ドル/円、150円を割る展開…12月日銀会合での利上げ観測が高まる
欧米時間のドル/円予想レンジ:149.200-151.200円
東京市場のドル/円は一時150円台を割り込んで下落。東京都区部11月消費者物価指数(CPI)の上振れで日銀の12月利上げが意識されたほか、米長期金利が時間外取引で低下したことからドル売り・円買いが強まりました。欧州市場には149.53円前後まで下値を切り下げて10月21日以来の安値を付ける場面もありました。
米国はきょう、感謝祭明けでクリスマス商戦がスタートするブラック・フライデーです。NY市場は株式と債券が短縮取引となる上に、経済指標や金融当局者の発言機会も予定されていません。為替相場も参加者が限られる公算で、NY午後の取引は閑散となりそうです。ただ、月末最終日とあってロンドン・フィキシング(日本時間25時)の前後は特殊フローなどによる不規則な変動が起きることも考えられます。また、欧州タイムはフランスやユーロ圏の物価関連統計を受けたユーロの動き(ドルへの波及)にも注意しましょう。
ドル/円をテクニカル分析で見ると、RSIが50ラインを割り込み売り圧力の強さが際立つ中で150円を割り込む展開となっています。10・20日線がデッドクロスしていることも売り圧力を強める可能性があります。仮に150円の心理的節目を割り込んで来週を迎えた場合は、一段と下値リスクが高まることが考えられます。
ドル円 日足チャート
この後の経済イベント
11/29(金)
18:30 英10月消費者信用残高
18:30 英10月マネーサプライM4
19:00 日本外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
19:00☆ユーロ圏11月消費者物価指数(HICP)・速報値
21:00 南ア10月貿易収支
22:30☆カナダ7-9月期GDP
※☆は特に注目の材料
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ドル 円 150円を割る展開12月日銀会合での利上げ観測が高まる
三井住友信託銀行米州部マーケットビジネスユニットの山本威調査役は、日銀は事前の報道通りマイナス金利解除などを決めた上で、「今後もかなり緩和的な環境が続くことを織り込ませ、追加利上げにも慎重な姿勢を示すだろう」と予想。植田総裁会見を確認して「不透明感が解消すれば、円売り再開でドル・円は150円台に乗せる可能性がある」との見方を示した。
一方、18日の米国市場では10年債利回りが上昇。2年債利回りは昨年12月以来の高水準を付けた。19、20日に連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて、予想を上回る物価統計を背景に利下げ観測が後退し、ドルが上昇。金利スワップ市場では6月の利下げ織り込みが一時5割台まで低下し、年内に予想する利下げ回数も3回弱まで減っている。米国要因が日銀イベント通過後のドル・円上昇を後押しする可能性がある。
19日の東京外国為替市場の円相場は1ドル=149円台前半と、前日夕から横ばい圏で推移。日本銀行はこの日の金融政策決定会合で大規模緩和策の解除を決定する可能性が高まっているが、解除後も緩和継続姿勢が示されるとの見方が強い。政策修正を受けて一時的に円高に振れる場面はあっても、植田和男総裁の会見を見極めた上で150円台に向けて再び円売り・ドル買いが強まるとの警戒感がある。
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