【ドル/円】上値余地を探る動き。153.50以下で終えた場合は下値リスクが点灯。
直近の日足は先週末の東京市場(9:00am)で、前日足から下寄りのスタートとなりましたが、153.90-00の日足の抵抗に跳ね返されて小陽線で切り返しています。上値トライの可能性に繋げていますが、上昇エネルギーの強いものではなく、また、上値を若干切り下げており、155.40-50の抵抗を上抜けて来ないと上値余地も拡がり難い状態です。上値トライに失敗する可能性にも注意が必要ですが、これをクリアし、さらに156.10-20,156.50-60の抵抗を全て上抜けて終えれば、“強気”の流れに戻して一段の上昇に繋がり易くなります。逆に、日足の下値抵抗が154.00-10,153.60-70にありますが、これらを切り崩して153.50以下で終えた場合は下値リスクが点灯、153円台を割り込んで終えた場合は、短期トレンドが変化して150~151円台の下値抵抗の強さを確認する動きが強まり易くなります。
ドル買いは154.00-10で押し目買い。損切りは153.40で一旦撤退です。売りは158.90-00まで引き付けて。損切りは156.60で撤退です。
日足の上値抵抗は155.40-50,155.70-80,156.10-20,156.50-60に、下値抵抗は154.00-10,153.60-70,153.00-10にあります。
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ドル円予想 上値余地を探る動き 強い上値抵抗にも注意
2023年12月7日に急落し、一旦94円を割り込んだ。米ドル/円の波乱につられた値動きだったが、大きく反落したため基調が一旦「崩れ」、回復には時間がかかると思っていたが想定より早期に回復、また高値圏にて保ち合いのレンジを形成していたところは大きな判断基準となった。
国内外の金融機関による2024年の為替相場の見通しをみると、野村証券は6月末が1ドル=140円、...
ドル円は先週末のNYで再び155円台に乗せる場面がありました。NYでの高値は155円02銭と、155円台にわずかに乗せただけでしたが、依然底堅い動きを見せています。11月のPMIが市場予想を大きく上回り、米景気の底堅さを見せたことで株式市場ではダウが400ドルを超える上昇。リスク資産の株が買われたことで円売りが強まりました。さらにユーロドルでも、「ドル高ユーロ安」が一段と進み、ユーロは欧州で一時1.0333前後まで売られ、2022年11月下旬以来の安値を付けており、ユーロ安に引っ張られた側面もあったようです。ただ週明けのオセアニア市場では、ドル円は「窓を開け」154円05銭辺りまで売られています。トランプ次期政権の財務長官に指名されたスコット・ベッセント氏が、関税政策や積極的なドル安誘導への姿勢を見せるのではないかとの思惑が働いたようです。
その半面、2023年年末の高値更新と同様、高値トライがあっても上に定着しない可能性がある。それはモメンタムの低下を暗示し、これから上放れするまでなお時間がかかることを示唆している。今のところ、豪ドル対米ドルの軟調が足を引っ張っており、今週もモメンタムが抑制される可能性がある。
2024年の対ドルの円相場は日米金利差縮小を背景に緩やかな円高を見込む声が多い。米連邦準備理事会(FRB)が利下げを始めればドル高に転機が訪れるとの観測が背景にある。21年以降の円安局面が転換し「強い円」が戻るのか。日銀がマイナス金利政策を解除しても日米金利差は大きく、円の上値は重いとの見方もある。
先週続伸しただけに、完全にブルトレンドへの復帰がなくても、しばらくは上値余地が拡大する可能性もある。そのため、2023年高値を起点とした下落変動自体を本物とみなし、また切り返しの継続があってもあくまで途中の速度調整に過ぎないが、性急な戻り売りは避けたい。
豪ドル/円相場は先週切り返し、値幅こそ限定的だったものの、堅調な推移を保った。先週保ち合いとなり、やや弱含みの展開となったが、上放れの志向が強く、これからブレイクすることを示唆していたため、先週一旦高値更新したことを重視しており、ここから上放れするという見方は変わらない。
本日のドル円は153円20銭〜154円70銭程度を予想します。
ようやく決まった米財務長官のポストはマイクロヘッジファンド運営会社キー・スクエア・グループのベッセントCEOで、同氏は「財政のタカ派と見られており、赤字削減やインフレ抑制、関税への段階的アプローチを支持している。これは利回り上昇やドル高につながった『トランプ・トレード』の一部巻き戻しに大きな役割を果たすだろう」と、ブルームバーグは同氏のスタンスを論じています。トランプ氏の政策に一定のハドメがかかる可能性がありますが、トランプ氏は同氏に対して声明で、「スコットは長らく米国第一のアジェンダに対する強力な支持者となってきた。われわれの偉大な国が250周年を迎えるのを控え、世界をリードする経済大国としての地位を固める中で、米国の新たな黄金時代を導く手助けを彼はしてくれるだろう」と述べていました。トランプ政策を推進する上での、国債増発による財政赤字拡大見通しと、財政規律派のベッセント氏を今後どのように相場を見立てる中で織り込んでいくのか、市場関係者にとっても難しい判断になるかもしれません。
しかし、レンジの上限に再三トライし、またすでに同じく再三のブレイクも果たしたため、上放れするのも時間の問題であり、場合によっては上値追いの可能性もあり得るだろう。そのため、弱気姿勢を取らずにロングスタンスで臨みたい。
総合的に見ると、やはり心理大台の150円台の打診は覚悟しておきたい。その反面、それ以上の上値トライがあったとしても定着はしないだろう。
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