
メキシコペソや豪ドルなど投資家にとって魅力的な通貨の最新状況について、これまでの動向や注目ポイントについて解説します。
作成日時 :2025年8月1日15時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 神田卓也
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執筆:外為どっとコム総合研究所 神田 卓也
メキシコペソ/円(4時間足)

※レポート内の為替レート・チャートは外為どっとコム「外貨ネクストネオ」を参照
先週のメキシコペソ/円は1年ぶり高値更新も上昇一服
米国と欧州連合(EU)が前週末に関税交渉で合意したことを受け、28日に7.988円前後まで上昇しましたが、リスクオンの流れは続かずペソ買いも失速。翌29日には7.885円前後まで弱含む場面もありました。しかし、30日は米連邦公開市場委員会(FOMC)後にドル/円が上昇した動きにつれて小反発。さらに、31日には日銀が政策金利を0.50%に据え置き、追加利上げに慎重な姿勢を示したことから円売りが活発化すると、28日高値を上抜けて一気に8.023円前後まで上伸しました。ただ、約1年ぶりの8.0円台とあって利益確定売りが出ると7.9円台に押し戻されてクローズ。1日の東京市場でも7.9円台で推移しています。
今週のメキシコペソ/円の注目ポイントはメキシコ中銀
メキシコ中銀は今週7日に政策金利を発表します。25bp(0.25%ポイント)の追加利下げが見込まれていますが、利下げ幅は前回までの50bpから縮小する見通しです。予想通りなら政策金利は3年ぶりに7.75%へ引き下げられることになります。なお、今年12月時点の政策金利の水準を巡る市場の予想は7.25%から7.50%に集まっています。そうした中で今回の中銀会合の焦点は、声明などから利下げに打ち止め感が出るかどうかでしょう。具体的には、中銀のインフレ警戒の姿勢が強まっていないか、利下げへの反対票が前回の1票から増えていないか、「今後、政策金利のさらなる調整を検討する」としているフォワードガイダンスに変更はないか、などが注目すべきポイントです。
今週のメキシコペソ/円の見通し
予想レンジ
7.825~8.125円
基調
方向感模索
今週の注目ポイント
☆8/7 メキシコ中銀政策金利
・主要国株価、国際商品価格
メキシコペソ/円(MXN/JPY) FX為替レート・チャート
株式会社外為どっとコム総合研究所 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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メキシコペソ 円 見通し
・円安が更に拡大した場合、再度財務省から円買い介入が入る可能性があります、しかしメキシコペソ円に対する影響は限られるでしょう。
高金利環境の継続はメキシコペソにとってプラス材料と捉えられますが、同時にこれまでの利下げが景気減速懸念の広がっていたメキシコ経済を下支えしてきた面もあるため、中銀の利下げが停止した際にはメキシコの景気鈍化がさらに進むかについても注目しておく必要があるでしょう。今回の金融政策決定会合に関しては結果だけでなく、声明文から中銀の経済・インフレ見通しについてもしっかりと確認しておきたいところです。
その後は年末に向けて再び本邦需給筋の円売りニーズ、自民党の総裁選や米大統領選に対する思惑もあって、日本の長期金利が上昇基調を強めるも、米国の大統領選挙では、接戦が伝えられていたトランプ氏が大差をつけて勝利。米上下院も共和党が、過半数を上回ったことで、「トリプル・レッド」が実現したことが、メキシコペソ相場の上値を押さえています。現にトランプ氏は大統領就任後初日に、メキシコとカナダからの全輸入品に25%の追加関税を課すと宣言しています。両国からの違法薬物や移民の流入がなくなるまで同関税を維持するとしています。メキシコペソ円は、戻り高値を7.791円で限定して、現状(12月13日現在)は、調整気味の展開となっています。
ドル・メキシコペソは、25.7895の高値示現後は、16.2613まで下落も、この位置は9.8560からサポートの位置で支えられて、下段のスロー・ストキャスティクスも売られ過ぎから反転、上昇気味の展開となっています。
従って、ドル・メキシコペソの2025年の想定レンジを17.5000から21.5000とします。
メキシコペソ円の中期的戦略としては、一旦上値がついている可能性があり、戻り売りとなりますが、突っ込み売りは避けなければなりません。特に現状はトランプ関税の思惑で売り込まれているだけに、年初この話がなし崩しとなる可能性もありそうです。その場合一定の反発も期待値ですが、慎重に8円台があれば売り上がる戦略を検討しましょう。ストップは9.463円越えとなることで、9円方向まで売り上がる余裕を持って対応しましょう。下値は7.000前後が維持されると利食い優先。あくまで7.000を割れて、6.597、6.021-6.438がターゲットとなりますが、この位置はしっかり利食いましょう。またこの位置からは買い場探しです。できればストップは5.387や5.135割れてとなることで、慎重に余裕を持って対応しましょう。こういった買いの利食いは、逆レジスタンスとして、それまでの戻り高値が押さえると利食いが良いでしょう。


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