資源は一般的に米ドルの動向と負の相関(逆相関)が強いと言われている
※数値が-1.0に近いほど米ドルの動きが直近の価格動向に影響を与えていたと考えられる
※資源価格は需給など様々な材料の影響で変動するため、必ずしも米ドルと負の相関関係が続くわけではない
WTI原油の変動要因と過去3カ月の値動き
ポイント:WTI原油価格は、ウクライナリスクで反発
原油相場の変動要因は以下の通り
NEW!・期間中のWTI原油は2.40%上昇した
NEW!・米エネルギー省の週報で米国内の原油在庫とガソリン在庫は取り崩しの予想に反して積み増されていた。
NEW!・ウクライナ情勢への懸念によりロシア産原油の供給懸念が強まっている
・中国をはじめとした世界経済の先行き不透明感が高まっている
・石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成されるOPECプラスは12月から計画されていた供給拡大を1カ月遅らせることを決定した
・OPECプラスの自主減産が続く中で、一部の加盟国は割り当てられた生産量を無視して生産量を増やしている
天然ガスの変動要因と過去3カ月の値動き
ポイント:天然ガスは、急騰!一週間前の3割高!
天然ガス相場の変動要因は以下の通り
NEW!・期間中の天然ガスは急騰。ウクライナ情勢の更なる悪化への懸念などで、前週から29.35%上昇となった
NEW!・米エネルギー情報局(EIA)の週報では、米国内の天然ガス貯蔵量は3Bcfの減少。市場予想は2.13Bcfの増加だった。総貯蔵量は過去5年平均を約6.4%上回っている(11/15時点)
※Bcf=10億立方フィート
・米バイデン政権は2024年1月にLNGが環境に与える影響を評価するためにLNGを新たに輸出する際の許可を一時的に凍結
金(ゴールド)スポットの変動要因と過去3カ月の値動き
ポイント:金(ゴールド)スポット価格は、ウクライナ情勢の悪化を受けてV字回復
金(ゴールド)スポット相場の変動要因は以下の通り
NEW!・期間中の金スポット価格は4.10%上昇した
NEW!・ウクライナ情勢の更なる悪化懸念により安全資産の金需要が高まった。
・金価格は10月30日に一時1トロイオンス=2801.80ドルまで上昇し史上最高値を更新した
銀スポットの変動要因と過去3カ月の値動き
ポイント:銀スポット価格は、ウクライナ情勢悪化の影響なし
銀スポット相場の変動要因は以下の通り
NEW!・期間中の銀スポット価格は1.20%上昇した
・中国の製造業の回復と太陽光パネルの需要増加から銀価格の上昇を後押し
・金同様に装飾需要がある
・幅広い産業需要があり、需要の5割以上が工業用需要。そのため経済が上向くと銀の需要が増える
・太陽光パネルなど幅広く使われているため、ここ数年は供給不足気味
・価格が低い分変動率が大きくなってしまう
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外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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