新浪氏辞任 悔しさにじませた社長
鳥井社長は記者会見の冒頭で、「昨夜、弊社代表取締役会長、新浪剛史が辞任いたしました。本件において、皆様にご心配、ご迷惑をおかけすること、心よりおわび申し上げます」と述べ、頭を下げた。
新浪会長の経済同友会の代表監事など社外の役職についての質問があったが、「当社から答える立場にない」と回答した。
今回の記者会見に新浪氏が出席しなかったことについて鳥井社長は「捜査中であることに加え、すでに1日付で辞任しているため」と説明した。新浪氏は「会長職を継続できないのは残念だ」と話しているという。
新浪剛史氏が購入したサプリメントについて警察による捜査を受けたことを鳥井社長が明らかにした。
サントリーHDの新浪剛史会長が辞任することが2日、わかった。
サントリーHDの新浪剛史会長が辞表を提出した。自宅が家宅捜索を受け、違法薬物疑惑に揺れる中での決断だった。これまで日本経済界を牽引してきた「改革派リーダー」の突然の失脚は、企業統治のあり方や経済界の信頼性を問い直す契機ともなる。今後の捜査の行方と、サントリーの会見で示される説明が注目される。
鳥井社長は「新浪氏からは『違法であるとの認識はなかった』と説明を受けている」と話した。
山田副社長がこれまでの経緯を報告した。8月22日昼までに新浪氏から警察の捜査を受けていると連絡があり、弁護士が新浪氏へのヒアリングを実施したという。
しかし家宅捜索では製品そのものは発見されず、警察がその場で行った簡易尿検査も陰性。新浪氏は「適法な製品だと思っていた」「知人女性が一方的に送りつけてきた」と説明したという。捜査関係者は「依然として慎重に捜査を続けている」としており、今後の立件可否が焦点となる。
1959年生まれの新浪氏は、慶應義塾大学を卒業後、三菱商事に入社。ハーバード大学でMBAを取得し、国際的な視野を持った経営者として頭角を現した。
新浪氏は2023年4月から経済同友会代表幹事。政府の経済財政諮問会議の民間議員を長く務めている。
サントリーホールディングス(HD)は2日、新浪剛史会長(66)が1日付で辞任したと発表した。新浪氏が購入したサプリメントが違法の疑いがあるとして福岡県警の捜査を受けたため「一身上の理由により役職を辞任したい」と申し出があった。同社は「捜査の結果を待つまでもなく、会長の要職に堪えないと判断した」と説明した。
新浪氏は1981年に三菱商事に入社し、海外事業や経営企画を担当したのち、2002年にローソン社長に就任。経営再建を託され、プライベートブランドの強化やヘルスケア路線への転換などで流通業界に新風を吹き込み、ローソンを成長軌道に乗せた。
サントリーは会見で「企業としての姿勢」を示す必要がある。新浪氏の去就が最終的にどうなるか、また同社の経営体制がどう再編されるかは、株主や消費者、そして社会全体の関心事となっている。
新浪氏の辞任が及ぼすサントリーの経営の影響について、鳥居社長は「消費者のみなさまからご指摘をうけるだろうし、業績に影響がある可能性はある」との見通しを示した。


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