主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年11月26日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部 中村勉
目次
▼25日(月)の為替相場
(1):次期米財務長官人事で窓開けスタート
(2):ベッセント氏「減税公約を実行することが優先事項」
(3):IFO企業景況感 予想以上に低下
(4):BOE副総裁 積極的な利下げに慎重な姿勢
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:方向感が定まりにくい展開が続きそう/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
25日(月)の為替相場
期間:25日(月)午前7時00分~26日(火)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):次期米財務長官人事で窓開けスタート
23日にトランプ次期米大統領が次期財務長官にスコット・ベッセント氏を指名。トランプ氏の掲げる減税や関税などの政策に一定の歯止めがかかるとの思惑からドル売りが先行。ドル/円は前週末終値から下方向に窓を開けて取引が始まった。またクロス円はストレートドルが上昇した影響から、上方向に窓を開けて取引が開始した。
(2):ベッセント氏「減税公約を実行することが優先事項」
米財務長官に指名されたスコット・ベッセント氏はウォール・ストリート・ジャーナル紙とのインタビューで「トランプ氏の様々な減税公約を実行することが優先事項」との見解を示した。また「世界の準備通貨としてのドルの地位維持」にも重点的に取り組むと述べた。これらの発言により、同氏の財務長官人事を受けたドル売りの流れは一服した。
(3):IFO企業景況感 予想以上に低下
独11月IFO企業景況感は85.7と前回(86.5)から低下し、市場予想(86.0)も下回った。IFO経済研究所は「ドイツ経済は低迷している。企業は今後数カ月について再びやや懐疑的になっている」との見解を示した。
(4):BOE副総裁 積極的な利下げに慎重な姿勢
ロンバルデリBOE副総裁は賃金上昇率とインフレ率が期待ほど急速に低下しないとの懸念があることから、金融当局者は利下げを慎重に進めるべきだと述べた。7日の英金融政策委員会(MPC)で50bp(0.50%ポイント)の利下げに賛成票を投じたでロンバルデリ氏は、MPCのコンセンサスを支持し、景気抑制的な金融政策は徐々に解除していくべきとの考えを示した。また今後数カ月のデータが重要で慎重な観察が必要と述べ、積極的な利下げに慎重な姿勢を強調した。
25日(月)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
【情報提供:外為どっとコム】
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:方向感が定まりにくい展開が続きそう
昨日のドル/円は終値ベースで約0.4%下落。週末にトランプ次期米大統領が財務長官にスコット・ベッセント氏を指名したことでトランプ氏の財政政策に一定の歯止めがかかるとの見方から、ドル売りが進み、一時153.55円前後まで下落した。その後、ベッセント氏がウォールストリート・ジャーナル紙とのインタビューで「トランプ氏の様々な減税公約を実行することが優先事項」との見解を示したことでドル売りの流れは一服している。日足の足型は上下にヒゲを伸ばした十字線。売り買いの勢いが拮抗している状態を示している。今週は28日(木)に米感謝祭を控え、特にNY市場では週後半に向けて徐々に参加者が減少することから、市場全体に様子見ムードが高まりつつあるようだ。チャート形状、日柄的にも本日も方向感が定まりにくい展開が続きそうだ。なお、本日は米連邦公開市場委員会(FOMC)が25bp(0.25%ポイント)の利下げを決めた11月会合の議事録を公表する。次回12月FOMCについて、市場では追加利下げと据え置きの予想がほぼ半々と別れていることから手掛かりがあるか注目したい。
注目の経済指標:米消費者信頼感指数
注目のイベント:FOMC議事録
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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FX 為替 気迷いの十字線出現
基本的に窓が開かないFXのチャートに、三空が出現することはほぼありません。しかし、相場に勢いがあれば、ローソク足が大陽線や大陰線を形成することが多くなり、連続すれば勢いが一方向に偏りすぎていると判断できます。
「行き違い線(振り分け線)」とは、前日の流れに背を向け、前日と同じぐらいの実体の長さで反対方向に動いて終わった足型です。振り分け線とも呼ばれ、前日と当日の始値がほぼ同じとなる形が有効とみなされますが、FX以外の金融商品のチャートでも滅多に出現しないパターンです。前日の動きを大きく打ち消して、相場が反対方向へ勢いを強めたことがわかり、陽線→陰線の並びなら上昇相場が終了、陰線→陽線の並びなら下落相場が終了する可能性が高いと捉えます。
連続する2本のローソク足で構成されるローソク足パターンです。陽線のあとに窓(ローソク足とローソク足の間に生じる隙間)を開け、上放れして同時線(四値同時を除く)が出現するローソク足の組み合わせを弱気の十字線といいます。文字通り弱気のローソク足パターンで、高値圏で出現した場合は下降トレンドへの転換を示唆します。このローソク足パターンと反対の性質を持つのが、強気の十字線です。なお、十字線は窓開きのパターンなので、平日24時間取引が続くFXではほとんど出現しません。
「たすき線」とは、始値が前日の実体の中にあり、前日が陰線なら前日高値を超えて引けた陽線、前日が陽線なら前日安値を下回って引けた陰線の足型です。前日と当日の値幅がほぼ同じぐらいのものが有効で、陰線→陽線の並びを「陽のたすき線」、陽線→陰線の並びを「陰のたすき線」と呼ぶ、FX以外の金融商品のチャートでは、比較的よく確認できるパターンです。
それ以外にも、酒田五法には「波高き足のはらみ足」、「上値遊びの放れ」などといった、相場が重要な転機を迎えるときに出現することがあると言われている特徴的なパターンが存在します。古典的な考え方ではありますが、チャート分析の基本的な手法として、現代でもFXを含めたさまざまな金融商品で多くのトレーダーに活用されています。
平均足のチャートを提供しているFX会社は限られていますが、ローソク足チャートの応用型として、海外の一部のトレーダーにも人気があるチャートです。
そこから、上昇相場の最終局面で大陽線が連続したら天井、下落相場の最終局面で大陰線が連続したら底をつける可能性があると捉えるなど、三空の考え方はFXの取引にも十分に活用することができます。
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