指値・ストップ注文のレート水準と数量がわかる「外為注文情報」から今後のポイントを探ります。
賃上げ要求32年ぶり高水準で円高、直近安値付近で個人投資家の買い意欲
本日のアジア時間からロンドン時間にかけてのドル/円は下落。米国がメキシコ・カナダへの25%関税賦課について自動車を1カ月免除とした流れを引き継ぎ、149.331円まで上昇した。しかし、連合がまとめた2025年の春闘の傘下組合の賃上げ要求が32年ぶりの高水準となる6.09%となったことが明らかになると、円買い戻しが強まりドル/円は148.263円まで下落した。
現状のレベルの上側148.500円にストップ買いが確認できる。一方、下側では148.000円、148.050円、148.100円、148.150円、148.200円、148.250円に買いが並んでいるほか、148.000円にストップ売りが確認できる。次の下値目途は、3月4日安値148.094円、その下は昨年10月8日安値147.352円が意識される。米規失業保険申請件数やECB理事会を受けて、これらの水準を消化するのか注目される。
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保護主義的な姿勢が示されることで ドル売り圧力も
米5年債入札(700億ドル)は応札倍率が前回を下回るなどやや不調だった。これより前に行われた2年債入札(690億ドル)も同様だったことで米長期金利が上昇。これを受けてドル/円は157円台へと上伸した。
いまストップロス買い・ストップロス売りの注文が厚いレートを掲載しています。 ストップロス買いとは、レート上値方向に入れてある買い注文のことです。レートがストップロス買い注文が多く入った地点を超えると、一気に買いがかさんでレートが急上昇する可能性があります。 ストップロス売りとは、レート下値方向に入れてある売り注文のことです。ドル円レートが、ストップロス売り注文の多い地点を下回ると、一気に売りがかさんでレートが急落する可能性があります。
日足のモメンタムは、ドル円の強気相場に勢いが増していることを示唆している(下のチャートを参照)。今日もドル円が上昇基調を維持する場合は、引き続き155.00レベルのトライおよびブレイクアウトが焦点となろう。昨日の高値154.78レベルの突破は、155.00レベルをトライするシグナルと想定しておきたい。
世界の政治経済の中心であり、世界中の様々な材料がドル相場に関係してくる。ただ、基本的には米国の材料で動くことが多い。NY株式市場や同債券市場動向などにも要注目。 経済指標への注目度は、他の通貨を圧倒しており、月初の雇用統計発表は世界中の投資家が注目する一つのイベントとなっている。 中銀の独立性が確立されていることもあり、政府要人よりもFRB関係者の発言が重視される傾向が続いていたが、トランプ政権樹立後は、政治関連の発言が相場に与える影響力が強まっている。
ドル円が155円台へ上昇する場合は、IG為替レポートで注目しているV計算値の水準155.28レベルの攻防に注目したい。この水準をも簡単に突破する場合は、155円のミドルそして156.00レベルのトライを意識したい。
世界の外国為替取引で圧倒的なシェアを誇る基軸通貨。2016年に国際決済銀行(BIS)が行った調査では全取引の87.6%がドル関連(ドル円、ユーロドル、豪ドルドルなど)となっている。2位ユーロの31.4%、3位日本円の21.6%を大きく引き離している(為替取引は一回の取引でドル円など2通貨が必要となるため、全体の合計は200%となる)。そのため、経済指標・要人発言などの注目度は他の国・地域よりも圧倒的に高い。 他の先進国に先駆けて景気回復に成功し、2015年12月から利上げ局面に入っている。順調な利上げでかつて高金利通貨といわれた豪ドルやNZドルよりも金利が高い状況となっている。 トランプ政権樹立後は、政治的な情勢も相場に影響が出ている。保護主義的な姿勢が示されることで、ドル売り圧力も。 かつては有事のドル買いといわれ、紛争など世界的にリスク警戒感が強まる場面では買いが出ていた。湾岸戦争以降、米国が紛争当事国となるケースが増え、その役割が弱まったが、ここにきて役割が回復してきており、有事に強い円を除いて、ドル高になるケースが見られる。
現在の地合いの強さを考えるならば可能性は低いが、ドル円が153.30前後をトライする可能性も意識しておきたい。このチャートポイントは、直近高安の半値戻し(153.27レベル)にあたり、かつサポート転換の可能性を意識する水準でもある。
昨日のドル/円は終値ベースで約0.2%上昇。156円台後半で一進一退の動きが続いていたが、NY市場で157円台に乗せるとクローズ間際には157.20円付近まで上昇した。米5月消費者信頼感指数の予想外の改善や米国債入札後の長期金利上昇を受けてドル買い・円売りが優勢となった。本日は、今月1日に政府・日銀による円買い介入が発動されたと見られる157.40-50円の水準を意識した値動きとなりそうだ。なお、鈴木財務相は昨日、円安について「マイナス面が強く懸念される状況にある」と明言。その上で「必要に応じ万全の対応を行っていきたい」と述べた。前回と同水準で実際に介入を再発動するのは難しいと見るが、市場に警戒感が広がる中で157円台後半へ続伸すれば値動きが急速に不安定化することも考えられる。本日のドル/円は介入警戒と先高期待の綱引きになりやすいだろう。
米利下げ期待の後退と米金利の上昇は、米ドル相場のサポート要因となっている。
米5月消費者信頼感指数は102.0と予想(96.0)に反して前回(97.5)から上昇。上昇は4カ月ぶり。雇用に関する指数はマチマチで「雇用が十分にある」との回答は減少したが、「仕事が見つけにくい」との回答も減少した。ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁が「利上げの確率は低いが、選択肢からは何も排除したくない」などと述べたことも相まってドルが上昇した。
ドル円のトレンドを左右する日米利回り格差のトレンドが転換しない限り、ドル円は上昇相場を意識する状況が続こう。突破的な円高が見られても、現在の状況では絶好の押し目買いの機会として捉えられるだろう。
ドル円が153円台の攻防となる場合は、153.60台の攻防が焦点となろう。直近高安のフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準が153.63レベルにあたる(下の1時間足チャートを参照)。
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