サントリー新浪氏辞任 政財界激震
政財界でも頭角を現し、23年には経済同友会の代表幹事に就任。少子化対策やスタートアップ育成など幅広い分野で積極的に提言を行うなど発信力に定評があった。
サントリーホールディングス(HD)は、2日午後3時から東京都内で緊急記者会見を開いた。鳥井信宏社長と山田賢治副社長が出席し、新浪剛史会長が購入したサプリメントについて警察から捜査を受けていることを明らかにした。会見の様子を詳報する。
サントリーホールディングス(HD)が新浪剛史会長の辞任を発表したことを受けて、同社の創業地である大阪の財界にも衝撃が走った。同社は開催中の大阪・関西万博の運営などでも大きな役割を果たしている。新浪氏は万博を運営する日本国際博覧会協会の副会長を務めているだけに、万博に水を差しかねないと懸念する声も聞かれた。
2日、サントリーHDの鳥井信宏社長と山田賢治副社長が緊急記者会見に出席し、説明した。同社の会長職はこれまで新浪氏と佐治信忠氏の2人体制だったが、辞任により当面は佐治氏のみになる。新浪氏が務める経済同友会代表幹事など外部団体の要職の去就については記者会見では明らかにしなかった。
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
14年にサントリーHDの社長に就任すると、米ビーム社の買収をてこに飲料・酒類事業などの海外展開を加速させた。
サントリーHDの新浪剛史会長が辞任することが2日、わかった。
新浪氏が辞任する理由について、山田賢治副社長は「捜査は警察でされている。ただ、白だから何もなし、有罪だから辞めていただくという観点では考えていない。サントリーHD代表取締役会長として、疑義が生じること自体、求められる資質を欠くと指摘せざるを得ない」と話した。
新浪氏は1981年、三菱商事に入社。ローソン社長などを経て2014年10月、サントリーHDの社長に就任。創業家以外から初の外部登用となり、話題を集めた。同年には約1兆6千億円を投じて米ウイスキー大手ビーム社を買収。サントリーの24年12月期の売上高は約3兆4千億円に伸長した。経済同友会の代表幹事や経済財政諮問会議の議員を務めるなど、財界人として積極的な言論活動で知られた。
サントリーホールディングス(HD)は2日、新浪剛史会長(66)が1日付で会長を辞任したと発表した。
新浪氏はおよそ10年にわたってサントリーHDの経営に関与し、海外企業の買収も成功させ収益力を高めた。これについて鳥井社長は「大胆で決断力のある経営者で、新浪氏がいなくては実現できなかった」と振り返った。「(これからも)二人三脚でやろうと思ったのに大変残念だ」とも語った。今後の海外事業については鳥井社長がリーダーシップをとって進めるという。
午後3時、サントリーHDの緊急記者会見が始まった。鳥井信宏社長と山田賢治副社長が出席し、新浪剛史会長から辞任の申し出があったことを発表した。
サントリーHDによると8月21日に新浪氏から一報があり、22日に警察の捜査について連絡があった。同日深夜に外部弁護士による新浪氏へのヒアリングを実施した。捜査対象になったサプリメントについて、新浪氏は「違法であるとの認識はなかった」と話しているという。
サントリーホールディングス(HD)は2日、新浪剛史会長の辞任を発表した。違法サプリメントを購入した疑いがあるとして警察の捜査を受けたことが理由だが、新浪氏が起こした〝醜聞〟の影響は、大企業経営者としての幕引きだけにとどまらない。日本経済全体の発展を促す立場の経済団体のトップをはじめ、政府の会議でも要職を務めるなど公職としての肩書を複数持つ新浪氏だけに、政財界に激震が走っている。
同友会の広報担当者は「(今回の件について)何もリアクションはとっていない」と説明したが、新浪氏がサントリーHDの経営から退いたことで、代表幹事の辞任は避けられないとみられる。3日の代表幹事の定例記者会見は予定通り行う方向で、新浪氏本人が何を語るかが注目される。


コメント