日銀利上げは12月無し、1月実施の雰囲気だが【外為マーケットビュー】
動画配信期間:公開日から2週間
外為市場に長年携わってきたコメンテータが、その日の相場見通しや今後のマーケット展望を解説します。
動画の内容 抜粋・まとめ
2024年12月13日時点
各国中央銀行の政策動向
カナダ中銀
カナダ中銀は0.5%の利下げを実施し、政策金利を3.25%としました。この利下げで当面は据え置かれる可能性が高く、市場は予想に反して反発する展開となりました。
スイス中銀
スイス中銀は市場予想の0.25%を上回る0.5%の利下げを実施し、政策金利を0.5%としました。これを受けてスイスフラン売り、ドル高の展開となりましたが、スイスフランのファンダメンタルズは依然として強いとされています。
欧州中銀(ECB)
欧州中銀(ECB)は0.25%の利下げを実施しました。今後も利下げは継続される見込みで、約5回、計1.25%程度の余地があるとみられています。ただし、ドイツを中心に過剰な利下げに対する反対意見も存在しています。
日本銀行
日銀については、植田総裁の「オンゴーイング」発言があったものの、12月の利上げ期待は低下し、1月以降に先送りされるとの見方が強まっています。OIS市場での織り込みを見ると、1月は60%を超え、3月はさらに高い水準となっています。
為替市場の動向
為替市場では、ドル円が150円を割る場面もあり、日銀が焦って利上げする必要性は低下しているとみられます。ユーロ円は167円から156円まで下落した後、3-4円程度のリバウンドが予想されています。
2025年の円相場見通し
2025年は米国の利下げ観測が強まる中、日本の金融政策正常化との組み合わせにより、円高方向への展開が予想されています。FRBの利下げ開始時期や規模、そして日銀の金融政策正常化のペースによっては、ドル円が140円を割り込む可能性も指摘されています。また、日本国内のインフレ動向や賃金上昇の持続性も円高要因として注目されています。
今後の注目イベント
今後の注目イベントとしては、12月18日のFOMC(米連邦公開市場委員会)と、その7-8時間後に予定されている日銀政策決定会合があります。これらが年内最後の山場となる見込みです。
市場展望
市場関係者の間では、日銀の政策方針に対する不透明感が指摘されており、為替市場では引き続き円売りの展開が予想されています。年内の利上げは見送られ、1月の利上げが有力視されていますが、市場参加者のセンチメントは慎重な姿勢を維持しています。ただし、中長期的には円高方向への動きが予想され、特に2025年前半での政策転換が市場の注目を集めています。
動画目次
00:00 相場の振り返り
03:45 ドル円分析
05:55 ユーロ円分析
06:31 足元の注目ポイント
07:19 まとめ
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外為市場に長年携わってきたコメンテータが、その日の相場見通しや今後のマーケット展望を解説します。
志摩力男 氏
慶應義塾経済学部卒。1988年ー1995年ゴールドマン・サックス、2006-2008年ドイツ証券等、大手金融機関にてプロップトレーダーを歴任、その後香港にてマクロヘッジファンドマネージャー。独立した後も、世界各地の有力トレーダーと交流があり、現在も現役トレーダーとして活躍。
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年内最後の山場は日銀会合ドル円そろそろ下落来年円高を見込む 2024 12
外為相場や株式市場の不安定な動きを受け、日銀は次の利上げを急がないとの見方が市場で強まっている。QUICKと日経ヴェリタスが共同で実施した8月の月次調査<外為>では、次の利上げを12月以降とみる回答が計76%と大勢を占めた。
米大統領選後の下落が一服した対ドルの円相場。外国為替市場ではトランプ次期政権や日米金融政策の動向が引き続き円の方向感を左右するとの見方が根強い。2024年度末にかけての円相場見通しを、松井証券の鈴木翔マーケットアナリストに聞いた。
一方、FRBの利下げ開始は、次回会合の「9月」が94%と大多数を占めた。年内の利下げ回数は「2回」が59%で最多だった。今回の利下げ局面で政策金利は現状の5.25~5.50%から最終的に「3.0~3.25%」になるとの見方が31%、「3.25~3.5%」が25%と、3%台前半とみる向きが半数を超えた。
もっとも、具体的な時期については市場の見方が揺れている。次の利上げは「来年以降」との回答が46%と最多の一方、年内の利上げ回数を聞いた別の質問に対しては「1回」が51%で最も多く、「年内は実施しない」は46%で次点となった。
円相場は、年内に円高が最大「1ドル=135~140円」まで進むとの見方が55%と過半数に達した。T&Dアセットマネジメントの浪岡宏氏は「利上げ局面にあるため、基本的には円高方向に進む」とみたうえで「(実績値を集計した)『ハードデータ』に着目すると、米景気の急激な悪化による大幅な米利下げ観測の高まりは考えづらい」と1ドル=135~140円で落ち着くとの見通しを示した。
国内外の政治・経済情勢も先行き不透明感につながる。東海東京インテリジェンス・ラボの柴田秀樹氏は「米国で年内に米連邦準備理事会(FRB)の利下げや米大統領選を控える。日本も実質賃金がようやくプラスになった程度の経済状況で、利上げは当面難しい」と見通す。
7月に利上げがなかった場合、次回9月の利上げ期待が高まります。9月の日銀政策決定会合とFOMCの日程は、日銀が9月19~20日、FOMCが17~18日開催となっており、米利下げの後に、日銀は利上げすることになるかもしれません。 また、岸田文雄自民党総裁の任期満了に伴う総裁選が9月下旬に予定されているため、総裁候補から金融正常化について圧力が強まることも予想されます。
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