このレポートでは、メキシコペソとアメリカ経済や日本円との為替レートの動き、メキシコペソの見通し、そしてその影響を受ける可能性がある要因について詳しく解説します。
執筆:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
X(Twitter): https://twitter.com/KandaTakuya
米・加との貿易協定見直しはメキシコ不利との思惑
カナダのグローブ・アンド・メール紙は先週20日、カナダ政府は「米国との今後の貿易交渉でメキシコを除外する可能性を排除していない」と報じた。同国のフリーランド副首相は、中国がメキシコを貿易アクセスの裏口として利用しているというトランプ次期米大統領の「深刻な懸念」を共有していると述べた。米国とカナダとメキシコは2020年に、部品調達などで一定の条件を満たせば域内の関税がゼロになる貿易協定(USMCA)を締結。再来年2026年には3国間で見直し協議を行うことが決まっており、交渉がメキシコにとって不利なものになるとの懸念がくすぶっている。
米財務長官人事はメキシコにとって不幸中の幸いか
他方、トランプ次期政権が財務長官にベッセント氏を起用したことはメキシコにとって不幸中の幸いになるかもしれない。ベッセント氏はヘッジファンドの最高経営責任者(CEO)であり、市場寄りの人物だ。さらに、関税の強化は高インフレとドル高につながるとして反対の立場を示したこともある。財政赤字の削減に前向きな姿勢でも知られており、トランプ氏の過激な経済政策のブレーキ役になるとの期待が浮上している。 関税を中心とするトランプ次期米政権の経済政策を巡る思惑は、当面のメキシコペソ相場を巡る重要なキーワードのひとつであり続けるだろう。
メキシコペソ/円 日足チャート
【キャンペーン】のご紹介
【高金利通貨特集】「メキシコペソ/円」 ページはこちら
【最新チャート】「為替チャート|メキシコペソ/円(MXNJPY)|60分足」はこちら
お知らせ:FX初心者向けに12時からライブ解説を配信
外為どっとコム総合研究所の調査部に所属する外国為替市場の研究員が、FX初心者向けに平日毎日12時ごろからライブ配信を行っています。前日の振り返り、今日の相場ポイントなどをわかりやすく解説しています。YouTubeの「外為どっとコム公式FX初心者ch」でご覧いただけます。
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。
コメント