経営コンサルの倒産が過去最多
コンサルタント業界といえば、「経営のプロ」が集い、また成長が著しい業界ということで就活生の人気が一番高いところだ。
経営コンサルティングの北浜グローバル経営(大阪市)が5月24日、大阪地裁に自己破産を申請した。新型コロナウイルス禍に苦しむ中小企業に対し公的な補助金を得られるよう手助けする業務で定評があったが、社内整備を後回しにして目先の仕事を取りに行くという急成長のワナに陥った末の破綻だった。
東京商工リサーチの調査によると、2023年は10月までに経営コンサル会社の倒産が過去最多の116件に達した。同期間(1月~10月)で最多だった2009年(109件)を大幅に上回り、年間最多記録の2009年の128件を更新することが確実な勢いだ【図表】。
――経営悪化する企業が増える時期に、逆に企業を救うはずの「経営のプロ」がバタバタ倒れるのは、確かに皮肉な事態ですね。
2023年10月までに、経営コンサルタント業の倒産が過去最多の116件に達し、2009年の記録を上回るペースで増加しています。 この傾向は、コロナ禍の影響と業界の構造変化を反映していると見られます。
「独立した専門的助言サービスで、経営管理上やビジネス上の諸問題を解決し、新しい機会を発見して捕捉し、学習を向上し、変革を実施することによって、組織の目的・目標を達成する上で、経営者と組織を支援すること」
――「IDC Japan」のコンサル業界の市場規模予測では、今後8.8%の年間平均成長率が見込まれるということです。それだけ成長が著しい業界、しかも「経営のプロ」が集まる業界で倒産が相次ぐとは、恥ずかしい事態ではないですか。
経営コンサルタントの倒産急増、過去2番目。
2)適応性の欠如: 経営コンサルティングは、市場の変化に迅速に対応する柔軟性が求められます。技術革新や市場の動向に適応できない企業は、時代遅れのサービスで顧客を失うリスクがあります。
それにしても「経営のプロ」の倒産が最悪ペースとは、どういうことか。J‐CASTニュースBiz編集部は、調査を担当した東京商工リサーチ情報部の後藤賢治さんに話を聞いた。
北浜社は中小企業向けの経営支援サービスを目的として2012年10月に設立された。当初は人...
私の仕事は、業種的には、「経営コンサルティング業」になります。 さらに細分化すると、「マネジメントシステム構築系コンサル」、「業務改善系コンサル」といったカテゴリーになります。
3)顧客の変化への対応不足: 特に中小企業や個人経営のコンサル会社は、顧客のニーズの変化に敏感でなければなりません。政府の政策変更や経済状況の変動により、クライアントのニーズが変わる可能性があり、これに対応できなければ事業は困難に直面します。
経営コンサルタント業といっても、我々中小企業診断士を含む士業をはじめ、監査法人や金融機関の系列会社からはじまり、大~小の独立系コンサルティングファーム、ITコンサルティング会社など、まさに多種多様である。そもそも自らが名乗れば、誰でも経営コンサルタントにはなれるわけで、資格が必須というわけではない。そうした業種特性から、TSRも「創業時に多額の資金が要らず、資格も必須でないコンサル業は参入障壁が低いのが特徴だ。それだけに玉石混交ともいえる」と指摘している。倒産しているのは、「玉」ではなく「石」であり、それはプロではない。
「2023年1-10月の経営コンサルタント業の倒産は116件で、2022年同期(78件)の約1.5倍に急増し、過去最多を更新した。116件のうち、90件(構成比77.5%)が「販売不振」で、全体の約9割の104件(同89.6%)は負債1億円未満の小規模事業者だ。年間では、2023年の116件はすでに過去2番目の水準となり、このままのペースで推移すると、2009年の128件を抜いて、2023年は過去最多の記録を塗り替えそうだ。」
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