週明け23日の香港市場は反発か。米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注目する米11月個人消費支出(PCE)価格指数が予想を下回り、グールズビー米シカゴ連銀総裁が2025年に利下げが継続する可能性があると発言したことで、米連邦準備理事会(FRB)の来年の利下げペース鈍化懸念が和らぐだろう。前週末の米株式相場が上昇した流れを引き継ぎ、買いが先行すると予想する。
20日発表の米11月PCE物価指数の上昇率は前年同月比2.4%と市場予想2.5%から下振れ。変動の大きい食品、エネルギーを除くコアPCE価格指数の上昇率も2.8%と予想の2.9%を下回った。米長期金利の指標となる米10年債利回りは前日の4.570%から4.528%に低下した。
20日のNY株式相場はダウ平均が続伸し、S&P500とナスダック総合はともに4日ぶりの反発となった。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は、電気自動車メーカーの理想汽車(02015)、中国インターネットサービス大手のテンセント(00700)が香港終値を下回った半面、国際金融銘柄のHSBC(00005)が上回って終えた。
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
見通し 23日香港株反発か 米利下げペースの鈍化懸念が後退
米国の長期金利は、インフレのピークアウトと景気減速の見通しから、FRBの利上げ打ち止めと先行きの利下げが意識されるため、もみ合いながらやや低下する展開を予想します。欧州の長期金利も、賃上げによるインフレ圧力などからECBが金融引き締めを続けるものの、米長期金利に連れて緩やかに低下する展開を予想します。日本の長期金利は、新総裁就任後の日銀の政策修正により長期金利の許容変動幅が拡大され、先行き上昇する展開を予想しています。
FRBは、23年2月と3月にそれぞれ0.25%の利上げを実施し、FF金利の最終的な到達点(ターミナルレート)として4.75~5.00%に引き上げた後、年内それを維持すると想定しています。ECBは、高止まりしている⾷品価格やコアインフレを抑制するため、大幅な利上げを続ける見通しです。23年2月、3月に0.5%、5月、6月、7月にそれぞれ0.25%の利上げを実施し、預金ファシリティ金利を3.75%まで引き上げると見込んでいます。日銀は、黒田総裁退任後の23年4-6月に長短金利操作(イールドカーブコントロール)における長期金利の変動許容幅を±1%程度に拡大すると予想しています。
FRBは、12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)でフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を3.75~4.00%から4.25~4.50%へ引き上げました。利上げ幅は4会合続いた0.75%から0.50%に縮小しました。FOMCメンバーの政策金利見通し(ドットチャート)では、見通しの中央値が23年末5.125%、24年末4.125%と上方修正されました。ECBは12月の理事会で、預金ファシリティ金利などの0.50%引き上げと、23年3月から量的緩和で膨らんだ資産を縮小することを決めました。日銀は1月の金融政策決定会合で、大規模な金融緩和策の維持を決めました。「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」では、物価上昇率見通しを22年度は3.0%、24年度は1.8%と前回から引き上げた一方、23年度は1.6%に据え置きました。
S&P500種指数採用企業の22年10-12月期決算発表がスタートしています。増益率(純利益ベース、TOPIXも同様)は前年同期比▲2.9%、除くエネルギーセクターで同▲7.1%と予想されます(23年1月27日。リフィニティブ集計で進捗率29%)。続く23年1-3月期は前年同期比▲1.2%、4-6月期が同▲2.0%となる見通しです。一方、除くエネルギーセクターの1-3月期見通しは同▲2.9%ですが、4-6月期には同+2.2%と5四半期ぶりに増益に転じる見通しです。一方、TOPIX採用企業の22年10-12月期の増益率は前年同期比+0.01%の見通しです(23年2月1日。除く金融、QUICK集計で進捗率26%)。日米ともに業績の方向性が注目されそうです。
豪州は、世界経済の減速やインフレによる消費への下押し圧力を受けて成長率が鈍化するものの、緩やかな景気回復の流れが続く見通しです。企業の投資意欲、旺盛な求人を背景とした良好な雇用環境、コロナ下で積み上がった貯蓄が、引き続き豪州経済を支えるとみています。
日本は、23年前半に欧米を中心とした海外景気の減速により、回復ペースが大きく鈍化する見通しです。ただ、年後半は、設備投資の回復や経済政策の効果に支えられ、内需を中心に緩やかに回復するとみています。
S&P500種指数採用企業の22年10-12月期決算発表がスタートしています。増益率(純利益ベース、TOPIXも同様)は前年同期比▲2.9%、除くエネルギーセクターで同▲7.1%と予想されます(23年1月27日時点。リフィニティブ集計で進捗率29%)。続く23年1-3月期は前年同期比▲1.2%、4-6月期が同▲2.0%となる見通しです。一方、除くエネルギーセクターの1-3月期見通しは同▲2.9%ですが、4-6月期には同+2.2%と5四半期ぶりに増益に転じる見通しです。一方、TOPIX採用企業の22年10-12月期の増益率は前年同期比+0.01%の見通しです(23年2月1日時点。除く金融、QUICK集計で進捗率26%)。日米ともに業績の方向性が注目されそうです。
コメント