イチゴの輸出量 10年で20倍に増加
日本でのイチゴの生産、状況は?
イチゴの輸出が伸びている。見た目の美しさや甘さなどでアジア圏を中心に人気が高まり、2023年の輸出量は10年前から20倍に増加。品種ごとの多彩な味わいも支持を広げている。産地では、海外ニーズをつかもうと、規格の工夫や輸出国の開拓に動く。
11月の日農平均価格(各地区大手7卸のデータを集計)は、野菜が軒並み品薄高だった。キャベツの価格が平年(過去5年平均)比2・5倍となるなど極端な高値も出た。果実は、夏の高温の影響を受けて日焼け果や着色遅れが発生。品薄高となる品目が目立った。キャベツの価格は同147%高。群馬県産が切り上がる一方で後続産地の増量が鈍く、中旬には平年比で3倍の高値を付ける局面もあった。1玉売りの割高感から千切りなどカット加工商品の需要が拡大。加工業者からの強い引き合いが品薄高に拍車をかけた。果菜類は全面高。キュウリは同108%高。同3割減の取引量だったものの、他の果菜類に比べると比較的数量があったことで棚を埋める商材としての引き合いが強かった。下旬に平年比2倍の高値を記録したトマト、ピーマンはそれぞれ同43%高、79%高となった。ナスは同11%減、同16%高で推移した。果実は、入荷が本格化した早生ミカンが平年比33%高だった。降雨もあって大玉傾向だが、主産県の裏年傾向に加え着色遅れも発生。取引量は同24%減となった。11月に360円台となるのは初。果実全般の価格が高騰した中でも平年並みだったのは西洋梨だ。主体は山形県産「ラ・フランス」で、昨年は突風の影響などで数量が減ったが、今年は取引量同5%増と回復した。イチゴ「とちおとめ」の取引量は同77%減。前年比でも31%減だった。栃木県では「とちあいか」が作付けの8割を占め、品種の切り替えが進んだ。イチゴ全体では九州の産地で高温や降雨の影響で定植が遅れて入荷が少なく、堅調な相場だった。
シーズンが始まったイチゴの相場が堅調だ。九州の産地が高温や降雨の影響で定植が遅れるなどして入荷量が少なく、平年(過去5年平均)比2割高で推移している。特に業務向けは少なく、今後も高値を維持しそうだ。イチゴの28日の日農平均価格は平年比24%高の1キロ2375円だった。11月下旬は高値を付けた前年水準には及ばないが、平年を上回って推移する。東京の青果卸は、先週の冷え込みもあり、「今週は増量ペースが鈍く、休市明けも思ったより数は伸びなかった」と説明。「特にケーキなど業務向けは小玉サイズの入荷がやや少なく、その分、価格が高くなっている」という。主産地のJA全農とちぎによると、前年同様に夏場の高温の影響を受けたものの、生育は回復。品種の切り替えが進み、「とちあいか」が作付けの8割を占め、「出荷ペースは平年並みで、12月中旬に年内のピークを迎える」と話す。12月に入るとクリスマスケーキなどの業務向けで小玉サイズを中心に引き合いは強まる。スーパーも棚を広げたり品ぞろえに加えたりする動きも出てくるため、「今後増量に伴い相場は緩やかに下げるが、業務向けは高値になりそう」(別の卸)とみる。
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