万博の影響 花火大会の延期相次ぐ

大阪・関西万博の開催に伴う警備員不足や警備費の高騰などを理由に、兵庫県内では花火大会の開催時期を延期する動きが相次いでいます。ことし４月に開幕した大阪・関西万博は１０月１３日までの半年間にわたって開催され、期間中は警察などに加えて多くの民間の警備員も会場やその周辺で警戒にあたっています。万博の開催に伴う警備員不足や警備費の高騰などを理由に、兵庫県内では、例年、夏に開かれている花火大会を万博が終了した後に延期する動きが相次いでいます。このうち淡路島の洲本市で毎年８月に行われている「淡路島まつり」について、市などでつくる実行委員会は、３日間の日程のうち市民らが踊りを披露する「おどり大会」を８月１日と２日に実施する一方、例年、最終日に開催される「花火大会」については万博が終了したあとの１１月９日に延期することを決めました。実行委員会によりますと、「花火大会」にはおよそ１８０人の警備員が必要ですが、市が警備会社に確認したところ、万博の期間中に開催した場合は遠方から警備員を確保する必要などがあり、警備費は去年（２０２４年）の１.６倍ほどのおよそ２２００万円に膨らむ可能性があると説明を受けたということです。また、加東市も例年８月に開催している花火大会について、来年３月に延期することを決めました。主催する加東市によりますと、花火大会は東条湖を会場に行われ毎年１万人以上が訪れていて、必要なおよそ１５０人の警備員の確保について警備会社に相談したところ、担当者から「特に夏の時期は万博の影響などで人員の確保が難しい」と言われたということです。さらに花火大会では会場と市内の駅などを結ぶ無料の送迎バスを手配していましたが、ことしは、万博の影響によりバスの確保が難しかったことも延期を決めた理由だとしています。加東市商工観光課の山本舞 主事は、「来場者に安全な環境で、花火大会を楽しんでもらうため開催を延期することにしました。例年とは違う季節の花火も楽しみにしてもらえたらうれしいです」と話しています。【混雑見据え延期の自治体も】 近隣の花火大会の中止や延期が相次ぐ中で開催した場合、人出が集中して安全な運営が困難になるおそれがあるとして延期を決めた自治体もあります。伊丹市では、毎年８月の第４土曜日に「いたみ花火大会」を開催してきました。しかし、今年度は例年同じ８月に大阪市で行われている「淀川花火大会」など近隣の花火大会が万博の期間中の開催を避ける動きが相次いでいて、市では、このまま夏に開催すれば来場者が集中し、去年のおよそ７万人を大きく上回る人出が予想されるとしています。このため、会場や近くの駅周辺は例年以上に混雑することが見込まれ、例年の警備態勢では来場者の安全の確保が難しいなどとして、万博の終了後の１０月１８日に延期することを決めました。伊丹市空港・にぎわい課の清水知大 主査は「昨年の７万人の来場者が８万、９万、１０万と増えれば警備の手配も難しくなる。警備を手配できたとしても、駅に人が集中することを考えると来場者に安全に帰ってもらうのは難しく、“安全・安心”の花火大会の運営は困難であると判断し、秋への延期を決めました」と話しています。

石毛氏は、準備が遅れている理由について、ドバイ万博の影響を挙げた。