日銀利上げの公算大 米動向見極め

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日銀利上げの公算大 米動向見極め
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日銀利上げの公算大 米動向見極め

追加利上げについて、日銀の植田和男総裁は昨年12月の会見で、新年度の春闘で賃上げのモメンタム(勢い)が続くかどうかと、米トランプ政権が示す経済政策の動向を見極めたいとしていた。

ただ、日銀が慎重姿勢を崩さなければ、円安が一段と進んで輸入インフレが再燃しかねず、結果的に早期利上げ観測が強まることも想定される。市場でも日銀の政策変更のタイミングを巡って見方が交錯している。

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今回の決定会合後、日銀は、過去25年間の金融緩和策を検証する「多角的レビュー」も公表した。レビューは、植田氏が総裁に就任した直後の23年4月の決定会合で実施が決まった。植田氏は19日午後、記者会見を開いて決定やレビューの内容について説明する。

――日本銀行の植田総裁の記者会見について、経済部の宮島(香澄)解説委員とお伝えします。金融政策決定会合は、たった今植田総裁の記者会見が終わりました。どんな内容でしたか?宮島:今月は多分利上げはしないだろう、でも来月はするだろうという空気が広がっている中での会見でした。植田総裁が来月についてどう言うかが非常に注目されたんですが、これは1月に利上げしそうだという強い印象はあまり感じませんでした。会見のポイントはこちらです。12月の決定会合では今の大規模金融緩和策を維持しました。ただ、委員1人が利上げを提案しました。やり取りの中で、今回はなぜ利上げをしなかったのかに関心が集中したんです。一つは今後の賃金動向について、もう少し情報が必要、としました。それから、利上げを阻むものとしては、アメリカの次のトランプ政権の経済政策がどうなってくるのか、この不確実性が大きいという話がありました。さらに質問に答える形でしたが、アメリカの状況や春闘がいつわかるのかという質問に、大きな姿がわかるのは3月から4月と。これは利上げは先なのかなって思ってしまいました。もちろん総裁は、大きな姿が全部わからなくてもモメンタムがよければ上げるということを前提としては言っているんですけれども、印象として、すぐ上げる感じではないという印象を持ちました。それから、期待インフレ率の上昇もゆっくりだと、そして見極めが必要だと話しました。会合の前の日銀の幹部の発信も、物価が跳ね上がってしまうという心配は示されていませんでしたし、1月になれば賃金のデータも増えるのでまだ考えやすいというメッセージでした。1月も可能性高くないのかなと思うような会見でした。

さらに、黒田総裁時代などの大規模金融は、やってみたけれども、当初想定した程度の効果を発揮しなかったとしています。結果として、やはり、「可能な限りゼロ金利政策に直面しないような政策運営が望ましい」というのが今回のレビューの結果です。つまり、トータルとしてゼロ金利政策になってしまったら、そこからいろんなことをやっても本当に難しいということです。だから、金融政策をする日銀としては、やはり金利を上げたり下げたりして物価を調整する、そういうカードを持っておくことが大事です。日銀としてはその金利ののりしろを作っておきたいと示すことになったと思います。

日銀は、2%の物価安定の目標に向かって経済・物価情勢が想定通りに推移しているとみている。植田和男総裁は11月の講演で、「経済・物価の見通しが実現していくとすれば、引き続き政策金利を引き上げる」と述べ、市場では、日銀が早ければ12月の決定会合で、追加利上げを決める可能性があるとの見方があった。

一方で、発足直後のトランプ政権を巡る不透明感が拭い切れなければ、利上げを先送りする可能性もある。利上げに批判的な国民民主党がキャスチングボートを握る国内政局も、日銀が判断を避ける要因になり得る。

日銀は今月9日に冬の支店長会議を開き、全国の中小企業を含めた賃上げ状況を点検する。春闘に向け、賃上げの動きに勢いが増せば1月会合での利上げ判断を後押しする。みずほ証券の松尾勇佑シニアマーケットエコノミストは「市場での織り込みが十分進めば、日銀は1月に利上げに踏み切るだろう」と予想している。

――今回の判断には海外や政治の状況も影響したんでしょうか?宮島:日本にしても海外にしても、今政治が不安定だということがあります。もちろん、日銀は独立しているので、政治が直接影響しているとは言いにくいんですが、影響していると思います。まず日本は石破政権が少数与党になりまして、今、来年度の税や予算を決める話し合いをしているんですけれども、例年と全然違う状態になっています。年内に大きなところが決まらない、あるいは年明けに協議をするのでは、と。政治から金融政策に関して口出しはされにくいかもしれないですけど、ここで利上げをしたら「余計なことするな」という声も出てくるのかもしれません。不安定な状況だと、利上げのしにくさはあると思います。それから海外、これは会見でも言ってますけれども、トランプ政権が何をやるか、重要で確実性がないところだと言っています。トランプ氏の政策は、ドル高になりやすいものが並びますが、でもドル高はよくないとトランプ氏は思っています。政策を出しながら全然違うことを言うかもしれない、不確実な状態だと思います。では1月に就任した後はそれが落ち着くのかいうことがあります。また、大きくはないかもしれませんけれども、韓国で大統領が戒厳令を出すということがありました。韓国通貨のウォンが値が大きく落ちたというわけではないですが、騒動と日銀の利上げが一緒になったりすると、何かのタイミングで通貨危機なども起こりかねないのではという心配もあります。

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