セブンampアイ 逆買収を一時検討
株価の低迷が長引くセブン&アイは株主から度々コンビニ事業への集中を求められてきた。4月にはスーパー事業の上場方針を発表していたが、株式市場からは 進捗(しんちょく) の遅さが指摘されていた。
複数の関係者が明らかにした。改革案では、コンビニ事業を中核事業と位置づけ、セブン&アイHD傘下で直接経営を続ける。また祖業のイトーヨーカ堂のイメージが残る社名の変更を検討していることも新たに判明した。
13日の東京株式市場ではセブン&アイ・ホールディングスの創業家らが同社買収を検討しているとの報道を受け、セブン&アイ株に投資家の買い注文が殺到した。東京証券取引所は報道の真偽を確認するため、売買を一時停止した。午後2時29分の売買再開後に株価は一時前日比17%高の2599円を付け、上場来高値を更新した。終値は前日比12%高の2490円だった。
セブン&アイ・ホールディングス(HD)が、カナダのコンビニエンスストア大手アリマンタシォン・クシュタールから新たな買収提案を受けたことが9日わかった。提案された買収額は前回を約1兆円上回る7兆円程度とみられ、セブン側の対応が注目される。
セブン&アイ・ホールディングス(HD)の企業価値向上に向けた構造改革案が9日、判明した。傘下のスーパー事業や外食事業などを束ねる中間持ち株会社を新設し、外部資本の導入を検討する。主力のコンビニエンスストア事業に経営資源を注力する狙いで、10日にも発表する見通しだ。
セブン&アイは9日付のリリースで、クシュタールの買収提案について「法的拘束力のない非公開の再提案を受領したことは事実」と説明した。
9日の東京株式市場ではクシュタールの再提案が伝わると、セブン&アイの株価は一時、前日終値比で11%上昇した。セブン&アイは企業価値向上に向けてグループ再編を行い、コンビニ事業に経営資源を集中することを検討している。
セブン&アイは中間持ち株会社の株式を一定程度保有し、持ち分法適用会社として経営に関与し続ける方針だ。こうした再編案は数年後に目指すグループの将来像として、10日に発表する中間決算と合わせて説明するとみられる。
セブン&アイは8月、クシュタールから初期的な買収提案を受けたことを公表した。9月6日には企業価値を「著しく過小評価している」として提案に反対する書簡をクシュタールに送付。当初はセブン&アイの全株式を1株あたり14・86ドルで取得する内容だったが、今回の提案は同約18ドルと約2割引き上げられた模様だ。セブン&アイは再提案があれば引き続き協議に応じる姿勢を示していた。ただ前回の提案には、価格面だけでなく買収が米国の独占禁止法に抵触する恐れがあることも反対理由に挙げており、買収には高いハードルが残されている。
SEIがセブン&アイHDの完全子会社となったのは2005年。当時はグループの一事業に過ぎなかったが、デピント氏が買収に次ぐ買収を重ね、セブン&アイHD内での位置づけを上げていった。HDの24年2月期の売上高は約17兆8000億円で、営業利益は約5342億円だったが、前者の6割弱、後者の8割弱をSEIが占めている。
デピント氏のSEI入社は02年のこと。「当初は創業家との良好な関係づくりに腐心していた」と、昔を知るセブン関係者は振り返る。だが21年、全米3位のコンビニチェーンのスピードウェイ買収を主導して以降は「デピント氏は報酬だけでなく、存在感でも井阪氏を上回るようになった」(セブン幹部)。24年2月期は、井阪社長の報酬・3億4100万円を遥かに上回る77億3200万円を手にしている。
セブン&アイHDはどちらの提案に乗るのか、ACTや伊藤興業は巨額資金を集められるか、伊藤忠の子会社・ファミリーマート(細見研介社長)との関係は……今後の注目点は幾つもあるが、複数のセブン関係者が「あの人の動静は要注意だ」と指摘する人物がいる。セブン&アイHDの米子会社、セブン-イレブン・インク(SEI)の、ジョセフ・マイケル・デピントCEOだ。一体、なぜ彼なのか?
セブン&アイ・ホールディングス(HD、井阪隆一社長)が反撃に出た。カナダのアリマンタシォン・クシュタール(ACT)からの買収提案に対抗、11月13日、創業家の伊藤順朗副社長が代表を務める資産管理会社・伊藤興業が、9兆円規模とも言われるMBOを通じた買収提案をしたのだ。国内メガバンクや伊藤忠商事(石井敬太社長)から巨額の資金調達をする案が検討されている。
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