ドル円 韓国の非常戒厳など受け不安定な動き
今週初めのドル円は、先週の下落を経て149円台後半でスタートしました。
先週、日銀の追加利上げ観測が強まる中でドル円は149円台後半へと下落しました。週明けの2日(月)は一時150円台後半へと上昇しましたが、その後米長期金利が上げ幅を縮めると149円台前半まで押し戻されました。
3日(火)には日経平均株価の上昇を背景に150円台前半へと持ち直したものの、同日夜に韓国大統領が非常戒厳を宣言したことでリスク回避の円買いが強まり、148円台後半へと急落しました。
4日(水)未明に韓国の非常戒厳が解除されるとドルが買い戻され、さらに日銀が今月の会合で利上げを見送る可能性があるとの報道が伝わって円売りが強まり、ドル円は151円台前半へと上昇しました。
5日(木)には利上げに慎重な立場とされてきた日銀の中村審議委員の「利上げに反対とは言っておらず、データを確認しながら判断していくべき」との発言が伝わりました。この発言が追加利上げを容認する姿勢と受け止められて円買いが強まり、ドル円は149円台後半へと下落する場面もありましたが、その後150円台を回復し6日(金)午前には再び149円台後半へと下落するなど、神経質な動きとなりました。
今週のドル円は韓国大統領が非常戒厳を宣言したことや日銀の利上げ観測の変化を背景に上下に振れる展開となりました。
来週は米11月消費者物価指数(CPI)などの重要イベントが予定されています。今月開かれる日米の金融政策発表イベントが意識される中、来週の指標を受けて両国の金融政策をめぐる見通しがどのように変化するか、慎重に見極める必要がありそうです。
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ドル円相場12 2週振り返り 韓国の非常戒厳など受け不安定な動き
今夜は米ISM被製造業景況指数の悪化でドル金利が急低下。ドル円相場はその割にはあまり崩れていない印象です。
韓国大統領が談話「国民におわび」
昨晩ドル円相場の円高を演出した韓国戒厳令宣言ですが、すぐさま議会で解除決議案が可決、尹大統領は4日の朝早くに戒厳令解除を発表、野党6党 は尹大統領の弾劾議案を提出する事態となっています。しかし戒厳令が解除されたことで、ひとまず緊張は解けました。
また、米国の中央銀行にあたる米連邦準備制度理事会(FRB)が12月の会合で利下げするとの見方も拡大。一方で日本銀行が12月会合で利上げする可能性が指摘されており、日米の金利差が縮むとの思惑が広がった。これも円買いドル売りの支えとなり、一時148円台まで円が上昇した。
この記事、つまり日銀の利上げ観測後退の英訳でこれだけドル円の買い戻しが入るということは、海外勢が12月利上げを見込んでドル円ショートに動いている実体が透けて見えます。つまり、本当に12月利上げがなければ、ドル円相場はもっと上昇するだろうことが予想されますね。
昨晩のマーケット、特に為替市場にリスクオフの様相が色濃く反映されました。韓国ウォンが売られ、ドル円相場も下落、円高に動きました。典型的な「リスク回避の円買い」です。しかし、戒厳令解除と米指標JOLTS求人件数の数字がすこぶる好結果だったことからドル金利が反発上昇したことで、ドル買いが優勢となり、今日の東京時間には12月の日銀会合での利上げ観測が後退したことで円金利が下落、円売りが加速する格好でドル円が上昇すると、地政学イベント、米金利動向、日銀政策観測報道などが入り乱れる形でドル円相場が大きく動いた1日となりました。
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