来週の為替予想(豪ドル/円 NZドル/円 )「豪雇用統計は強いと市場予想 豪ドルの上値が重い理由は?」ハロンズ FX 2025/3/15 #外為ドキッ

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来週の為替予想(豪ドル/円 NZドル/円 )「豪雇用統計は強いと市場予想 豪ドルの上値が重い理由は?」ハロンズ FX 2025/3/15 #外為ドキッ
 

執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
X(Twitter):@gaitamesk_naka
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今週の振り返り

今週の豪ドル/円は93.02円前後で、ニュージーランド(NZ)ドル/円は84.25円前後で週初を迎えました。市場の大きな注目が米国の関税政策の行方や米景気動向に向く中、10日には米3大株価指数(NYダウ平均、S&P500種、ナスダック総合)がそろって大幅に下落。翌日の日経平均株価もこの流れを引き継ぎ、序盤に大きく低下した場面では、リスク回避の動きが強まり、豪ドル/円は91.82円前後、NZドル/円は83.31円前後まで下落する場面も見られました。その後は米ドル/円が146円台半ばから149円台前半まで反発したこともあり、豪ドル/円、NZドル/円も上昇に転じる場面もありましたが、米国の貿易戦争が世界経済を悪化させるとの懸念が根強く、上値は限られました(執筆時)。

豪ドルは円や米ドルの動向に注意

来週は20日に豪2月雇用統計が発表されます。豪州の労働市場を見ると、新型コロナのパンデミック前の5年間(2015-2019)の雇用者数は平均2.2万人の増加だったのに対して、2022年以降は平均3.8万人の増加となっています。過去3カ月でも市場予想が1.5~2.0万人増にとどまる中、平均4.44万人増と依然として強い状態が続いています(表1)。また、労働参加率は1月に過去最高となる67.3%を記録しています。今回の雇用者数変化の市場予想は2.8万人増(執筆時)となっていますが、まだエコノミストの予想が出そろっていないため、予想値は変化するでしょう。2月の豪準備銀行(RBA)理事会の議事録では「労働市場のさまざまな指標も引き続き堅調であることを示している」とも指摘しています。そのため、市場も今回の豪2月雇用統計は堅調な結果になるとの見方が優勢のようです。市場予想を下回る弱い結果だった場合、市場のバイアスが上方向にかかっているため、短期的には豪ドル売りの要因になると見ています。ただ、その結果だけでRBAが追加利下げを前倒しするとは考えにくいです。

【表1. 豪雇用者数変化の推移 】

RBAは2月の理事会で4年3カ月ぶりの利下げを実施しましたが、追加利下げに関しては慎重な姿勢を示しました。その一因として、米国を中心とした関税合戦が「多くの国で経済活動に悪影響を及ぼす可能性がある」とRBAは挙げています。トランプ政権の関税の影響から、米国では景気後退懸念が台頭しており、米主要株価指数がこの1週間で大幅に下落しています。米国に報復関税を課したカナダでは、関税合戦が長引けば国内総生産(GDP)成長率が2~4%押し下げられる可能性があるとエコノミストは予想しています。資源国通貨で景気動向に敏感な豪ドルは関税への懸念が残るため上値の重い展開が続きそうです。

豪ドル/円のテクニカル分析

豪ドル/円の目先の上値目途は週足一目均衡表の基準線となりそうです。その上の水準では週足一目均衡表の転換線がレジスタンスとして意識されそうです。
一方、下値は今週安値(91.82円前後)3月4日安値(91.86円前後)がある、91.80円台が目先のサポートして意識されそうです。その下の水準では2024年8月5日安値の90.08円前後や心理的な節目となる90.00円前後が下値目途になりそうです。

【豪ドル/円 週足・一目均衡表】

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

予想レンジ:AUD/JPY:91.00-95.00、NZD/JPY:82.00-86.00

3/17 週のイベント:

03/17 (月) 11:00 中国 2月小売売上高
03/17 (月) 11:00 中国 2月鉱工業生産
03/19 (水) 06:45 NZ 10-12月期四半期経常収支
03/20 (木) 06:45 NZ 10-12月期四半期国内総生産(GDP)
03/20 (木) 09:30 豪 2月雇用統計
03/21 (金) 06:45 NZ 2月貿易収支

一言コメント:

先週末は北関東へ温泉旅行へ行ってきました。山が近くて景色がとてもよかったのですが、夕方から夜にかけては雪が降る寒さ。ただ、寒い中入る露天風呂は最高でした。

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外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。

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来週の為替予想 豪ドル 円

予想レンジは、85~102円で想定したいと思います。

しかし短期的には注意が必要だ。前回7月に158円台まで円安が進んだ時、トランプ次期大統領が「米国はドル高で大きな問題を抱えている」と懸念を示したことで、ドル/円は2円近く急落した。中期的な円安トレンドは変わらないとしても、海外市場がクリスマス休暇で流動性が低くなる今週末から来週にかけては用心が必要だ。

金利差は、為替相場の変動率(ボラティリティ)に大きく影響することから、大幅な金利差のある米ドル/円やクロス円が歴史的大相場を展開したのに対し、豪ドル/米ドルのような対米ドルでの取引「ドルストレート」は小動きの状況が続いたということでしょう。このような金利差に著変なければ、2025年の豪ドル/米ドルも小動きが続く可能性が高いのではないでしょうか。

52週MAは11月末現在で100円弱ですが、過去の経験を参考にすると、下落トレンドに転換した豪ドル/円は、一時的な上昇局面でも52週MAを大きく上回ることなく一段安に向かう可能性が高いと考えられます。

豪ドル/円は2024年7月にかけて110円寸前まで上昇し、2007年に記録したこの間の高値を更新しました。これは米ドル/円が161円まで展開する「歴史的円安」となるなど、円全面安が展開した影響が大きかったでしょう。このため、米ドル/円が8月にかけて一転して暴落すると、豪ドル/円も90円割れ寸前までやはり暴落となりました(図表5参照)。

豪ドル/米ドルは、小動きが続く中でも、最近にかけての金利差変化からかい離する形で下落傾向が続き、年初来の安値更新含みの展開となりました。これには中国経済の不振の影響などがあるのかもしれません。

2024年254営業日目は154.77円からスタート。東京時間朝に154.43円まで下落したが下げは限定的だった。今週のFOMCでFRB(米連邦準備理事会)が来年の利下げを9月時点の年4回(1.0%)から2回(0.5%)に狭める見通しを示したことに加え、日銀(日本銀行)がこの日の会合で政策金利の据え置きを決めたことで、円売りが加速した。

豪ドル/円の5年MAかい離率は、2024年7月に110円まで上昇した局面で25%程度まで拡大しました。これは、2007年に記録した過去最高にほぼ肩を並べるものでした(図表7参照)。その意味では、5年MAとの関係で見た場合、2024年の豪ドル/円はほとんど過去最高の「上がり過ぎ」という動きだったのでしょう。

このような値動きは、過去の経験を参考にすると、豪ドル/円がすでに7月109円で天井を打って、複数年続く下落トレンドに転換した可能性が高いことを示すものです。

こうした中で豪ドル/円は52週MAを大きく割り込みました。その後の反発で一時52週MAを回復したものの、最近にかけて再び52週MAを大きく割れるところとなりました(図表6参照)。

その後の豪ドル/円の下落により、5年MAかい離率も縮小しましたが、なお「上がり過ぎ」圏にあることには変わりなさそうです。その意味では、このような「上がり過ぎ」が是正される中で、2025年は豪ドル/円の下落トレンドが展開する可能性が高いと考えています。

この日発表された第3四半期の米国のGDP(国内総生産)は上方修正、雇用関連のデータも改善するなどして米長期金利は5月30日以来の高水準4.59%前後まで強含んだ。155円台そして156円台をブレークしても円安の勢いは止まらず、未明には7月16日の高値(157.86円)に迫る157.81円まで円安に動いた。24時間のレンジ幅は3.38円。

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