
トランプ政権誕生という暗号資産市場に吹いた劇的な追い風を受け、業績をV字回復させたコインベース(Coinbase)。果たしてこの勢いは本物なのでしょうか?今回はコインベース(Coinbase)の2020年(FY20)から2024年(FY24)までの通期ベースの決算と2025年(FY25) 1Qの決算データを分析し、2025年7月31日に発表予定の2025年(FY25)2Qの業績予想とともに、その未来を展望してみましょう。
(1)コインベース(Coinbase)直近の業績と2025年2Qの業績予想
コインベース(Coinbase)がすでに発表している四半期ベースの損益計算書で、2023年(FY23)3Qから2025年(FY25)1Qまでの決算の結果を確認した上で、2025年2Qの業績を予想してみます。


(※1) 成長率は前年同期損益がマイナス場合、数学的に計算できないので「―」を入れています
コインベース(Coinbase)の業績は、暗号資産市場の相場動向と極めて強く連動しています。そのトレンドは非常にボラティリティ(変動性)が高いのが特徴です。
2023年(FY23)から2024年(FY24)にかけて、暗号資産市場の「冬の時代」は、コインベース(Coinbase)の業績も厳しい内容が続きましたが、ビットコイン現物ETFの承認などを追い風に、暗号資産市場が回復すると、コインベース(Coinbase)の業績も劇的に改善、2025年(FY25)1Qだけで、売上高は2,034百万ドル超、営業利益・純利益ともに大幅な黒字を確保しています。暗号資産市場の回復が、いかにコインベース(Coinbase)の収益に直接的な影響を与えているかを明確に示しています。
2025年(FY25)2Qの業績予想は、この1Qの力強い黒字転換のトレンドを、そのまま持続するかどうかが最大の焦点となります。そこで私は、過去のトレンドや現在の市場動向、経営環境をもとにデータを分析し、数値を算出してみました。
まず、2025年(FY25)2Qのコインベース(Coinbase)売上高は、1,800百億ドル程度と予想しています。爆発的に上昇した1Qからは若干落ち着くものの、引き続き非常に高水準を維持すると見ています。これは暗号資産市場への新たな資金流入が続いており、取引手数料というコインベース(Coinbase)の主要な収益源が、堅調に推移することを示唆しています。暗号資産市場全体のコンセンサス予想も、同様に黒字継続を見込んでいます。なお、私の分析においては、市場の価格変動に左右されにくい「暗号資産預かりサービス(ステーキング)」、「暗号資産用貸金庫(カストディ)」といった「サブスクリプション&サービス収益」の成長を特に重視しています。これが同社の利益基盤をより強固にするとみています。
ただ、2025年(FY25)2Qの営業利益は550百万ドル、純利益は50百万ドルと、2025年(FY25)1Qと比較すると売上高の減少以上に利益額は落ち込むと予想しています。これは暗号資産市場の回復により競合他社との顧客獲得競争が激化し、マーケティング費用などが増加するためです。
コインベース(Coinbase)にとって最大のリスクは、米国証券取引委員会(SEC)との間で進行中の訴訟をはじめとする暗号資産市場に対する規制の動向です。規制強化の方向に動けば、事業モデルの根本的な変更を迫られる可能性があります。また、依然として収益の大部分を暗号資産の取引手数料に依存している構造のため、暗号資産市場の冷え込みが、コインベース(Coinbase)の業績を直接的に悪化させるという脆弱性を抱えています。
(2)通期ベースでコインベース(Coinbase)の成長と収益性を確認
損益計算書は「会社の年間成績表」です。コインベース(Coinbase)の「成績」は暗号資産市場の熱狂と冬の時代を直接的に映し出しています。同社のビジネスがいかに暗号資産市場の環境と連動しているかを示しています。


(※1)成長率は前期損益がマイナス場合、数学的に計算できないので「―」を入れています
(※2)EPS=一株当たり利益 (※3)PER=株価収益率 (※4)PBR=株価純資産倍率
1)売上高の動向
コインベース(Coinbase)の売上高は2021年(FY21)の7,839百万ドルから2022年(FY22)の3,194百万ドルへと急落しました。FY2023は3,108百万ドルで停滞したものの、FY2024には6,564百万ドルへと大幅に回復しました。


2)営業利益の動向

2021年(FY21)は3,077百万ドルでしたが、2022年(FY22)はマイナス2,710百万ドルに転落し、 2023年(FY23)も引き続きマイナス162百万ドルの赤字となりました。しかし、その後 2024年(FY24)には再び2,307百万ドルの黒字化に成功。コスト構造の見直しと取引量の増加が利益改善を後押ししました。
3)当期利益の動向

コインベース(Coinbase)の純損益は2021年(FY21)が3,624百万ドルでした。 2022年(FY22)には負の税効果や一過性損失でマイナス2,625百万ドルと大幅な赤字を計上した後、2023年(FY23)に95百万ドル、そして、2024年(FY24)には、実業というよりも、税制メリットや徹底したコスト管理の効果から、2,579百万ドルを超える大幅な利益を計上しています。
コインベース(Coinbase)が2024年(FY24)記録した約2,614%というあり得ないような成長率は、まさに「ハイリスク・ハイリターン」という暗号資産ビジネスの特徴を端的に示したデータでしょう。
(3)株主価値指標の動き
ここからはコインベース(Coinbase)の業績を投資家(株式市場)がどのように評価しているかを見ていきます。

1)EPS(希薄化後一株当たり利益)
EPSは会社が稼いだ最終的な利益を株式1株あたりに換算したものです。株主が保有する1株が、どれだけの価値を生み出したかを示す重要な指標です。
コインベース(Coinbase)のEPSは、2022年(FY22)に負の税効果や一過性損失で大幅な赤字を計上したことで、2021年(FY21)の14.26から2022年(FY22)はマイナス11.83へと大幅に下落しましたが、その後、業績の回復にともない、2023年(FY23) の0.37、2024年(FY24)の 9.48とV字で回復しています。

2)PER(株価収益率)
PERは現在の株価がEPSの何倍まで買われているかを示す指標で、市場の「期待度」を表します。コインベース(Coinbase)のPERは2021年(FY21)は17.7倍でしたが、2022年(FY22)は最終損益が赤字になってしまったため、数学上計算ができないため値はつかず、翌年の2023年(FY23)は 466.9倍まで急増、そして2024年(FY24)は26.2倍と急減するなど、EPSの大幅な変化にともない、激しく変動しています。
※PERは最終損益が赤字の場合、数学的に計算ができません。
3)PBR(株価純資産倍率)
そして、PBRは株価が1株あたり純資産(会社の解散価値)の何倍かを示す指標で、ブランド力や技術力といった無形の価値も評価に反映されます。2021年の8.6倍が2022年には 1.5倍となり、2023年6.7倍 、そして2024年には株価が純資産・利益拡大を織り込みつつ、6.1倍と適正化された水準に戻しています。
2025年(FY25)1Qは売上・営業利益ともに前年同期比で減速しましたが、高い営業利益率を維持して、依然として収益性の高い四半期となりました。通期ベースでは2024年(FY24)に大幅回復を果たし、株主価値指標は安定化傾向を示しています。
今後、コインベース(Coinbase)が成長できるかどうかは、市場環境の変動に注意しながら、取引量拡大とコスト最適化の実現がカギを握っています。
(4)貸借対照表で財務の「安定性」をチェック
続いてコインベース(Coinbase)の貸借対照表のデータを分析してみます。貸借対照表は会社の財産(資産)、借金(負債)、そして純資産のバランスを示します。同社はどのような特徴を持っているのでしょうか。


1)資産の動向
流動資産が2022年(FY22)に大幅増加したのは、2022年に適用開始となった米国証券取引委員会(SEC)のスタッフ会計公報SAB121により、顧客から預かっている暗号資産を貸借対照表に資産として計上することが求められたことが主な要因です。ちなみに、これにより同額の負債も計上されています。
2023年(FY23)の急減は、SAB121に代わって新しく適用され、(2023年の数値にも遡及適用された)SAB122に基づき、これらの顧客預かり暗号資産を貸借対照表から原則として除外した(オフバランス化した)ことによるものです。
これにより2023年(FY23)と2024年(FY24)の流動資産は、この会計方針変更の影響が剥落した後の水準を示すこととなり、2024年(FY24)には18,113百万ドルと、SAB121適用前のFY2021の水準に近い値に戻っています。
これらの会計方針変更の影響を除いた期間における流動資産の変動は、暗号資産の時価評価や取引残高の増減、キャッシュ管理方針などが影響していると考えられます。なお、固定資産は毎年着実に増加しました。これはインフラ整備やシステム投資を継続していることを示しています。
2025年(FY25)1Qの流動資産は17,454百万ドルでした。前年よりもわずかに減少し、SAB122適用後の水準で堅調に推移しています。また、固定資産も4,277百万ドルとわずかに減少していますが、こちらは四半期ごとの減価償却や資産組替の影響と考えられます。
2)負債の動向
流動負債が2022年(FY22)に80,815百万ドルと急増したのは、主にSAB121の適用により、顧客預かり暗号資産に対応する同額の負債を計上したためです。そして、2023年(FY23)に5,485百万ドルまで大幅減少したのは、SAB122の適用に伴い、これらの負債の認識を中止したことが主因です。
その後、2024年(FY24)には7,941百万ドルとなり、会計方針変更の影響を除いた水準で変動しています。SAB121/122の影響以外の短期負債の変動は、取引所運営にともなう通常の顧客預かり金(法定通貨等)やデリバティブ関連の短期ポジションの増減が反映されたものと推察されます。なお、固定負債は多少の増減を繰り返しながら、4,000百万ドル前後 で推移しています。
2025年(FY25)1Qの流動負債は6,933百万ドルでした。1,008百万ドル減少したのは運転資金の一部がキャッシュ化されたと考えられます。固定負債は4,329百万ドルとほぼ横ばいで、長期借入や社債の大きな動きは見られません。
3)純資産の動向
純資産は2022年(FY22)に一時減少しましたが、2023年(FY23)には回復し、2024年(FY24)には大幅な積み増しとなりました。2024年(FY24)の増加は利益剰余金の蓄積や新規株式発行による資本増強が要因と考えられます。
2025年(FY25)1Qは10,468百万ドルとなり、191百万ドルの増加でした。四半期ベースで利益剰余金が蓄積されたことが主因です。コインベース(Coinbase)では自己資本の充実が続いています。
4)流動比率の動向
流動比率(流動資産÷流動負債)は2022年(FY22)には、ギリギリ100%を超えていたものが、2023年(FY23)以降は200%超の高水準に改善しました。短期支払能力の大幅な強化がうかがえます。2025年(FY25)1Qの流動比率は、2024年(FY24)の228.08%から251.74%とさらに上昇しています。今、コインベース(Coinbase)は短期的な債務返済余力は盤石な状態を維持しています。
5)自己資本比率の動向
自己資本比率は2022年(FY22)に一時6%台まで低下した後、2023年(FY23)以降40%台へと改善しました。2022年(FY22)の落ち込みは、流動資産急増にともなう一時的な分母膨張の影響と推測されます。
2025年(FY25)1Qの自己資本比率は2024年(FY24)の45.59%から48.17%に上昇。資本の充実が続く一方、資産規模の増加を利益剰余金でしっかり支えられていることがわかります。
(5)キャッシュフロー計算書で「事業の健全性」を確認
最後にコインベース(Coinbase)のキャッシュフロー計算書をチェックしましょう。営業キャッシュフロー(営業CF)は「本業の稼ぎ」を示します。家計で言えば「給料」です。投資キャッシュフローは(投資CF)は「将来のための支出」で自己投資や資産運用です。財務キャッシュフロー(財務CF)は 「資金のやりくり」になります。借金をしたり返済をしたり、株主への還元を意味しています。


1)営業キャッシュ・フロー(営業CF)の動向
営業CFは2021年(FY21)の4,038百万ドルという高水準から、2022年(FY22)は暗号資産市場の市況悪化でマイナス1,585百万ドルに転落。その後、暗号資産市場の回復に伴い2023年(FY23)、2024年(FY24)とプラス転じて拡大してきました。
2025年(FY25)1Qはマイナス183百万ドルとなりました。年度末に向けたプロモーションや運転資本の増加が響き、一時的にキャッシュが減少しています。
2)投資キャッシュ・フロー(投資CF)の動向
コインベース(Coinbese)の投資CFは、2021年(FY21)にマイナス1,125百万ドル、2022年(FY22)にマイナス664百万ドルと、プラットフォーム拡張やインフラ投資で大きな支出となりました。2023年(FY23)は5百万ドルでトントンでしたが、2024年(FY24)はマイナス282百万ドルと若干の投資にとどまっています。2025年(FY25)1Qの投資CFはマイナス232百万ドルです。年度初めに開発プロジェクトやインフラメンテナンスが重なった模様です。
3)財務キャッシュ・フロー(財務CF)の動向
コインベース(Coinbase)の財務CFは、2021年(FY21)のIPO・資金調達を経て、2022年(FY22)、2023年(FY23)は借入返済や株主還元で逆に資金が流出。そして2024年(FY24)は増資や借入で2,829百万ドルと再びプラス化しました。2025年(FY25)1Qは894百万ドルで自己株買い・借入返済などに充当しており、今年度は財務調整を慎重に進めるフェーズに入っているようです。
コインベースは2021年(FY21)の巨額調達以降、事業環境に応じて「稼ぐ」「投じる」「調達と還元」のバランスを柔軟にシフトさせてきました。2025年(FY25)1Qでは営業CFが一時マイナスとなる一方で、投資CFと財務CFを通じた戦略的資金運用が継続しています。今後もキャッシュフローの動きから、コインベース(Coinbase)の成長と財務健全性が両立しているのかを見極めましょう。
(6)コインベース(Coinbase)の2025年(FY25)2Q業績予想
2021年から2024年にかけて暗号資産市場は大きく変動しました。この期間のコインベース(Coinbase)の財務データを分析した結果、同社の事業が暗号資産市場の相場動向に極めて強く連動するボラティリティの高いものであることがわかりました。
その上でコインベース(Coinbase)の2025年(FY25)2Qの業績予想は、1Qの熱狂からは少し落ち着くものの、引き続き黒字を確保する力強い内容となっています。これは多くの投資家が「暗号資産の冬の時代」の終わりと、「新たな成長サイクルの始まり」を期待していることの表れです。
コインベース(Coinbase)を評価する際、暗号資産の価格や取引量といった単純な市場の成長性の視点だけで分析しても本質を見誤ります。同社の収益性(市場が冷え込んでも利益を出せるか)、財務の安定性(巨額の赤字に耐えた自己資本)、そしてキャッシュフロー(安定収益であるサービス事業の貢献)といった複数の側面から多角的に評価することが、コインベース(Coinbase)の経営リスクと将来性を理解する上で不可欠です。2025年(FY25)2Qの決算は、そうした視点から同社を分析してみてください。
(本文ここまで)
岩田仙吉(いわたせんきち)氏株式会社タートルズ代表/テクニカルアナリスト
2004年、東京工業大学から一橋大学へ編入学。専門は数理経済学。卒業後、FX会社のシステムトレードプロジェクトのリーダーになり、プラットフォーム開発および自動売買プログラムの開発に従事。その後、金融系ベンチャーの立ち上げに参画。より多くの人に金融のことを知ってほしいと思い金融教育コンテンツの制作に集中するために会社を創業。現在は、ハイリスク・ハイリターンの投資手法ではなく、初心者でも長く続けられるリスクを抑えた投資手法を研究中。
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図表でわかる財務分析 コインベース Coinbase
さらに、Coinbaseはブラックロックのビットコイン現物ETF「iShares Bitcoin Trust」のカストディアンとしても選ばれています。このETFの申請は2023年6月に行われ、カストディサービスにはCoinbase Custodyが利用されています。
また、Coinbase Earnを通じた暗号資産やWeb3の啓蒙コンテンツは、初心者が暗号資産について学ぶ機会を提供しており、ユーザー基盤の拡大に寄与しています。そして、企業向けサービスとしてAPIやホワイトレーベルソリューションを提供し、新たな収益機会を生み出しています。
CoinGeckoによれば、USDCの時価総額は(2024年11現在)暗号資産ステーブルコインの時価総額ランキングのうち、USDTに次ぐ2位になり、5.7兆円ほどの時価総額にまで上りました。
イーサリアム(ETH)やソラナ(SOL)などの主要な暗号資産だけでなく、Bittensor、Cosmos、Hereraなど多くのPoS(Proof of Stake)の暗号資産に対応しています。
Coinbaseの業績予想および中期計画に基づくと、暗号資産市場の成長や新規顧客の獲得、技術開発による収益の多様化が期待される。特に、USDCの保有により安定した収益を確保できる点や、戦略的な買収による事業ポートフォリオの強化がポジティブな要因として挙げられる。これらの要因を踏まえると、Coinbaseは今後も成長が期待できる企業であり、投資対象として魅力的であると評価できる。
現在、Coinbase Oneは米国、英国、カナダ、ドイツ、アイルランドなど30カ国以上で利用可能です。日本での提供はまだ開始されていません。
実際に、CoinbaseのLayse 2(L2)ソリューションであるBaseチェーンは、2023年6月のサービス開始以来飛躍的な成長を遂げており、TVL(Total Value Locked)という、Baseチェーンに預けられている暗号資産の全体額は(2024年11月現在)約5,000億円相当にまで上ります。
Coinbase Custodyは、機関投資家向けに暗号資産の安全な保管サービスを提供する事業です。信頼性の高いカストディサービスを提供することで、大規模投資家を取り込み、同社の収益源の多様化を実現しています。
【ニューヨーク=斉藤雄太】トランプ米政権は7日、ホワイトハウスで暗号資産(仮想通貨)の振興策を話し合う「仮想通貨サミット」を開いた。トランプ大統領は米政府が仮想通貨の備蓄に踏み出したことも受けて「今後、米国は『ビットコインは決して売るな』というルールに従うことになる」と語った。業界支援の姿勢を強調した。
PERは現在の株価がEPSの何倍まで買われているかを示す指標で、市場の「期待度」を表します。コインベース(Coinbase)のPERは2021年(FY21)は17.7倍でしたが、2022年(FY22)は最終損益が赤字になってしまったため、数学上計算ができないため値はつかず、翌年の2023年(FY23)は 466.9倍まで急増、そして2024年(FY24)は26.2倍と急減するなど、EPSの大幅な変化にともない、激しく変動しています。
第一に、USDCの発行額と同額の準備金(米ドル)から生じる運用収益です。この準備金は、米国債などの高格付けの安全性の高い資産で運用されています。第二に、USDCの発行・償還に伴う手数料収入です。また、近年ではDeFiエコシステムとの統合が進み、分散型取引所(DEX)やレンディングプロトコルでの利用など、ステーブルコインの用途が拡大しています。
ステーブルコイン事業は、CoinbaseとCircleが共同で発行するUSDC(USD Coin)を中心とした事業です。USDCは法定通貨担保型の暗号資産で、米ドルと1:1で連動する暗号資産であり、グローバルな暗号資産の取引や国際送金、支払い等にも広く利用されています。
Coinbaseは、Layer 2(L2)ソリューションである「Base」を立ち上げ、スケーラビリティとトランザクションコストの削減を目的とした独自のブロックチェーンを展開しています。
主に、イーサリアム(ETH)やソラナ(SOL)などのPoS(Proof of Stake)のステーキング対応資産を対象としており、ステーキング収益のうちの一部の手数料をCoinbaseが徴収する仕組みとなっています。
特に、保管資産額(AUC:Assets Under Custody)の増加が収益拡大に直結します。この分野では、セキュリティの強化と規制対応が重要であり、Coinbaseは最先端の技術を用いて安全性を確保しています。


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