ドル/円、154円台へ持ち直し…ベッセント次期財務長官「ドルの地位維持に注力する」
欧米時間のドル/円予想レンジ:153.600-155.500円
東京市場のドル/円は、先週金曜日のクローズレートから60銭ほど下落してオープン。米財務長官にヘッジファンドを率いるベッセント氏を指名したことを受けてトランプ次期政権の経済政策が当初の見込みより穏当になるとの思惑からドル売りが強まりました。一時153.50円台まで下押しする場面もありました。しかし、米財務長官に指名されたベッセント氏が「ドルの地位維持に注力する」と述べたことが伝わると午後には154.40円前後まで持ち直しました。欧州市場では米長期金利が下げ渋ったこともあり154.70円台まで上値を切り上げています。
ベッセント次期米財務長官は「ドル安は経済の一部にとって良いことだが、トランプ氏の提案の中にはドルの価値を押し上げるものもある」と述べておりトランプ政権の過激な政策に歯止めをかけるとの期待もあります。ただ、ベッセント氏はWSJとのインタビューで「トランプ氏が公約した減税や関税などの実現が政策優先事項だ」と述べたそうです。今夜のドル/円はベッセント次期米財務長官の発言や人となりを巡って、思惑主導の動きになりやすいでしょう。なお、今夜はドル/円に直接関係する特に注目のイベントは予定されていません。
ドル/円をテクニカル分析で見ると、11月15日以降高値を切り下げており上値の重さが窺えます。ただ、移動平均線は強気のパーフェクトオーダーを維持しており153円台では下ヒゲを残して反発するなど底堅い推移が続いています。このまま10日線を上抜くと再び上昇の勢いがつく可能性が考えられます。ただ、154円を終値で割り込んだ場合は下値リスクがやや高まりそうです。
ドル円 日足チャート
この後の経済イベント
11/25(月)
19:30 ディングラMPC委員講演
25:05 センテノ・ポルトガル中銀総裁講演
25:30 レーンECB専務理事講演
26:30 ナーゲル独連銀総裁講演
27:00 米2年債入札(690億ドル)
28:00 マクルーフ・アイルランド中銀総裁講演
※☆は特に注目の材料
経済指標・イベントの結果について
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外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe)
2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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そのため 豪ドルは日米や中国の株価動向を睨んだ動きとなりそうだ
ユーロ円はじり高。20時時点では161.92円と、17時時点(161.51円)と比べて41銭程度のユーロ高水準だった。ユーロドルの持ち直しに加えて、米株先物や欧州株の底堅い動きが円売りをやや後押し。162.12円まで上値を伸ばした。
25日午後の東京外国為替市場で、円相場が伸び悩んでいる。14時時点では1ドル=154円12〜14銭と前週末17時時点と比べて60銭の円高・ドル安だった。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル電子版は日本時間25日午後、次期米財務長官に指名されたスコット・ベッセント氏がインタビューで通貨政策を巡り「ドルの準備通貨としての世界での地位を保つ」と語ったと伝えた。ドル高を容認する姿勢を示したと受け止められ、円売り・ドル買いが増えた。
25日後場は日経平均株価が、前週末比496円29銭高の3万8780円14銭と大幅に続伸。TOPIX(東証株価指数)が同19.07ポイント高の2715.60ポイントと上昇した。現地22日の米国株式市場でNYダウが終値ベースでの史上最高値を更新したことを受け、買い優勢スタート。時間外取引で米株価指数先物が上げていることも追い風に、日経平均は午前10時8分に同769円79銭高の3万9053円64銭と取引時間中としては15日以来、約1週間ぶりに3万9000円台を回復する場面もみられた。その後は、戻り待ちの売りに押され上値が重い展開を強いられたが、堅調に推移した。外国為替市場で1ドル=154円40銭台と、前場終了時の水準よりも円安方向に振れたことから、輸出関連銘柄が持ち直し指数を支えた。
本日は豪州にて注目の経済指標の発表は予定されていない。そのため、豪ドルは日米や中国の株価動向を睨んだ動きとなりそうだ。注目されていた、次期米財務長官にはスコット・ベッセント氏が指名された。同氏はトランプ次期米大統領が提案する政策の中にはドル高につながるものもあると認めていたこともあり、トランプ氏の大統領就任後にバランスの取れた財政政策が打ち出されるとの期待からトランプ・トレード(ドル高、米金利高)に歯止めがかかったようだ。そのため、週初となる今朝は豪ドルは対米ドルで前週末から上昇している。今週は米国が感謝祭(28日)を控えていることもあり、祝日ムードが漂っている。取引材料に乏しい本日は豪ドル/円のみならず、為替相場全体に方向感が見出しにくくなりそうだ。
ドル円は頭打ち。20時時点では154.42円と17時時点(154.53円)と比べて11銭程度のドル安水準だった。154.72円まで上値を広げたものの、持ち直したユーロなどに対するドル弱含みが重しに。154.35円前後へ下押す場面もあった。
・NY原油先物市場は続伸。終値は前営業日比+1.14ドルの1バレル=71.24ドル(11月22日)。
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