
東京市場は軟調か。米国株はまちまち。ダウ平均とS&P500が上昇し、ナスダックが下落した。全般的に方向感に欠ける動きではあったが、エヌビディアなど半導体株はやや大きめの下落となった。ドル円は足元146円70銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが140円安の39610円、ドル建てが95円安の39655円で取引を終えた。
きのうの日経平均は、一時4万円を上回りながらも下落で終えた。米国株がまちまちでは上値は追いづらく、半導体はエヌビディア安を受けて嫌われるだろう。ドル円が円高に振れていることも逆風で、日本株は売りが優勢になると予想する。多くの銘柄は1Q決算発表を前に手がけづらく、場中は動意薄となる時間が長くなりそうだ。日経平均の予想レンジは39550-39850円。
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
見通し 今日の株式見通し軟調か 米半導体株安や円高進行が重荷
アドバンテスト(6857)は11.1%安の8,162円をつけ、大幅続落で取引を終えました。1銘柄で日経平均を269円押し下げました。中国のAI企業「DeepSeek(ディープシーク)」が米国のAI産業の脅威になるとの懸念が日本市場にも波及し、日本の半導体関連銘柄も軒並み下落となりました。ソシオネクスト(6526)は6.7%安、東京エレクトロン(8035)は5.7%安で取引を終えています。三菱重工業(7011)は7.0%安の2,125円をつけ続落となりました。AI需要によるデータセンター投資増加の恩恵を受ける電力インフラ関連銘柄として買われてきたものの、ディープシークのニュースを受けて、生成AI向けのデータセンター投資が鈍るとの警戒感が売りを呼びました。同様に原子力発電部品を手掛ける日本製鋼所(5631)も9.9%安と大幅下落となりました。任天堂(7974)は一時5.3%高の10,310円をつけ、上場来高値を更新しました。下落が厳しい半導体関連銘柄に代わって次の成長テーマとしてコンテンツ関連産業に買いが広がりました。ファナック(6954)は0.1%高の4,695円をつけ、小幅に反発し取引を終えました。27日発表の第3四半期決算で、通期の当期純利益を上方修正し、前期比4.5%増の1,392億円になるとの見通しを公表、一部には物足りない内容との声もありながら株価は小幅に上昇となりました。日立建機(6305)は3.4%高の3,881円をつけ、3日続伸となりました。27日の第3四半期決算で、通期の当期純利益を従来予想から40億円上方修正し、840億円(前期比10%減)になりそうだと発表したことで、買いを集めました。コーエーテクモホールディングス(3635)は一時6.9%高の1,996.5円をつけ、昨年来高値を更新しました。27日の第3四半期決算で、営業利益は前年同期比25.8%減の150億円と減益となるも、25年1~3月にかけては未発表ゲームタイトルの発売が控えていることから、期待先行での買いが優勢となりました。
意外に強い米経済の成長率も2025年後半には前年比2%を下回るとみています。マイナス成長になるとハードランディング(景気後退)ですが、このところの経済状態を見る限り、悪く予想する理由は見当たりません。コロナ禍対応の財政出動や経済活動の正常化に伴う高成長がスピードダウンする、ソフトランディング(軟着陸)で切り抜けられる見通しです。
一方、中国向け半導体輸出の規制などで売り上げ見通しが予想に達しない場合、8月上旬のような世界的な株価急落の引き金を引く恐れもあります。
ただ、巨大IT企業のAI向け設備投資は非常に高水準。エヌビディアがAIハードウエア販売の増加でまだまだ高成長を持続する可能性は高そうです。エヌビディアの2025年8-10月期の売上見通しが市場予想を上回った場合、先週下落した日本の半導体株にとっても朗報でしょう。
ただ、今後の売上高は、前年同期比3倍超に達したこれまでの伸びからは鈍化する見通しで、市場が予想する2024年8-10月期の売上高の伸びは前年同期比74%増まで低下しています。
円高になるとインバウンド消費の日本国内での購買力が落ちるという見通しから、三越伊勢丹ホールディングス(3099)が8.1%安。
30日(金)には7月の個人消費支出の価格指数(PCEデフレーター)も発表。市場予想では前年同月比2.6%増と、前月6月より多少上昇するものの、物価高の沈静化が続く見通しです。



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