モナカ追求 異名「ジャンボ職人」

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モナカ追求 異名「ジャンボ職人」
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モナカ追求 異名 ジャンボ職人

名称を正確には言えないないまでも、「ジャンボモナカ」ぐらいまでなら口をついて出てくるはずだ。

72年に売り出されて、既に20年が経過。はやりすたりの激しい菓子分野では実際、この頃には売上実績が伸び悩んで、存続の危機を迎えていたという。「チョコモナカジャンボ」の登場は生き残りをかけたビッグチャレンジだったわけだ。検討を重ねた末のリニューアル商品だけに、「チョコ」と「ジャンボ」の両面でアピールする戦略を仕掛けた。

そしてチョコモナカジャンボの躍進を底支えしてきたのが、冒頭でも触れた「ジャンボ」であり、「モナカ」であるという事実である。

状況が変わり始めたのは1996年です。この年に大きなリニューアルを行い、バニラアイスの中に入れていたチョコレートソースを板チョコにしました。また、モナカの皮の山を12山から18山に増やします。サイズが大きくなったので、名前も「チョコモナカジャンボ」に変更しました。さらに1998年には決定的ともいえる改良が行われました。

「デラックス」と格上げした理由はチョコソースだけではない。サイズは1.5倍に大きくなった。外側もモデルチェンジし、モナカの山が12に増えている。ただし、「まだ板チョコではない、ソースタイプのチョコ」(中村氏)。パリパリの食感も前面に押し出してはいない。

ここ日本でモナカアイスといえば、多くの人の頭の中に浮かぶのは森永製菓のチョコモナカジャンボだろう。

この二価志向性の加担もあって、チョコモナカジャンボは消費者の頭の中の陣取り合戦を余裕で制することができるのだ。

なぜ、森永製菓の「チョコモナカジャンボ」はアイス市場のトップを走り続けているのか。約20年にわたりモナカのパリパリを追求し続け、“ジャンボ職人”の異名をもつエキスパート研究員の渡辺裕之さんは「『ジャンボ』の改良にゴールはない。常に品質を磨き続けている」という――。

それまでもモナカの皮のパリパリ感は追求されてきましたが、この改良でパリパリ感が大きくアップしました。またアイスの中に入れている板チョコを増量し、しっかりしたかみごたえにしました。こうして、最初にモナカの皮のパリッとした食感があり、その後に柔らかなバニラアイスが来て、最後に厚い板チョコをかみ砕くという、現在の「チョコモナカジャンボ」が誕生しました。

後述するが、実はこの「ジャンボ」と「モナカ」がセットで思い浮かぶことが同ブランドの強さの源泉でもある。

実はこまめにバージョンアップを加えてきた。80年代後半にはモナカのパリパリ感をアップ。88年にはチョコの塗り方を改良。食感を高めた。「モナカの内側にまんべんなくチョコをスプレーするのは、アイスの湿気を封じ込めるうえでとても大事」(中村氏)。92年にはチョコを30%も増量している。売り場の環境変化に伴い、パッケージを横型に変えたのはこの年。そして、いよいよ95年に今と同じ「チョコモナカジャンボ」を名乗り始める。

バニラとチョコレートという飽きの来ない味わいに絞ったこと、軸足がぶれて見えない範囲内でのラインエクステンション、そして大容量化に踏み切り、「ジャンボ」を名前につけたこと。

最大の変更ポイントはセンターのチョコレートを板タイプに変えたところ。「パリパリ感がぐっと高まった」(中村氏)。モナカの山も1.5倍の18山に増やし、「ジャンボ」の名前にふさわしい形に。95年は実質的な「ジャンボ元年」にあたる。この大がかりな見直しが成功して、「チョコモナカジャンボ」は今に至る成長軌道を描き始めた。

チョコモナカジャンボは1972年の発売から50年以上も続くロングセラーブランド。

そんな“アイス王ジャンボ”が2023年、大幅にリニューアルされ、今年2月にさらに改良されたという。さっそく神奈川・鶴見にある同社研究所に行くと、あの手この手の試行錯誤がそこにはあった。

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