
「ドル/円」を中心に前日の振り返りと当日の見通しをギュッとまとめて動画配信しました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 為替アナリスト 中村 勉
X(Twitter):@gaitamesk_naka
最新のマーケット情報まとめ
<ドル円相場に影響を与えた材料>
米財務長官 相互関税について言及
米大統領 90日の米中関税休止延長にサイン
<ドル円は…>
147.35円前後から反発 1週間ぶりに148円台乗せ
<今日の注目材料>
RBA政策金利
米7月CPI
『最新のドル/円相場を解説』
経済指標・イベントの結果について
主要な経済指標・重要イベントの結果について、最新情報は外為どっとコムサイトの「経済指標カレンダー」で確認できます。
お知らせ:FX初心者向けに12時からライブ解説を配信
外為どっとコム総合研究所に所属する外国為替市場の研究員が、FX初心者向けに平日毎日12時ごろからライブ配信を行っています。前日の振り返り、今日の相場ポイントなどをわかりやすく解説しています。YouTubeの「外為どっとコム公式FX初心者ch」でご覧いただけます。
外為どっとコム総合研究所 情報企画部 為替アナリスト
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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今日のFX予想米7月CPIは上振れに注意 2025 8
レジスタンス: 152.40-152.65円にレジスタンスが確認され、さらに154.00円と155.85円にレベルがあります。152.50円を超える終値は、回復の可能性を示唆する可能性があります。
予測レンジ: 中立シナリオでは、ドル円は大きなトレンド変化を起こさず緩やかな変動に留まるでしょう。ファンダメンタルズの金利差縮小傾向からやや円高方向には進むものの、そのペースは緩慢です。1ヶ月後は現在水準と大差ない149~152円程度で推移し、3ヶ月後には若干の円高が進んで147~150円程度になると予想されます。6ヶ月後には徐々に高値・安値とも切り下がり、145~150円程度のレンジで落ち着く可能性が高いです。このシナリオでは大局的なレンジ相場(おおむね145~155円の範囲)が維持され、マーケットは次の材料待ちの状態が続くでしょう。実際、RBCキャピタルマーケッツなど多くの金融機関も、2025年半ばにかけてドル円はゆるやかな円高基調と見る予測を立てています(例:RBC予測=2025年1Q末151円、年末146円 ())。このように中立シナリオは市場のメインシナリオに近く、最も確率が高いと考えられます。
日本経済指標も金融政策正常化を後押ししています。消費者物価指数(CPI)は直近で前年比+3%台後半と2%の物価目標を上回っており ()、賃金も約30年ぶりの高い伸びを示しています(基本給ベースで前年比+2.8%) ()。2024年末の月例賃金はボーナス要因を除いても前年同月比+2.8%となり、約1年以上にわたり2%以上の名目賃金上昇が続いています ()。これは毎年春の春闘で大幅賃上げが実現する期待につながり、日銀が金融緩和を見直す**“賃金インフレの好循環”が生まれつつある証拠です。日銀内でも最もタカ派とされる田村委員は「2025年度後半までに中立金利(少なくとも1%)に近づくよう、追加利上げが必要」との見解を示し、0.75%ではなお実質マイナスで不十分と指摘しています (FX Daily Snapshot - MUFG Research)。市場予想では日銀は2025年7月頃に追加利上げし政策金利1.00%を目指すとの見方が有力で、場合によってはそれより前倒しとなるリスクも指摘されています (FX Daily Snapshot - MUFG Research)。こうした状況下で、日本の10年国債利回りは1.3%台へと数十年ぶりの高水準に上昇しており、国内債券利回り上昇に伴う海外資産からの資金呼び戻し(レパトリ減少)の動きも出始めています (COMMENT-Yen remains underpinned by BOJ policy outlook — TradingView News)。実際、米国と日本の10年金利差は前年末から縮小傾向で(米10年債は4.4%台へ低下) (FX Daily Snapshot - MUFG Research)、この金利差縮小**が足元の円買い(ドル円下落)要因となっています。さらに投機筋の動向を示すCFTC先物ポジションでは、機関投資家が円ロング(買い持ち)へ大きく傾斜する変化も確認されました (COMMENT-Yen remains underpinned by BOJ policy outlook — TradingView News)。以上のように、日本側のファンダメンタルズは円高方向(ドル円下落)に作用しやすい状況です。
結果: 2025年初頭現在、USD/JPYは移行段階にあり、予測は依然として不確実です。米国と日本の経済指標の相互作用が、引き続き為替レートを形成し、長期的な通貨予測の複雑さを浮き彫りにしています。
12日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3日続伸。終値は154.42円と前営業日NY終値(152.49円)と比べて1円93銭程度のドル高水準だった。米労働省が発表した1月米消費者物価指数(CPI)が総合・コア指数ともに予想を上回ったことが分かると、米長期金利の上昇とともに全般ドル買いが先行。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が米下院金融サービス委員会で「今日のデータはインフレ目標は近いが、まだ到達していないことを示している」「関税を理由に政策金利を変更せざるを得なくなる可能性も」と述べたことも相場の支援材料となり、一時154.80円まで値を上げた。
為替市場では地政学リスクや投資家心理もドル円に影響します。現在注目されるリスク要因の一つはウクライナ情勢です。仮にウクライナ紛争が解決に向かうような進展があれば、エネルギー価格安定や欧州経済の不確実性低下を通じてドルの安全資産プレミアムが低下し、結果としてドル安・円高に振れる可能性があります (COMMENT-Yen remains underpinned by BOJ policy outlook — TradingView News)。実際、ウクライナ戦争が長引く間は米ドルが相対的に買われやすかった面があり、紛争解決はその反動として円の魅力を高め得ると指摘されています (COMMENT-Yen remains underpinned by BOJ policy outlook — TradingView News)。一方で、米国新政権(トランプ政権)の通商政策もドル円に影響を及ぼし得る要因です。例えばトランプ政権が関税引き上げや保護主義的政策を進めれば、米国への投資資金流入が増えてドル高要因となる可能性があります (COMMENT-Yen remains underpinned by BOJ policy outlook — TradingView News)。実際、2025年初頭にトランプ大統領はカナダ・メキシコからの輸入品に計画していた関税25%引き上げを見送り、世界的な貿易摩擦激化への懸念を和らげました (FX Daily Snapshot - MUFG Research)。これにより「トランプ政策が米インフレを押し上げるリスク」が後退し、米長期金利が低下(10年債利回り低下は大統領に歓迎される状況)しています (FX Daily Snapshot - MUFG Research)。しかし同時に、大型減税や移民規制強化など他の政策はインフレ要因となり得るため、依然不透明感は残ります (FX Daily Snapshot - MUFG Research)。
日本銀行は長らく続けてきた超低金利政策から正常化への一歩を踏み出しています。2025年1月にはついに短期政策金利を0.25%から0.50%へ引き上げました (BOJ policymaker calls for more rate hikes, warns of inflation risk)。これは2008年以来17年ぶりの高水準で、市場に大きなインパクトを与えました。また、日銀内部でも追加利上げの可能性が議論されています。6月の金融政策決定会合で0.25%の追加利上げが行われる確率は、市場ではおよそ五分五分との見方もあります (COMMENT-Yen remains underpinned by BOJ policy outlook — TradingView News)。実際、日銀審議委員の高田創氏は近日の講演で追加利上げ時期に関する示唆を行う可能性があり注目されています (COMMENT-Yen remains underpinned by BOJ policy outlook — TradingView News)。
ただ、5日に付けた直近高値の1.0442ドルがレジスタンスとして意識されると1.0381ドル付近まで押し戻された。
現在のレベル: 2025年2月20日現在、USD/JPYレートは150.61円付近で取引されており、1月の高値158.35円からの下落を反映しています。これは、過去6週間で円高への顕著なシフトを示しています。
ユーロ圏:当委員会メンバーの予想の中央値では、ユーロ圏のGDP成長率は前年同期比1%を上回り、2025年9月までの1年を通じてその水準にとどまるとみているが、総合・コアの両インフレもECB(欧州中央銀行)の中期目標である2%を根強く上回り続ける可能性が高い。ただし、当面のインフレ上振れリスクについては、委員会メンバーのHICP(ユーロ圏消費者物価指数)上昇率予想において総合・コアともに大きな上方のばらつきが見られた第2四半期に比べると、幾分下方修正されている。
13日00:44 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長 「米政府効率化省(DOGE)とは連絡を取っていない」 「トランプ大統領に求められても辞任しない」 「金融政策のルールには非常に慎重になる」 「米国債の流動性には幾分か懸念を抱いている」 「バランスシートの縮小にはまだまだ時間がかかるだろう」 「経済は非常に強いが見通しは不透明」 「今日のデータはインフレ目標は近いが、まだ到達していないことを示している」 「関税を理由に政策金利を変更せざるを得なくなる可能性も」 「インフレのさらなる進展を確認したい」 「昨年はコアインフレの進展があまり見られなかった」
予測: USD/JPYは引き続き圧力を受け、BoJがタカ派的な政策スタンスを維持するにつれて、緩やかな下落が予想されます。2025年半ばまでに148-150円に近づく可能性があり、これは金利差の縮小と持続的な円高を反映しています。
187円付近での底堅さを確認した後の赤三兵の出現で、前日高値192.68円を超えるようならば、雲下限に向けて上値を伸ばす可能性がある。ただし、本日191.44円に低下した基準線を割れる場合は転換線に向けた一段安に注意したい。
予測レンジ: 悲観シナリオでは急激な円高・ドル安が進行する可能性があります。1ヶ月後にはサポートと見られた150円を大きく割り込み、145~148円程度まで円高が進む局面を想定します。3ヶ月後にはさらなる円高が進行し、140~145円台に突入するシナリオです。6ヶ月後には場合によっては130円台後半~140円前後までの円高も視野に入ります。特にリスクオフの円買いが重なる場合、テクニカルな投げ売りも誘発し下落スピードが速まる可能性があります。購買力平価(PPP)など長期的な指標で見ると現在のドル円はなお割高とされており ()、ファンダメンタルズ主導で円高が進む場合は適正水準への修正圧力も働き得ます。もっとも130円台への突入は極端なケースであり、実現には相応のショックが必要でしょう。しかし悲観シナリオでは、円高要因が重なった際には想定以上のスピードで円高が進むリスクがある点に注意が必要です。
RSI(相対力指数)を見ると、2月上旬の円高進行局面でRSIは急低下し売られ過ぎ水準に接近しました (Chart of the Day - USDJPY (07.02.2025) | XTB)。足元では50前後まで戻しており、行き過ぎた売りは一服した格好です。RSIに強気のダイバージェンス(価格下落に対し下げ渋りの兆候)も見られ始めており、テクニカル的には150円付近で下げ止まり反発を試す可能性も示唆されています (Chart of the Day - USDJPY (07.02.2025) | XTB)。もっとも、現時点では明確な上昇シグナル(例えばRSIが再び50超で推移、MACDゴールデンクロスなど)は出ておらず、モメンタム不足の持合い局面が続いています (COMMENT-Yen remains underpinned by BOJ policy outlook — TradingView News)。総じて、テクニカル分析からは150円付近に強めのサポート、152円台に抵抗が集約されレンジ圏にあること、しかし次のトレンドへ向けたエネルギーが蓄積中であることが読み取れます。



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