午前の為替予想は… 米小売に関心集中
作成日時 :2025年3月17日8時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
ドル円予想レンジ
147.700-149.800円
前日の振り返りとドル円予想
14日のドル/円はポジション調整主体の動きによって終値ベースで約0.5%上昇。本邦春闘の賃上げ率(第1回回答)は2年連続で5%を超えたものの、日銀の利上げ期待は高まることなく円買い材料にならなかった。米国では3月の消費者マインドが悪化した一方でインフレ期待は大幅に上振れしており、スタグフレーション懸念が拭えなかったものの、強いドル売り材料にならなかった。短期筋のポジションがドル売り・円買いに傾いていたため、週末を前に、材料よりも調整に向けた需給が値動きを左右しやすかったと見られる。ただ149円台の上値は重く、欧州市場序盤に149.01円前後を付けた後は148円台での値動きに終始した。
トランプ米大統領の不規則発言を除けば、本日はNY市場で発表される米2月小売売上高に関心が集中しそうだ。前回の1月小売売上高は前月比で大幅に減少し、米国の景気減速懸念を強める一因となった。今回の2月小売売上高は天候の回復などを背景に前回の反動による強めの結果が予想されている(前月比+0.6%、除自動車+0.3%)。米2月小売売上高については、市場としても材料視しないわけにはいかないだろう。予想を上回れば、ドル/円は149.20-30円台の上値抵抗を上抜ける可能性がある一方、予想を下回れば147円台に押し戻されることも考えられる。
今朝 最新のドル/円チャート
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株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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ドル円午前の為替予想 米小売に関心集中 2025
中国は豪州と経済的な結びつきが強いとされており、中国の動向が豪ドル/円に影響する例があります。
このことから、3月は「5日と27日の全体的な英ポンド高」と、「20日と26日の英ポンド高・円安」アノマリーに注目です。
また、英ポンド/円は翌4月も陽線の出現回数が16回と多く、英ポンド/米ドルも同様に16回も陽線が出現していることから、4月には「英ポンド高」のアノマリーがあります。
米3月ミシガン大消費者信頼感指数・速報値は57.9と市場予想(63.0)を大幅に下回り、2022年11月以来の水準に低下した。一方、消費者の期待インフレ率は1年先が4.9%、5-10年先は3.9%にそれぞれ上昇。5-10年先の期待インフレ率は1993年以来の高水準に達した。
一方、月足で3月に「英ポンド高・円安」のアノマリーがあった英ポンド/円は、5日と27日には目立った傾向がなく、20日と26日、さらに今年(2025年)は日曜日ですが30日に上昇アノマリーがあります。
14日のドル/円はポジション調整主体の動きによって終値ベースで約0.5%上昇。本邦春闘の賃上げ率(第1回回答)は2年連続で5%を超えたものの、日銀の利上げ期待は高まることなく円買い材料にならなかった。米国では3月の消費者マインドが悪化した一方でインフレ期待は大幅に上振れしており、スタグフレーション懸念が拭えなかったものの、強いドル売り材料にならなかった。短期筋のポジションがドル売り・円買いに傾いていたため、週末を前に、材料よりも調整に向けた需給が値動きを左右しやすかったと見られる。ただ149円台の上値は重く、欧州市場序盤に149.01円前後を付けた後は148円台での値動きに終始した。トランプ米大統領の不規則発言を除けば、本日はNY市場で発表される米2月小売売上高に関心が集中しそうだ。前回の1月小売売上高は前月比で大幅に減少し、米国の景気減速懸念を強める一因となった。今回の2月小売売上高は天候の回復などを背景に前回の反動による強めの結果が予想されている(前月比+0.6%、除自動車+0.3%)。米2月小売売上高については、市場としても材料視しないわけにはいかないだろう。予想を上回れば、ドル/円は149.20-30円台の上値抵抗を上抜ける可能性がある一方、予想を下回れば147円台に押し戻されることも考えられる。
特に有名なアノマリーとして、「ゴトー日(5・10日)アノマリー」があります。これは、金融機関が顧客に適用するその日のレートを決める日本時間の午前10時ごろの「仲値」に向けて、特にグローバル企業の決済が集中しやすい5や10のつく日は米ドルが買われて円安になりやすい傾向にあるというもので、この動きを利用した「仲値トレード」と呼ばれる取引手法は一部のFXトレーダーから注目されています。
一方、24日は米ドル/円とスイスフラン/円が76%、カナダドル/円が86%で、26日も英ポンド/円が84%、ニュージーランドドル/円とカナダドル/円が75%、ユーロ/円が73%と、陽線の出現確率が高くなっています。
今回の検証は、2015~2024年の10年間にわたって、5と5の倍数の日の日本時間0時1分に米ドル/円を買い、仲値が発表される直前の9時53分に決済するトレードを繰り返した場合、累積の収益がどのようになるかを、MT4(メタトレーダー4)のバックテスト機能を使って行いました。該当する日が土日だった場合は、前の営業日を実質的なゴトー日として検証しています。
豪ドル/円の長期推移を見通すにあたって、豪州の政策金利は今後も重要な要素となる可能性があります。
これを見ると、5日に英ポンド/豪ドルで81%、英ポンド/ニュージーランドドルで79%、英ポンド/カナダドルで75%と陽線の出現確率が高く、英ポンドが決済通貨(分母側)のユーロ/ポンドは30%と低いことから、「英ポンド高」のアノマリーがあります。
これを見ると、3月はアノマリーと認められる英ポンド/円の14回を筆頭に、米ドル/円とユーロ/円は13回など、日本円が絡んだ通貨ペアで陽線の出現回数が多く、全体的に円安の傾向が見受けられます。
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