
午前の為替予想は… 関税の影響が徐々に顕在化 PPI次第では150円を目指す動きも
作成日時 :2025年7月16日7時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 中村勉
ドル円予想レンジ
147.800-150.000円
前日の振り返りとドル円予想
昨日のドル/円は終値ベースで約0.7%上昇。米6月消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回り、関税の影響が徐々に物価に反映され始めたとの見方から、米長期金利が上昇する中でドルが買われた。週末(20日)に控えた参院選を巡る不透明感から円が売られたことも相まって、ドル/円は一時4月3日以来となる149.02円前後まで上値を伸ばした。
米6月CPIの結果を受けて短期金利先物が示す米連邦準備制度理事会(FRB)の9月利下げ織り込みはやや後退した。本日は米6月生産者物価指数(PPI)の発表が予定されており、関税の影響が米製造業における出荷時の価格にどの程度反映されているかを見極める材料となる。市場予想では前年比+2.5%、エネルギーと食品を除いたコアPPIが+2.7%といずれも前月(+2.6%、+3.0%)から鈍化する見通しとなっている。予想に反して伸びが加速していた場合には、ドル/円は150円を目指す動きとなりそうだ。
今朝 最新のドル/円チャート

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外為どっとコム総合研究所 情報企画部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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ドル円午前の為替予想 関税の影響が徐に顕在化 PPI次第では150円を目指す動きも
ニューヨーク時間の午後になってトランプ政権から関税についての説明があるとの発表があって、マーケットは身構えることとなった。米国株は下落し、インフレ懸念からドル金利は上昇した。ドル相場も高水準を維持し、政権からの発表を待つこととなった。
米国のトランプ大統領は、米中貿易協議について「大変友好的だった。中国は国を開くことで合意した」と成果を強調。その上で「私たちは中国を傷つけるつもりはない。関係はとても良好だ」「習近平国家主席とおそらくこの週末にも話すだろう」と述べた。米連邦準備制度理事会(FRB)のクーグラー理事が「関税が年初時点と比べて大幅に高い状態が続けば、経済への影響も同様に大きくなる可能性が高い。それにはインフレ率の上昇と成長の減速が含まれる」との認識を示したことも伝わった。
昨日のドル/円は終値ベースで約0.7%上昇。米6月消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回り、関税の影響が徐々に物価に反映され始めたとの見方から、米長期金利が上昇する中でドルが買われた。週末(20日)に控えた参院選を巡る不透明感から円が売られたことも相まって、ドル/円は一時4月3日以来となる149.02円前後まで上値を伸ばした。米6月CPIの結果を受けて短期金利先物が示す米連邦準備制度理事会(FRB)の9月利下げ織り込みはやや後退した。本日は米6月生産者物価指数(PPI)の発表が予定されており、関税の影響が米製造業における出荷時の価格にどの程度反映されているかを見極める材料となる。市場予想では前年比+2.5%、エネルギーと食品を除いたコアPPIが+2.7%といずれも前月(+2.6%、+3.0%)から鈍化する見通しとなっている。予想に反して伸びが加速していた場合には、ドル/円は150円を目指す動きとなりそうだ。
しかし実際に公表された内容は、身構えた割には実にハト派的な内容だった。確かに延期かという見立てがあった自動車に25%の関税をかけるとし、日本なども例外にしないことになった。それでUSMCAには適用除外だとし、中国にはさらなる猶予の余地も見せている。
米国と中国は「共同声明」で、相互に課していた関税を90日間引き下げることで合意したと発表。関税率は米国が145%から30%へ、中国は125%から10%へといずれも大幅に引き下げられた。ベッセント米財務長官は会見で「どちら側もデカップリング(分断)を望んでいないという点で一致した」と述べ、両国が対立緩和に向かっていると強調した。これを受けて円売りが加速。米長期金利が上昇する中でドル買いも活発化した。
10日、11日にスイスジュネーブで行われた米中貿易協議について、米国のベッセント財務長官は「大きな進展」があったと発言。中国側の何副首相も「重要なコンセンサス」に達したと述べたことが伝わり、12日には「共同声明」が発表されることも明らかになった。これを受けてドル/円は前週末の終値から1円近く上昇して取引が始まった。クロス円も円売り先行でスタートした。
昨日のドル/円は終値ベースで約2.1%上昇。米国と中国の双方が、90日間の期限つきながらも関税の大幅引き下げで合意したことを受け、貿易戦争を巡る懸念が後退した。ベッセント米財務長官が合意内容を発表した欧州市場序盤にドル買い・円売りが加速すると、NY市場では米国株の大幅高や米長期金利の上昇を背景に4月3日以来の高値となる148.65円前後まで上値を伸ばした。米中それぞれの関税率は、4月2日(日本時間3日)の米相互関税発動前の水準に引き下げられ、NYダウ平均株価は発動前の水準を回復した。ドル/円も米相互関税発動直前の水準である150円前後までは、目先的に戻りの余地があろう。本日は米4月消費者物価指数(CPI)の結果に注目が集まりそうだ。米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げについて市場は、次回6月も見送りが濃厚で、次々回7月で「五分五分」と見ている。米4月雇用統計が予想以上に強かったことを踏まえると、4月CPIの伸びが市場予想を上回れば、市場の7月利下げ観測が後退する公算が大きい。ドル/円は節目の150円回復に向けた動きが強まるか、本日の展開が注目される。
ドル円の高値がなかなか151円ちょうどをつけずないままでいる。この150円台では私はベア目に見ているので、150円台の中盤アッパーではどこかで売り込もうと考えていた。東京時間の午後にようやく150.50を越えてきたので、スモールだけだが打ってみたのである。
7月17日、21時30分に発表されるアメリカの小売売上高の注目ポイントをお伝えします。5月の小売売上高は関税政策の影響で、消費者マインドが低迷する中、自動車販売の不振から、前月比で消費が0.9%減速し、米国の消費に対する不安を覗かせました。



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