随契の備蓄米 販売延長を容認へ
ことし5月から始まった随意契約による備蓄米の販売期限が8月末に迫るなか、大手小売店の中には、期限までに売り切れず、期限の延長を求めるところも出ています。農林水産省は、延長された場合、本格的に出回る新米の価格に影響が出るとの見方があることから、今後の対応について慎重に検討を進めています。
農水省の15日の発表によると、スーパー店頭で4~10日に販売されたコメ5キロ当たりの平均価格は、前週よりも7円安い3508円。
備蓄米の販売期限延長の理由は何ですか?
政府が、随意契約で小売業者などに直接売り渡した備蓄米について、8月末までとしていた販売期限を延長する方針を固めたことが19日分かった。倉庫からの出庫や精米といった作業で流通に時間を要しており、期限までに売り切れなかった事業者が希望すれば9月以降も販売を認める。近く詳細を発表する。8月10日までに消費者の手に渡った随意契約の備蓄米は放出量の約3割だった。
2025年産の新米が出回る時期と備蓄米の販売が重なれば、価格下落の一因になるとの懸念が生産者などから出ており、随意契約の備蓄米の販売期限を8月末までに設定していた。
コメの生産や流通に詳しい宮城大学の大泉一貫名誉教授は、随意契約による備蓄米の販売が進んでいない状況について「メッシュチェックという品質確認や異物混入の検査に時間がかかっていると言われているが、確かにそうなのだろう。当初、随意契約の備蓄米の人気はすごいものがあったが、その人気が少し落ち着いてきた。安さや人気に乗じて試しに買ってみようという消費者の需要が一巡したのだと思う」と話しています。そのうえで8月末に随意契約の備蓄米が販売の期限を迎えることについて「農林水産省としては随意契約の備蓄米によって新米の価格に影響が及ぶのを避けたいのだろう。ただ安いコメが並ばないと海外産が入ってくるので、備蓄米も8月末で販売を切らないで、売りたい事業者がいれば9月以降も柔軟に売れるような環境を農林水産省は作ってほしいと思う」と指摘しました。
ドン・キホーテ運営会社社長「今後も継続して販売したい」
8月末までに販売が間に合わないとして、随意契約をキャンセルする事業者も出ていた。農林水産省によると、随意契約で放出を公表した備蓄米50万トンのうち、申し込みがあったのは30万トン程度。残り20万トンは放出をやめるとみられる。10日までに全国で販売されたのは約10万7千トンだった。


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