2025年のアセットアロケーション
未来への投資はインフラへの投資を意味します。既存インフラの更新に加え、デジタル化からエネルギー転換まで、進歩と成長を加速させるには巨額の投資が必要です。弊社は2025年に数多くの投資機会が、特にインフラ・デットの分野で生まれると予想しています。
2025年を見据えて、当社マルチアセット・チームでは、共和党の政策案がリスク資産市場に及ぼし得る影響について検討している。また、米FRB(連邦準備制度理事会)や他の中央銀行が政策金利をどこまで引き下げる可能性があるかについても分析している。金融緩和は米国株式市場にとってプラスに働くとみているが、債券市場については、拡張的な財政政策とFF(フェデラル・ファンド)金利の低下が債券利回りに相反する影響を及ぼすなか、やや異なる見通しが浮上すると予想している。
とはいえ、2025年に、世界金融危機後のような急激な回復を予想しているわけではありません。世界金融危機後の回復期では、不動産業界は量的緩和をはじめとする多数のFRBのプログラムに支えられ、キャップレートの劇的な低下につながりました。
FRBはついに利下げを開始しましたが、長期金利が2021年の水準近くまで低下するとは予想していません。したがって、キャップレートは2021年に比べて高止まりするでしょう。これに加え、返済期限を迎える商業用不動産ローンが多いため、回復のプロセスは緩慢になるとみています。
** 2024年9月末現在。
日本銀行が定期的に発表している資金循環統計によると、2019年9月末時点の日本の個人(家計)が保有している金融資産は、約1,864兆円で、そのアセットアロケーションは次のようになっています。
2025年は、FRBにとって引き締め的な金融政策の必要性が後退しているときに、共和党が拡張的な財政政策案を打ち出すという状況に市場が対応しようとしていく展開になるとみている。トランプ政権2期目では物価上昇圧力が若干強まり、インフレ率が2%台半ばとなってFRBの目標をわずかに上回ると予想する。FRBとしては、そうしたなかでインフレを抑制して2%目標を達成するためには、実質金利を1~1.5%程度のプラスに維持する必要がある。これらの数字をまとめると、FF金利は3.5~4.0%になると予想され、それを受けて米国債10年利回りは4.5~5.0%のレンジで推移するとみられる。
ここで、もし「現金・預金」の20%分を利回りの高い「証券」に割り当てたらどうなるでしょうか。
・インフレ動向:インフレ率は2024年から徐々に低下しており、2025年もFRB(米連邦準備制度理事会)の目標である2%付近に収束すると予測されています。エネルギー価格の安定とサプライチェーンの回復がこれを後押ししています。
このほどのEUの指令は、2050年までに域内の建築物ストック からの排出をゼロにするという大胆で意欲的な目標を掲げています。
インフラは国家の経済と社会の発展を推進します。2024年の激しい選挙サイクルの中で、一部のプロジェクトは遅延していますが、こうしたインフラが担っている基本的サービスの重要性に鑑み、新政権が成立すれば未完のプロジェクトへの取り組みが進むでしょう。ポピュリズムが台頭し、政治的な不安定性をもたらしている状況では、生活に不可欠なサービスの提供は特に重要です。
2025年に注目すべきファクターの1つは、米新政権の財政政策とそれが市場にもたらす影響によってリフレーションが発生した場合に、FRBがどのように対応するか、という点です。米ドルは過大評価されていますが、通常の環境であれば、FRBが利下げを実施し、リスク資産がディフェンシブ資産をアウトパフォームするに伴い、米ドル安に向かうはずです。しかし、トランプ氏の財政支出計画によって景気が過熱した場合、FRBは利上げを強いられる可能性があります。このシナリオはリスク資産に悪影響を与えるでしょう。割高なバリュエーションと2020年3月以降の大幅な上昇を踏まえると、株式市場は2025年に状況を再評価するために立ち止まるかもしれません。 このシナリオでは、新興国市場の現地通貨建て債券が悪影響を受ける可能性があり、市場との相関が低い柔軟なアセット・アロケーションの魅力が高まります。
ガナウェイ:パブリック市場とプライベート市場の間には明確なギャップが残っていて、どちらかで解消されるはずです。パブリック市場であれプライベート市場であれ、資本構成のどの部分に投資すべきかを決める際に相対的価値を正確に評価する能力が、2025年の勝者と敗者を分けるスキルになるでしょう。
2024年の取引と資金調達は前年の減速を経て増加に転じました。2025年に向けて、弊社は案件組成の増加によるモメンタムの高まりを予想しています。過去2年間のプライベート・デットへのシフトは今後も続くとみられますが、エクイティについてもバリュエーションが再評価されています。価格が正常化する中、市場での取引は増えています。バリュエーションは、インフレ、利上げ、ウクライナ侵攻によるエネルギー危機といった悪材料が生じる前の水準には依然として達していません。
弊社は2025年の米ドルの動向を注意深く観察します。米国経済のその他地域に対する相対的なアウトパフォーマンスは、2025年も米ドルを押し上げ続けるでしょうか。それとも、米ドルはすでに買われすぎであり、市場は米国以外の経済成長について悲観的過ぎるのでしょうか。
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