ドル/円、週後半に「売りやすい相場」がやってくる!?米CPIは予想と大きく乖離しない限りは売りで勝負【ひろぴーの 実践!FXトレードストラテジー】

ドル/円、週後半に「売りやすい相場」がやってくる!?米CPIは予想と大きく乖離しない限りは売りで勝負【ひろぴーの 実践!FXトレードストラテジー】

FXトレードストラテジー

個人投資家として活躍するひろぴー氏が、独自の最新マーケット分析を毎週公開します。現在のFXマーケットを取り巻く情報の整理をする際、また短期間の FXトレード戦略を考える際に、お役立てください。

作成日時:2025年3月12日14時
執筆:CXRエンジニアリング株式会社 代表取締役 ひろぴー 

日本2年債利回り

日米10年金利差チャート週足

出所:TradingView

今週も日本の国債金利急騰で話題がつきません。 
10年債利回りは一時1.58%付近に到達し、2年債利回りは一時0.86%を上回りました。
いよいよ住宅ローン金利に影響が出てくる水準です。 
このペースですと、1.0%まで1−2ヶ月以内でしょうか? 
1.2%となれば、おそらく10年債利回りも2.0%に到達している速度ですから、さすがにそこまで行くと日本円売りで反応してしまうかもしれません。 
またこの水準まで行くと企業の調達コストが高まりますので、日経平均株価はネガティブになると推測されます。 
但しまだ少し先の話ではありますので、日米金利差もしっかりと縮小していることですし、ドル/円は戻り売りを継続していきたいと思います。 

ドル/円、148円半ばのレジスタンスラインから

出所:TradingView

ドル/円日足チャート分析に入ります。 
先週に引き続き、戻り売りは継続です。現在は147円付近でポジションを閉じており、しっかりとした調整戻しを狙って待機中です。 
現在、148円に乗せてきたところですが、148.60-65円付近に引けるレジスタンスラインからの売り場を意識したショート戦略で考えております。 
直近安値は146.50円付近で止まりましたが、単なる日足サポートラインが引けるポイントでした。 
よって、この価格帯まで再度下落する考えを持って短期トレードを実践していく予定です。 
シナリオとしては、148.50円付近から146.50円までの下落をメインシナリオで考えたスイングトレードを。さらに146.50円を割り込んで145円まで到達するシナリオも含めて考えております。

ドル/円、逆三尊ネックライン超えに期待

出所:TradingView

ドル/円1時間足に時間軸を落とします。 
チャート的には逆三尊となっており、まさにネックラインを越えていきそうです。 
もう少し上昇するようにも見えなくはありませんが、上抜けてストップを引っ掛けて+50pips程度で終わるかな?という程度の予測です。 
理由としましては、RCI26(水色)とRCI52(橙)が11日火曜時点で-80ラインを超えた反発シグナルを出していたのにも関わらず、上昇しきれなかったところがポイントです。 
長年使っている経験上、タイミングを逃し切ったと解釈できる値動きで、既にRCI26は下向き加減になりつつあります。 
上昇の勢いがない証拠ですので、本日の欧州時間〜米CPI発表まで上値を抜けても小さなショートカバーが1度入る程度と予想をしております。 
またSMA200(橙)が順調に下落してきており、5-6時間後には148.50円付近に到達しそうです。より戻り売りしやすいテクニカル条件が整っておりますので、時間足で考えても売り場となりやすいのではないでしょうか。 
今週後半にかけてまた売りやすい展開がやってくると思いますので、本日中に売りポジションは作りたいものの、あと少しだけ我慢して引きつけて待つ展開を予想しております。 
今夜発表される米CPIも予想外に大きな数字が出ない限り、多少の市場予想を上回ろうがドル/円は売り方向で勝負を予定しております。 

【ひろぴー氏出演動画】

 

ひろぴー
FX&Cryptoトレーダー、業界ニックネームは「ひろぴー」。ラジオ日経パーソナリティ、FX会社や仮想通貨取引所のコラムニストとして活動の場は多岐に渡る。自らのトレーディングノウハウから、ユーザビリティの高いインターフェース総監督を担う。FX会社や金融プラットフォーム開発エンジニアリング企業、仮想通貨取引所へのコンサルティング業が主。
2019年7月より TradingView Japan の Marketing Director に就任。
●免責事項
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。
[紹介元] 外為どっとコム マネ育チャンネル ドル/円、週後半に「売りやすい相場」がやってくる!?米CPIは予想と大きく乖離しない限りは売りで勝負【ひろぴーの 実践!FXトレードストラテジー】

ドル 円 週後半に

ドル円は、第2次世界大戦後の国際的な通貨の枠組みである「ブレトンウッズ体制」のもと、1949年4月以降、1ドル=360円の固定相場が続きました。1971年8月の「ニクソン・ショック」(ニクソン米大統領がドルと金との交換停止などを発表)により、一時的に変動相場へ移行しましたが、同年12月、「スミソニアン体制」のもと、再び固定相場(1ドル=308円)に回帰し、その後、1973年2月に変動相場へ完全移行しました。

そうした事情もあってか、政府・日銀は計2回、総額約9兆8千億円の大規模為替介入に踏み切りました。しかし、介入を決断した背景には、こうした事態を招いた責任感以外にも理由がありそうです。というのも、今回介入に踏み切った水準を抜けると、ドル円には当面目ぼしいチャート上の節目が見当たらないのです。

■1995年12月末以降、約28年間のデータを見ると、日米の短期金利差(3カ月物の銀行間取引金利)が5%超の時期、ドル円の3カ月(60営業日)の騰落率は平均約1.48%のドル高となっています。また、より細かいレンジで見ると、金利差が拡大するほどドル高の傾向が強まります。しかし、同金利差が5%を下回り、4.5%以上5%未満のレンジに切り下がると、ドル円の騰落率は同約0.53%のドル安となっています(図表6)。

■もちろん、ドル円のスポットレートは様々な参加者が多様な動機のもとに取引しているので、短期的にはPPPから乖離するのはむしろ当然といって良いでしょう。しかし、長期的に見るとドル円の推移はPPIベースのPPPを中心に±2標準偏差のレンジにほぼ収まることが確認できます。また、ドル円がCPIベースのPPPを上回って推移するのは、1971年の変動相場制移行後はごく僅かな時間帯に限られています。そう考えると、紛争や財政破綻、金融危機といった「よほどの事態」が日本に差し迫っているのでなければ、現状のPPPから見て行き過ぎた円安は持続不可能なように思われます。

■また、より広範なモノやサービスの価格をカバーする購買力平価(Purchasing Power Parity、PPP:2国間のインフレ格差から為替レートの適正水準を探る分析手法)で見ても、円の割安感は際立っています。具体的な数字で見てみましょう。足元のドル円レートは約156円(2024年6月5日時点)ですが、日米の消費者物価指数(CPI)の格差で計算したPPPは1ドル106円97銭、生産者物価指数(PPI)で計算したPPPは1ドル89円83銭となっています(図表3、4、いずれも4月末時点)。もし、CPI基準のPPPまでドル円が調整すると約49円(約31%)の大幅な円高に、PPI基準のPPPまで調整すると約66円(約42%)の「円急騰」が生じる計算になります。

ドル円は、「固定相場から変動相場への移行局面」で、ドル安・円高が進み、1973年3月には254円台半ばをつけましたが、「第1次石油危機」などにより、1975年12月には306円台後半に戻りました。以降、「本邦経常収支の黒字拡大」などを背景に、再びドル安・円高が進行し、1978年10月には177円水準に達しましたが、同年11月の「カーター米大統領のドル防衛策」や「第2次石油危機」などで、ドル高・円安方向に転じました。

以上を踏まえると、ドル円相場のトレンド転換は、1970年代から1990年代までは、「国際通貨協調」や「米通貨政策」など、2000年代以降は、「金融ショック」、「米金融政策」、「米経済政策」などが、きっかけになったと考えられます。足元のドル高・円安のトレンドが転換する場合、今回は「米金融政策」が焦点になると思われ、インフレ沈静化→利上げ一服→ドル安・円高、という展開が想定されます。

先般の大規模介入で当局が死守した1ドル160円という水準は、チャート的には「超円安」への流れを阻止する、ギリギリの防衛ラインと見ることができそうです。このため、短期的には市場と当局の「痺れる神経戦」が続くこととなりそうです。とはいえ、ファンダメンタルズから大きく乖離して見える現在の「行き過ぎた円安」は、その持続性に疑問があるだけでなく、その後の「円高シナリオ」の振れ幅を増幅する可能性があります。特に、日米の短期金利差が5%を下回ってくる局面では、為替市場でのボラティリティ上昇をきっかけに「思いがけない円高」が生じる可能性があるため、その動向には注意が必要でしょう。

■こうした「金利差5%」を閾値(しきいち)としたドル円の方向感の違いには、為替市場のボラティリティ(市場の変動率のこと)が関係しているのかもしれません。というのも、金利差が縮小してくると、為替市場の変動により生じる損失を金利差ではカバーしきれないケースが増えてくるからです。

野村證券は、2025年12月末の予想値としてはドル円:140円、日経平均:42,000円を維持しています。デフレ完全脱却にともなう日銀の追加利上げをこなしながらも、景気拡大にともなう企業の増益、株価の上昇は続くというシナリオは不変です。足下の株価調整は、長期投資家にとっては買いの好機をもたらしていると見ています。

■しかし、こうした「安い円を更に売る」理由は、足元では急速に解消しつつあります。例えば、ここ数年、ドル円と高い相関を保ってきた日米の実質長期金利差(10年国債利回り)は、ここもとの円金利の上昇でにわかに縮小しつつあります(図表5)。また、中国景気の悪化やサプライチェーンの混乱が落ち着いたことから原油価格は大きく調整しており、日本の貿易赤字は大きく縮小するとともに、経常収支は大幅な黒字基調に回帰しています。

■長期のドル円相場を振り返ると、1985年2月のプラザ合意を契機に始まった円高ドル安トレンドは、2011年10月に75円35銭をつけて終了し、その後のもみ合いを経て現在は反転途上にあります。こうした長期の視点から改めてドル円の現在位置を確認すると、ゴールデンウイークに政府・日銀が介入に踏み切った「160円」という水準は、チャート上とても重要な水準であったことに気づかされます。というのも、プラザ合意後の円高が短期間に猛烈なスピードで進んだことから、1990年4月につけた戻り高値の160円20銭を抜けると、プラザ合意前の262円80銭まで目ぼしいチャート上の節目がほとんど見当たらないのです(図表1)。

■ちなみに、日米の3カ月物の短期金利差が5%の場合、金利差から得られるリターン(取引コスト等控除前)は1.25%になります(5%×90日÷360日)。一方、日米金利差が4.5%以上5%未満の時期における3カ月間の為替騰落率は、ボラティリティが8%を超えると平均1.35%のドル安となります。このため、低金利の円で資金を調達して高金利のドルで運用する、いわゆる「キャリートレード」の損益はマイナスに転じる可能性が高まります。

■こうした「行き過ぎた円安」を示唆する指標は少なくありません。例えば、世界各国通貨の購買力を測る「ビッグマック指数(マクドナルド社の看板メニュー「ビッグマック」のドル建て価格を国際比較するもの)」を見ると、日本の同指数は3.17ドルで米国(5.58ドル)を大きく下回るばかりか、中国(3.50ドル)をも下回っています(いずれも2023年12月末時点)。

■「円が安すぎる」ということは、ニューヨークで日系著名チェーン店のラーメンが1杯約3,500円(18ドル+税+チップ、1ドル156円換算)することからも、多くの方が薄々感づいているのではないでしょうか。にもかかわらず、円安がここまで進んできた背景には、日米の金利差が大きく拡大してきたことや、エネルギー価格の高騰から2022年に貿易赤字が過去最高の21兆円を超えるまで拡大したことなどがあげられます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました