日本のコメ 米国で安く買える現象
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先の日米購買力格差は、日米物価とドル円の間の格差を自分で計算したものだ。既成のものでは、日銀の名目実効為替レートがある。これは、円の対ドル価値だけではなく、全通貨で均した円価値である。そして、そこに物価格差を加味したものが、実質実効為替レートである。2018年1月と直近2023年5月を比較すると、名目実効円レートは▲10.9%減、実質実効円レートは▲19.0%減と、円の対ドル価値の減価率よりは小幅であった。いずれにしろ、コロナ禍の3年間に物価格差・通貨格差が強烈に進み、それが「安い日本」を生んでいるという結論は変わらない。
今食べる米が無いのに政府は備蓄米 を出さない。日本の馬鹿政府どうにもならなぃ。 自民党はだめだ。国民のための政府でない。次の選挙で自民党惨敗だわ。
内外価格差の中で最も大きくなっているのは、不動産価格ではないだろうか。住宅価格と言い換えてもよい。日本も、ここ数年は住宅取得価格が上昇していることが知られている。OECD統計の住宅価格指数では、2018暦年から2022暦年までの変化率を調べると、日本は16.9%も上昇していた。しかし、同じ期間でみると、米国50.9%、カナダ38.0%、ドイツ33.9%、イギリス24.3%、フランス23.7%となっていた(図表3)。国によっては、消費者物価以上に日本との格差が大きく広がっている。中国の2018年比でみると、日本との格差は小さいが、2010年比では大きな格差が生じている(日本1.31倍に対して中国1.78倍)。
業界関係者によると、とくに業務用に回る価格帯の安い「中米」の量が少なかったという。その一方でコロナ禍が明けて訪日外国人が押し寄せており、東京や大阪などの都市部の外食産業でインバウンド需要が増大したこと、すべての食品が値上がりするなかで比較的上昇幅が緩やかだったコメを食べる人が日本国内で増えていることも要因の一つとされている。令和5年産だけを見れば、主食用生産量661万㌧に対して需要量は702万㌧。41万㌧足りなかったことになる。
今回のコメ不足は、現在の日本がわずかな変化で食料の供給が滞る危うい状態にあることを改めて浮き彫りにするものとなっている。
昨夏の「令和の米騒動」から高止まりする米価を巡り、在米日本人から驚きの声が上がっている。歴史的な物価上昇(インフレ)に見舞われている米国内で買うコメの方が割安なためだ。日本産のコメを、輸入の方が安く購入できる逆転現象すら起きている。
米国の米産業界における中核団体が創設した組織であるUSAライス連合会のホームページによると、この「カルローズ」は“アメリカ国内の和食レストランをはじめ、アジア系住民に好んで食されている”ものであるそうです。
海外の資産価格上昇が飛び火する現象は、意外に幅広く起きているのかもしれない。最近は日本の株価が軟調に転じたが、2023年4~6月は海外投資家の日本株買いの勢いは強かった。そのときに言われたのは、日本株の割安さだ。おそらく、そこにも「安い日本」の原理が働いていた可能性がある。
日本の不動産が、中国人など外国人に高値で購入されるという話題をよく耳にする。ここ数年における日本の不動産価格の高騰は、海外マネーの影響も少なからず効いているとみた方がよいだろう(図表4)。海外から日本への投資が増えていく原動力は、自国の不動産価格高騰を梃子にして資金調達が行われているところにあるのだろう。割安にみえる日本の不動産が、海外からの購買圧力で押し上げられる図式である。言い換えると、自国の不動産価格が上昇する分、日本の不動産の取得コストが割安にみえるという原理だ。これも、「安い日本」が姿を変えた現象である。日本からみて、海外投資家の存在感を大きくしている。コロナ禍で日本の不動産価格が上昇した背景には、海外投資家の存在も大きいと考えられる。
また、日米間だけではなく、欧州など他の先進国との平均賃金の上昇率とも、日本は大きな格差が生じている可能性がある。OECD統計を使って、米国以外の平均賃金を調べると、やはり日本の伸び率は、比較的小幅だった(図表2)。国ごとに伸び率の格差はかなりあることがわかったが、日本の所得があまり増えていないという結論は変わらない。
訪日外国人が非常にリッチに見える。都心の高級ホテルに宿泊し、繁華街を闊歩する。彼らの購買力が旺盛なのは、「安い日本」のせいもある。正確に言えば、海外の人々がリッチになった効果と、円安で日本の物価を安く感じさせている相乗効果である。
「安い日本」は、内外の相対価格の変化によって起こっている。通貨格差はわかりやすいが、厳密に考えると、物価格差の方は様々なバリエーションを考えることができる。先の日米格差の例は、消費者物価の格差が購買力の格差になると単純化して理解していた。本来、平均賃金の方がよいという考え方もある。OECD統計で、2018暦年から2022暦年までの平均賃金の変化率を調べると、日本は0.82%上昇で、米国は7.68%上昇だった。この数字は、日米消費者物価の格差よりはかなり小さい。つまり、何を尺度にするか、どの期間をとるかによって、日本の物価の割安度合いは変化してしまうということだ。
ここ数年間、通貨格差+物価格差の相乗効果によって、「安い日本」が進んでいる。日米消費者物価とドル円レートの変化幅から計算すると、2018年初から直近(2023年6月)まで1ドルの価値は実質的に1.49倍に増価している。円側からみれば、1ドルに対して▲32.7%の減価となる。「安い日本」は、日本の資産市場におけて海外マネーの存在感を大きくしている。
ある農家は、「毎年どこかで災害が起こるが、復旧にお金と時間がかかる問題はどこも同じではないか。もともと農業は赤字で、最近は肥料や農薬が値上がりし、食管法の時代と比べると感覚的に倍近くになっていると思う。それなのにコメ代は1俵1万2000~1万3000円と昔より低い。そんな状態で続けてきた高齢農家が今から資金を投じてまで復旧できない。今年はコメどころの山形県などが被災しているが、こうして全国で農家がやめていくのを放置すれば、いざというとき本当に食べる物がない日本になるのではないか」と語っている。
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