経団連新会長 日生会長の起用表明
来年5月に任期を終える経団連の十倉雅和会長の後任に現在、副会長を務める日本生命の筒井義信会長(70)を起用することが分かりました。 筒井氏は1977年に京都大学を卒業後に日本生命に入社し、2011年に社長となり、2018年に会長に就任しました。 経団連では2023年から副会長を務めています。 関係者によりますと、「少子化対策や社会保障、財政、エネルギーにも精通している。十倉会長が人物本位で選んだ」ということです。 経団連会長は「財界総理」とも呼ばれ、政財界に強い影響力を持つとされています。 これまではメーカー出身で現職の副会長から選ばれるケースが多く、金融業界からは初めての起用となります。 今月17日午後にも十倉会長が起用の理由などを説明する予定です。
日本生命は屈指の機関投資家であり、運用を通じて海外事情にも精通する。加えて、筒井氏は世界的な課題となっている脱炭素の分野や社会保障制度改革に明るく、経団連が今後取り組むべき課題認識とも合致することから、筒井氏に白羽の矢を立てたとみられている。
日生では、経営戦略を立案する企画畑が長く、11年に社長に就任。15年の三井生命保険(現大樹生命保険)の買収を主導し、国内生保事業の収益基盤の強化を進めた。18年4月から日生会長を務めている。
筒井氏は、経団連で23年から副会長を務めている。24年に政府が主導し、脱炭素社会に向けて設立したGX(グリーントランスフォーメーション)戦略の中核機関となる「GX推進機構」の初代理事長に就いた。
経団連会長は歴代、非財閥系の製造業出身者で現職の副会長から選ばれるケースが多く、金融機関トップからの就任は初めてとなる。
筒井義信氏(つつい・よしのぶ)77年京大経卒、日本生命保険入社。11年社長、18年会長に。23年から経団連副会長を務める。兵庫県出身。
経団連の十倉雅和会長(74)は17日、東京都内で記者団の取材に応じ、来年5月下旬に任期を迎える自身の後任に、副会長の筒井義信・日本生命保険会長(70)を起用すると表明した。
日生は屈指の機関投資家として、多くの国内主要企業の株主でもある。経団連は、世界的な課題となっている脱炭素化の分野に明るく、国内企業と深い関係を持つ日生トップとしての手腕に期待したとみられる。
筒井氏は23年の経団連副会長就任時の記者会見で、「失われた30年を40年にしないため、改革姿勢を持ち続けることが重要だ」と話した。国内では依然、物価上昇が収まらず、1月には米国のトランプ次期政権が発足し、国際関係の急変も予想される。筒井氏の発信力や調整力が問われることになる。
経団連会長は経済界の考え方を発信し、時の政権の政策に反映させることが求められる。十倉会長も次期会長の要件として「産業政策だけでなく社会・経済全体を大局的に捉え、発信できる方」と述べ、これまで慣例だった「製造業出身」にこだわらない姿勢を示していた。
経団連は、2025年5月に任期満了となる十倉雅和会長(74)の後任に、日本生命保険の筒井義信会長(70)を充てる方針を固めた。年明けの会長・副会長会議で内定し、5月の定時総会で正式に就任する見通しだ。
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