
週明け7日の香港市場は、前週末の欧米株安の流れを引き継いで続落か。トランプ米政権が発表した相互関税に対し、中国商務部は4日、米国からのすべての輸入品に34%の追加関税を課すなどの報復措置を発表した。投資家が世界的な不況の到来を警戒し、運用リスクを回避する姿勢を強めるだろう。
中国商務部は追加関税のほかに、米国企業11社を「不可靠実体(信頼できない企業)」のリストに追加した。収載された企業は中国との貿易活動や中国国内での新規投資を禁止される。また、米国の16社を新たに輸出規制対象に追加した。
4日のNY株式相場は大幅続落。株式市場が下落を続ける中、トランプ米大統領が自身のメディア「トゥルース・ソーシャル」に「政策は決して変わらない」と投稿し、失望売りを誘った。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は、大型ネット株のテンセント(00700)、アリババ集団(09988)、美団(03690)、金融株のHSBC(00005)、中国建設銀行(00939)、AIAグループ(01299)、スマートフォン大手の小米集団(01810)が香港終値を上回って引けた。
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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ブルーダーマン・アセット・マネジメントの首席市場アナリスト、オリヴァー・パーシェ氏は、世界市場の見通しは不安定だと説明した。
アジア株 トランプのせいで豪州株は調整局面入り、スタグフレーションで3会合連続利下げ予想東京時間14:03現在香港ハンセン指数22849.81(休場)中国上海総合指数3342.01(休場)台湾加権指数21298.22(休場)韓国総合株価指数2441.82(-44.88 -1.80%)豪ASX200指数7670.80(-188.93 -2.40%)インドSENSEX30種75558.13(-737.23 -0.97%)アジア株は下落、トランプ関税による世界的な景気減速懸念が高まっている。きょうは清明節で中国、香港、台湾市場は休場。休み明けに欧米市場が落ち着きを取り戻しているのを祈るばかりだ。トランプ米大統領は各国が「何か素晴らしいもの」を提示すれば関税を引き下げるかもしれないと発言、9日の関税発動まで交渉の用意があることを示唆するもEUは強硬姿勢を崩す気はないようだ。欧州連合はトランプ氏側近の1人であるマスク氏のX社に対し制裁を準備している。きのうは欧州委員長、ドイツ、フランスが対抗措置を示唆した。米JPモルガンはトランプ関税が経済に劇的な変化を及ぼすとして世界経済が景気後退に陥るリスクを前回の40%から60%に引き上げた。トランプのせいで豪州株は大幅安、昨年8月以来の安値。2月高値から10%下落し「調整局面入り」して取引を終える。原油安を受け、ウッドサイド・エナジーやサントス、ビーチ・エナジー、カルーン・エナジーなどエネルギー関連が大幅下落している。そのほか、ハイテクや公益、消費財、金融、不動産、素材関連も下落している。トランプ関税のおかげで豪中銀の利下げ期待が復活。ANZは今年あと1回のみ8月利下げを予想していたが、2日のトランプ関税発表を受け、次回利下げ予想を5月に前倒しし、5月7月8月と3会合連続で利下げに踏み切ると予想した。成長見通しがさらに悪化すれば5月に50bpの大幅利下げを実施する可能性も排除しないとしている。本来なら利下げは株式市場にとって喜ばしいことだが、トランプのせいで景気停滞とインフレ上昇が同時に起こる「スタグフレーション」の可能性による利下げ観測だ、ちっとも喜べない。
FRBも、昨年9月までは明るい経済見通しを示していた。トランプ政権による15兆ドルの減税措置や2018年の投資が経済成長を長引かせ、高めの金利維持の根拠にもなると考えていた。
一方で、トランプ氏の経済顧問ケヴィン・ハセット氏は、こうした暗い見通しを示す人々に反発している。
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