年金支給額19増 実質は目減り
抑制の仕組みは「マクロ経済スライド」と呼ばれ、年金財政が安定するまで続ける。適用は3年連続。04年の導入以降6回目となる。
公的年金の額は、ずっと一定ではありません。賃金や物価の変動率を基準として、毎年4月に改定される仕組みになっています。
マクロ経済スライドでは、スライド調整率を用いて年金額を調整します。年金改定率を決めるときには、物価上昇率からスライド調整率を差し引くことになっています。
公的年金は、賃金や物価の変動を踏まえて毎年度、支給額を改定する。
68歳以上で見ると、自営業や無職の人らが加入する国民年金の支給額は、40年間保険料を納めた場合の満額で月6万6050円(22年度比1234円増)となった。
国民年金の保険料は月1万6520円(同70円減)となった。厚生年金の保険料率は18・3%(労使折半)で変わらない。
厚生年金保険料も75歳まで払う時代に!?
マクロ経済スライドが導入されたことにより、インフレ時でも物価の上昇幅ほど年金額は上がりません。現役世代が保険料を納められないと、年金制度は維持できません。年金受給者への給付水準を維持しながら、将来の現役世代の保険料負担が大きくなり過ぎないように工夫されているのです。
公的年金は、物価上昇の影響も受けます。物価が上がれば年金支給額も上がります。インフレでお金の価値が下がっても、年金が大きく目減りしてしまうことはありません。
現在の日本は、少子高齢化が進んでいる状況です。物価や賃金の上昇をそのまま年金額に反映すると、将来の現役世代の負担が大きくなってしまいます。年金制度の維持を目的として、年金改定率を調整する仕組みも設けられています。
65歳になったら、公的年金を受給できます。もし物価が上がっても年金額が変わらなければ、年金は実質的に目減りしてしまいます。まずは、物価の上昇が年金額に与える影響について知っておきましょう。
「モデル年金」世帯では?
2021年度と2022年度は名目下限措置に該当し、マクロ経済スライドによる調整が行われませんでした。2023年度には3年ぶりにマクロ経済スライドが発動し、次の指標をもとに年金額改定が行われています。
増額はともに3年ぶり。目減りは、少子高齢化に応じて年金額を抑制する「マクロ経済スライド」と呼ばれる仕組みが働くためだ。将来の年金水準を保つ効果があるが、物価高騰の中、高齢世帯の家計にとっては打撃となる。
新規裁定者の年金額は、2.2%引き上げになっています。
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