ホンダと日産の交渉 ゴーン氏言及
2018年になり事態は再び動く。マクロン大統領支持率低迷の原因は高失業率だ。仏政府は、ルノー・日産・三菱自動車の3社合併を画策しているとされた。ゴーン氏のルノー会長続投を認める代わりに、仏政府は、3社大合併をゴーン氏に飲ませたのではないか。市場はそう見た。
なお、ちょっと前には経済産業省が「日産とホンダとの行く末を案じて」両者の合併を進め、しかし両方とも「断固NO」という返事であったとされるので、この話からも「ホンダと日産との関係性がうまく行くとは思えない」ということについては想像が可能ですね。
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こうした不満がマグマのように溜まっていく中、ゴーン氏のルノー会長任期が2022年末まで延長された。当初、ゴーン氏の会長続投に否定的だった仏政府はゴーン続投を認めたことで、ゴーン氏に貸しを作った。ゴーン氏もこの時から政府の意向を無視できなくなったとの見方が広がった。
| 発表の内容を見る限り、3社は非常に慎重に歩みを進めることになるようだ | もしかするとホンダと日産は「お互いのラインアップを補完するため」OEMを行う可能性も さて、先日報じられた「日産とホンダと ...
アライアンスという緩い提携関係にある限り、仏政府の意向は反映されにくい。しかしゴーン氏は最近、経済合理性より、フランス政府寄りの施策を取り始めていた。例えば、2017年には日産自動車の小型車「マイクラ(日本名:マーチ)」の欧州向け生産はインド向上からから仏ルノー工場に移管された。仏政府の意向を反映したものと市場で受け取られた。目に見えない形で仏政府の関与が強まれば、こうしたケースが今後増える可能性がある。仏政府は自国経済へのメリットを最大化しようとするからだ。それは日産としていや、3社連合にとって決して好ましいことではない。
まずは、停滞している3社のシナジーを加速し、最大化することが日仏両政府と3社連合に求められていることであろう。CASE(「Connected:コネクティッド化」「Autonomous:自動運転化」「Shared/Service:シェア/サービス化」「Electric:電動化」の頭文字をとったもの)の流れの中で、自動車メーカーは今、「モビリティのサービスプロバイダ」へと変貌しようとしている。その為にゴーン氏はGoogleとパートナーシップを結んだ。3社連合は2021年をめどにグーグルのOS「アンドロイド」を車に搭載する方針を打ち出している。そうした戦略すべてを着実に実行する事。それがすべてのステークホルダーにとって最適解だ。政府を巻き込んだ無益な闘争にだけはすべきでない。
一方、ホンダは町工場から生まれた戦後派企業だ。技術にこだわり抜いた創業者の本田宗一郎氏の伝統を受け継ぎ、「自前主義」の開発を続け、米国市場を開拓した。独自のハイブリッド技術と、二輪車が経営を支えているが、EV開発はまだ大きな成果が出ていない。
関係者の間では、販売不振で経営が悪化した日産に台湾の電子機器受託生産大手の鴻海精密工業が買収提案していると取り沙汰される。日産は買収を阻止するため、ホンダとの統合にかじを切った可能性がある。
しかし、よくよく考えてみれば、これまで上手く行っていた仏ルノー・日産・三菱自動車のアライアンスをバラバラにする必要もないように思える。ゴーン経営に過度に頼り切っていたのは日産の方であり、単に経営権を取り戻すだけのクーデターなら、そこに大義はない。既に基幹部品の3割は共通化が済んでいるというが、筆者から見ればそのスピードは決して速いものではない。計画では共通化率7割を目指していたはずだ。
| おそらく日産は今後「負のスパイラル」に突入、本当の恐怖はここからはじまることになりそうだ | かつて話が出た際に日産とホンダは合併しておくべきであったのかもしれない さて、現在自動車メーカー各社が ...
(ブルームバーグ): 日産自動車のカルロス・ゴーン元会長は、ホンダと統合交渉について、日産が「パニック状態に陥っている」と述べた。
ホンダと日産自動車が経営統合の交渉に入る。日本を代表するメーカーの大型再編が実現するかもしれないが、華やかさよりも切迫感ばかりが漂っている。日産は業績不振から抜け出せず、ホンダも電気自動車(EV)の開発やデジタル技術との融合に不安がつきまとう。両社とも自動車産業の変革についていけるかどうかの分岐点に差しかかっている。
| たしかに昨年末~年始に同様の報道はあったが | 英フィナンシャル・タイムズによると、2019年末に「日本政府関係者が日産とホンダとの統合を模索していたが、計画が頓挫した」との報道。この合併話につい ...
これらについては、カルロス・ゴーン氏の「嫌味」あるいは「たわごと」のように捉える向きも少なくはなく、しかし今やそれが現実のものになろうとしているわけですね。
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