
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、主要な経済指標や要人発言の予定がないことで、本日のNYカットオプション1.1650ドル周辺での値動きが見込まれる中、週末の米露首脳会談に向けた関連ヘッドラインに警戒していくことになる。
トランプ米大統領は、15日にアラスカでプーチン露大統領と会談し、ロシアによるウクライナ侵攻の終結を目指す、と述べた。そして、当事者であるゼレンスキー・ウクライナ大統領が参加して三者会談になることもオープンだと述べている。
関係者によれば、米露協議は、軍事侵攻中にロシアが占拠した地域の支配を既成事実化する取引を軸に進められている、と報じられている。
ゼレンスキー・ウクライナ大統領は、戦争を終結させるために領土を譲渡することはないと表明し、欧州各国の首脳は、「国境は武力によって変更されるべきではない」として、ウクライナの主権を引き続き支持する姿勢を示している。
トランプ米大統領は、ウクライナ戦争の早期終結を公約に掲げながらも、これまでの努力は幾度となく頓挫してきており、今回の首脳会談が不発に終われば、外交面でのマイナス評価を伴うことになる。
トランプ米政権とロシアの間には、ロシア制裁やロシア産エネルギー輸入国(インド、中国)への2次関税措置などの問題がある。
また、欧州連合(EU)とは15%の相互関税を締結したばかりであり、ウクライナを巡って外交面での対立は避けたいと思われる。
EUによる代替案は、「ウクライナ軍が一部の地域から撤退する場合、ロシア軍も他の地域から撤退しなければならない」「ウクライナのNATO=北大西洋条約機構への加盟の可能性」など、ウクライナの「安全の保証」の確約が盛り込まれているとのことで、米露協議の難航が予想されている。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.1789ドル(7/24高値)
・ユーロ円:172.39円(8/1高値)
・ポンドドル:1.3591ドル(6/17高値)
・ポンド円:199.52円(7/31高値)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.1546ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:171.06円(日足一目均衡表・転換線)
・ポンドドル:1.3301ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ポンド円:197.28円(日足一目均衡表・転換線)
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ


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