【最新号】
オーストラリアの通貨「豪ドル」をデイトレードする上でFX個人投資家が事前にインプットしておきたいトレードシナリオなどを、ギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
豪ドル(AUD)トレードに関わる現在までの相場トピック
本日12:30 RBA金融政策会合開催!
・11月5日に豪準備銀行(RBA)は金融政策決定会合を開催。政策金利は4.35%で据え置きとなった。声明は「インフレの上振れリスクに引き続き警戒する必要性」など、前回会合から大きな変化はなかった。
・NY原油先物市場は反発。終値は前営業日比+1.17ドルの1バレル=68.37ドル(12月9日)。
・12月2日に発表された豪10月小売売上高は前月比+0.6%と市場予想(+0.4%)を上回った。
・11月27日に発表された豪10月消費物価指数(CPI)は前年比+2.1%(予想:+2.3%、前月:+2.1%)だった。また、CPIトリム平均は+3.5%で前月(+3.2%)から伸びが加速した。10月30日に発表された豪7-9月期CPIは前年比+2.8%(予想:+2.9%、前四半期:+3.8%)で予想以上の鈍化だった。
・11月14日発表の豪10月雇用統計は、雇用者数が1.59万人の増加と市場予想(2.50万人増)を下回った。失業率は4.1%で予想通り前月から横ばいだったが、労働参加率は市場予想や前月(67.2%)を下回る67.1%だった。
今日の豪ドル(AUD)トレード メインシナリオ
RBAは利下げ?据え置き?それとも利上げ?
本日はRBAが金融政策会合(理事会)を開き、政策金利を発表する。11月19日に公表された11月RBA理事会の議事要旨では「インフレ低下が持続可能と確信するには、四半期ごとにインフレ率が良好な結果を複数回観察する必要がある」と記してあった。また、RBAのブロック総裁は11月28日の講演で「コアインフレ率が高すぎるため、当面の間は利下げはできない」と述べている。 なお、ブルームバーグのエコノミスト予想では全てのエコノミストが今回の理事会では金利が据え置かれると予想。短期金利市場における25bp(0.25%ポイント)の利下げ織り込み度は6%程度となっている。 その他、豪10月CPIのトリム平均値は前年比+3.5%で9月(+3.2%)からインフレの伸びは加速していたものの、これまで低下基調にあったことからも、RBAの今後の政策運営に大きな影響を及ぼすとは考えにくい。 そのため、市場の注目は声明で今後の金融政策の方向性を示すかである。インフレ率の高止まりから、追加利上げの可能性を前回会合よりも強く意識させるような声明やブロック総裁の発言が伝われば、豪ドルは買いで反応することになりそうだ。
豪ドル/円 最新チャート分析
今後の注目経済指標・イベント
12:30 RBA理事会
13:30 ブロックRBA総裁定例記者会見
「ぴたんこテクニカル」内「お天気シグナル」の分析結果
外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」では豪ドル/円、豪ドル/米ドルともに曇り空に雨がぱらつく。5時に豪ドル/円のストキャスティクスとRSIでシグナルが点灯。
【情報提供:外為どっとコム】
<「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」 詳細はこちら>
- ※ 「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」とは、選択した通貨ペア・足種に対して、複数のテクニカル分析を行った結果をパネル形式で一覧表示することにより、直感的に相場状況を把握することができるツールのことを指します。
- ※また、高機能チャート(パソコン版)/(スマホ版)では「取引分析」 を選択することで、外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』でお取引をされているお客さまの指値やストップ注文の状況をチャート上に表示が可能です(「外為注文情報」)。
- ※ なお「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」や、「外為注文情報」は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家ご自身でなさるようお願い致します。
お知らせ:FX初心者向けに12時からライブ解説を配信
外為どっとコム総合研究所の調査部に所属する外国為替市場の研究員が、FX初心者向けに平日毎日12時ごろからライブ配信を行っています。前日の振り返り、今日の相場ポイントなどをわかりやすく解説しています。YouTubeの「外為どっとコム公式FX初心者ch」でご覧いただけます。
外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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豪ドル 円 今日の見通し
また、27日も陽線の出現確率がユーロ/円で92%、スイスフラン/円で96%とかなり高く、英ポンド/円は78%、豪ドル/円は73%、ニュージーランドドル/円は77%と、主要な通貨ペアの多くで陽線の出現確率が高い「円安」のアノマリーが確認できます。
最後に、2024年に向けた豪ドル相場の展望について考えてみましょう。2024年には世界的に一段のインフレ鈍化が進むと見込まれ、米国や豪州など主要国で利下げが広がる可能性が高いとみられます。
さらに、今年の最終営業日となる30日は、陽線の出現確率がユーロ/米ドル、英ポンド/米ドル、ニュージーランドドル/米ドルで81%、豪ドル/米ドルで71%と高く、米ドル/カナダドルは19%、米ドル/スイスフランは14%と低いので、ここにも「米ドル安」のアノマリーがあります。
特に豪ドルへの通貨分散を進める上では、次に挙げる4つの点が豪ドル相場のファンダメンタルズの安定を支える要因として注目されます。
第四に、豪州の貿易黒字の拡大が実需面から豪ドル相場を下支えすることが期待されます。
2022年後半以降、主要通貨に対する米ドル安が進行する裏側で、豪ドル相場が見直され始めています(図1)。
また、26日も豪ドル/米ドルとニュージーランドドル/米ドルの陽線の出現確率が90%と高く、米ドル/カナダドルは29%と低いので、「米ドル安」の傾向が確認できます。
過去の豪州の利下げ局面の経験では、世界的な金融緩和によって投資家がリスク選好を強める環境(リスクオン相場)は豪ドル・円相場の追い風となる傾向がみられました(図11)。当面のところは米国の金融・財政リスクの行方を引き続き注視する必要があるものの、2024年に向けては主要国の金融緩和への転換などをきっかけに投資家のリスク選好度が改善に向かうかに注目が集まりそうです。
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