主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年11月28日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼27日(水)の為替相場
(1):豪CPI前年比は横ばい、コアは伸び加速
(2):ECB専務理事、「更なる利下げには慎重になる必要」
(3):失業保険継続受給者数、約3年ぶりの水準に増加
(4):米PCEは伸び加速
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:150~151円台でもみ合う展開となりそう/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
27日(水)の為替相場
期間:27日(水)午前7時10分~28日(木)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):豪CPI前年比は横ばい、コアは伸び加速
豪10月消費者物価指数(CPI)は前年比+2.1%と市場予想(+2.3%)を下回った。政府による電力料金の補助などが影響し、伸び率は前月から横ばいとなった。コアCPIに当たるCPIトリム平均値は前年比+3.5%と、前月(+3.2%)から加速した。
(2):ECB専務理事、「更なる利下げには慎重になる必要」
欧州中銀(ECB)のシュナーベル専務理事は「金融緩和は段階的に行うべきで、中立水準を下回るべきではない」とした上で「さらなる利下げには慎重になる必要がある」と述べた。中立金利については「2-3%と推定され、現在の預金ファシリティ金利3.25%からそれほど遠くない」との認識を示した。
(3):失業保険継続受給者数、約3年ぶりの水準に増加
米7-9月期国内総生産(GDP)・改定値は速報値と同じ前期比年率+2.8%で、同個人消費は前期比年率+3.5%に下方修正(速報値+3.7%)された。米10月耐久財受注は前月比+0.2%と市場予想(+0.5%)を下回ったが、輸送用機器を除いた受注は前月比+0.1%と予想通りだった。また、米新規失業保険申請件数は21.3万件と市場予想(21.5万件)より少なかったが、失業保険継続受給者数は190.7万人と約3年ぶりの水準に増加した。
(4):米PCEは伸び加速
米10月個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)は前年比+2.3%と市場予想通りに、前月(+2.1%)から伸びが加速した。食品とエネルギーを除いたコアPCEデフレーターも前年比+2.8%と予想に一致。前月(+2.7%)から加速した。ドルはこれを受けて上昇する場面もあったが、米連邦準備制度理事会(FRB)の12月利下げを妨げるほどの伸びではなかったとの見方から米長期金利の戻りが一時的にとどまる中で伸び悩むと、その後再び下落した。
27日(水)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
【情報提供:外為どっとコム】
- ※ 「外為注文情報」とは、外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』でお取引をされているお客さまの指値やストップ注文の状況を確認できるツールのことを指します。
- ※また、高機能チャート(無料)では「取引分析」 を選択することで、チャート上に注文情報の表示が可能です。
- ※ 尚、この外為注文情報は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家自身でなさるようお願い致します。
人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:突発的なサプライズ報道がなければ150~151円台でもみ合う展開
昨日のドル/円は終値ベースで約1.3%の大幅続落。米長期金利の低下を背景にドル売り・円買いが強まると、10月21日以来の安値となる150.45円前後まで下値を拡大した。152.00円付近に位置する200日移動平均線を下抜けたことで、買い持ちを手仕舞うテクニカル的な売りが出た。NY市場では、債券高(金利低下)、株安、ドル安と、本日からの米感謝祭休暇を前にトランプ・トレードが逆回転。投資家の持ち高圧縮の動きが活発化した。NY勢のドル売り・円買いが一巡したと考えられる本日は、押し目を拾う動きが出やすいと見られ150円台では底堅さを増しそうだ。一方、米感謝祭で市場の動意は限定的と見られることから200日移動平均線を回復する動きにはなりにくいだろう。突発的なサプライズ報道がなければ150~151円台でもみ合う展開となりそうだ。
注目の経済指標:独CPI
注目のイベント:レーンECB専務理事講演
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。
しかも FXで為替差益を追求する場合は柔軟な対応が可能です
しかも、FXで為替差益を追求する場合は柔軟な対応が可能です。特に取引の期限が設定されていないことから、数秒〜数分間の変動から利益を得るスキャルピングやその日のうちに取引を完結するデイトレード、数日〜数週間のスイングトレード、もっと長期のポジショントレードまで、相場の傾向や自分自身の方針に応じて自由自在な取引が行えます。
また、外貨の持ち合わせがなくてもFXなら米ドル安・円高傾向を示すと思われる場面でも「米ドルを売って日本円を買う」という注文が入れられます。今度は、1米ドル=110円の時点で「1万米ドルを売って日本円を買う」という取引を行ったケースで考えてみましょう。そして、1米ドル=105円まで円高に振れたタイミングで、「日本円を売って1万米ドルを買い戻す」という決済を行ったことにします。
コメント