パッケージサラダ 脱100円 に壁
全国で市販用パッケージサラダを展開するサラダクラブは、1袋100円からの脱皮に向けて大きな決断を迫られている。将来的にはダイナミックプライシング(需要と供給に合わせて商品価格を変動させる)の導入に舵を切る可能性も出てきた。 パッケージサラダは、女性の社会進出や高齢化による時短・簡便ニーズの高まり、単身世帯の増加による個食化の進展などを背景に急成長を遂げてきた。近年は、特に洗わずにそのまま食べられる時短・簡便ニーズが受け入れられ、市場規模(約2000億円)は過去10年間で約2倍に成長。今ではスーパーマーケットやコンビニエンスストアの定番商品となり、青果売場の必需品になっている。 だが、ここにきて「パッケージサラダ業界の潮目が変わった」と市場トップ(約20%シェア)のサラダクラブの金子俊浩社長は指摘する。購入経験率に大きな変化はないが、使用頻度は確実に増加。「しかも昨今の原料事情の悪化から、原料がなくなる懸念もあり、そうした中で、従来からの1袋100円の販売には危機感を抱いている」という。 昨今のパッケージサラダは、肥料などの原材料や物流費の高騰などが市場を襲い、中・長期的にみても農業就業者の半減・高齢化、野菜の作付面積及び生産量の減少、農業所得の悪化など野菜を取り巻く環境は厳しい。人件費やエネルギーコストは急増しているが、発売以来、店頭価格は大きな変化はない。 サラダクラブは設立当初から産地との契約取引を行っており、現在では約400の契約産地から常に旬の野菜を調達している。しかし「今年3月以降、相場が荒れる場面が増え、とりわけ今夏は猛暑が襲い、野菜の生育が厳しく、需要と供給のバランスが完全に崩れた」(小林慶一郎専務・原資材部部長)。今後も相場の乱高下が間違いなく発生する可能性が高く、「需給バランスに応じて価格を変える必要があり、それには1袋100円から脱却しない限り市場の将来はない」と言い切る。 「生産者が減り、原料がなくなれば、生産者も加工メーカーも共倒れになってしまう。メーカーとして、きちっと供給の役目を果たすには、ダイナミックプライシングの導入が最善策」と指摘。「パッケージサラダはキャベツと戦っており、キャベツが安ければパッケージサラダは売れないが、高いとパッケージサラダが売れる構図。つまり戦う相手は丸のキャベツであり、丸のキャベツとの良い競争関係を保つ必要がある」と語っている。
全国で市販用パッケージサラダを展開するサラダクラブは、1袋100円からの脱皮に向けて大きな決断を迫られている。将来的にはダイナミックプライシング(需要と供給に合わせて商品価格を変動させる)の導入に舵を切る可能性も出てきた。
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