
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2025年9月3日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 シニア為替アナリスト 神田卓也
目次
▼2日(火)の為替相場
(1):日銀副総裁 追加利上げに慎重な姿勢
(2):ポンド急落 トリプル安
(3):ユーロ圏HICP 伸び加速
(4):米ISM製造業 市場予想には届かず
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:148円台を中心にもみ合う展開/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
2日(火)の為替相場
期間:2日(火)午前6時10分~3日(水)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):日銀副総裁 追加利上げに慎重な姿勢
日銀の氷見野副総裁は北海道釧路市で講演。経済情勢の改善に応じて追加利上げを判断するとの考えを示しながらも、米国の関税政策による日本経済への影響について「思ったほどには顕在化していない。影響が出るまでに時間がかかっているだけであり影響はこれから及んでくる」とした上で、「影響が思ったより小さくなる可能性も、大きくなる可能性も、両方考えられる。当面は大きくなる可能性の方により注意が必要ではないか」と先行きに慎重な見方を示した。
(2):ポンド急落 トリプル安
欧州市場に入るとポンドが急落。英長期債と英株も売られて始まった。スターマー英首相が前日に発表した経済チームの再編がトリプル安の背景と見られる。首相は1日、リーブス財務相の下で財務次官を務めていたジョーンズ氏を官邸内の統括役として引き入れると発表。市場では、財政健全派のリーブス財務相の立場が弱まりつつあるとの見方が出ていた。
(3):ユーロ圏HICP 伸び加速
ユーロ圏8月消費者物価指数(HICP)・速報値は前年比+2.1%と市場予想通りに7月(+2.0%)から伸びが加速。エネルギーや食料品などを除いたコアHICPは前年比+2.3%と予想(+2.2%)を上回り、7月と同率の伸びだった。
(4):米ISM製造業 市場予想には届かず
米8月ISM製造業景況指数は48.7と前月(48.0)から上昇したものの、市場予想(49.0)には届かなかった。構成指数では仕入価格が依然として高水準ながらも半年ぶりの水準に低下。一方、新規受注は7カ月ぶりの水準に上昇した。雇用は、2020年6月以来の低水準だった前月からわずかな上昇にとどまった。
2日(火)の株・債券・商品市場

ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)

【情報提供:外為どっとコム】
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- ※ 尚、この外為注文情報は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家自身でなさるようお願い致します。
人気通貨ペア 本日の予想レンジ

ドル/円の見通し:148円台を中心にもみ合う展開
昨日のドル/円は終値ベースで約0.8%上昇した。日銀の氷見野副総裁が追加利上げに慎重な姿勢を示したと受け止められ円売りが先行。自民党総裁選が前倒しで実施される可能性が高まったとの見方も円売りを誘い、1カ月ぶりに148.94円前後まで上昇した。その後は米8月ISM製造業景況指数が予想を下回ったことで上げ幅を縮小したが148円台前半で取引を終えた。自民党は総裁選前倒しの是非を来週8日に判断することになるが、同党の最高顧問である麻生氏は本日3日にも前倒しを求める意向を表明すると報じられている。「石破おろし」の動きが本格化する可能性が高まっており、財政拡張の思惑なども生じやすい。円は目先的に買い材料が見当たらず、売られやすい地合いが続きそうだ。一方で、米国では労働市場の下振れリスクが意識されており、ドルの上値も重そうだ。昨日は米8月ISM製造業景況指数の構成指数である雇用指数が予想を下回った。
本日は米7月JOLTS求人件数に注目が集まるが、前月からやや減少すると予想されている。さらに、明日4日の米8月ADP全国雇用者数、明後日5日の米8月非農業部門雇用者数はともに10万人未満の小幅な増加にとどまると予想されている。本日のドル/円は円安とドル安の綱引きで148円台を中心にもみ合う展開が予想される。
注目の経済指標:米JOLTS求人件数

注目のイベント:ECB総裁講演
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
株式会社外為どっとコム総合研究所 シニア為替アナリスト
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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FXでは「この通貨ペアが一番稼げる」と断言することはできません
これからFXを始める人にとって、一番取引しやすいといえる通貨ペアは米ドル/円です。
今回はそうした疑問の答えとして、「そもそも通貨ペアとは何か?」「FX初心者はどの通貨ペアを選ぶのが正解か?」などについて解説していきます。
FX初心者の方は、まずメジャー通貨で、かつストレート通貨を選ぶことをおすすめします。最初は右も左もわからない状態からのスタートなので、リスクが少ない通貨ペアを選び、徐々に取引に慣れていくためです。
FX口座を開設し、いざ取引を始めようと思うと気になるのは、「どの通貨ペアを選べばいいのかわからない」という疑問です。
参考として、FXに慣れていない人にはあまりおすすめできない通貨についても触れておきます。
FXでは通貨ペアを売るときの値段(Bid)と買う時の値段(Ask)に差があります。この差額を「スプレッド」といいます。
FXでは「この通貨ペアが一番稼げる」と断言することはできません。
「日興FX」は当社が提供する外国為替証拠金取引です。外国為替証拠金取引は、取引通貨の価格変動(非対円通貨取引の場合は、当該通貨ペアの基準通貨の円に対する価格変動を含みます)により損失が生じるおそれがあります。スワップポイントは取引する通貨ペアの金利情勢等によって日々変化する為、受け取りもしくは支払いの金額が変動したり、スワップポイントが受け取りから支払いに転じるおそれがあります。外国為替証拠金取引は少額の証拠金で、差し入れた証拠金を上回る額の取引を行うことができるため、証拠金の額を超える大きな損失が生じるおそれがあります。証拠金維持率が、当社の定める水準を下回った場合、お客さまのご意思に関わらず、未決済建玉の全てに対して強制決済を行います(ロスカットルール)。ロスカットルールは、お客さまの損失を一定の範囲に限定できるものではなく、急激な相場変動等により、差し入れた証拠金以上の損失が生じるおそれがあります。外国為替証拠金取引は、金融商品取引法37条の6の規定(クーリング・オフに関する規定)の適用はありません。
それぞれの項目について解説していく前にFXを初めたての段階で、知っておきたいポイントがあります。それは、「取引する通貨ペアを少数に絞る」ことです。
反対に、マイナーな通貨は情報を取得しにくいので、予想外の値動きに翻弄されやすくなる可能性があります。そのため、FX初心者の場合は避けたほうが良いでしょう。
「日興FX」では、事前に当社が定める所要の証拠金を日本円の現金で差し入れていただきます(代用有価証券や外貨での受入はいたしません)。証拠金は、取引額に通貨ペアごとに定められた証拠金率(最低4%)を乗じて算出された金額以上が必要です。証拠金率は市場の状況など取引環境の変化に応じて、当社の判断により変更する場合があります。取引額の証拠金の額に対する比率(レバレッジ)は、最大25倍になります。
「日興FX」には、取引手数料はかかりません。ただし、当社が提示する通貨の価格の売値と買値の間には差額(スプレッド)があります。また、非対円通貨取引においては円貨への換算に伴うスプレッドがあります。スプレッドは、市場の状況によって変化しますので常に一定ではありません。お客さまの約定結果による実質的なスプレッドは当社が広告で表示しているスプレッドと合致しない場合があります。当社が広告で表示しているスプレッドはお取引の際のスプレッドを保証するものではありません。
取引量が多い通貨ペアは、多くの人が注目しているため、チャートの値動きが安定していて取引をする際の特徴をつかみやすいといえます。また、何か突発的な事件が起こったときに、急激に変動するリスクも低いため、最初にFX取引をする際には手を付けやすいペアだといえます。
以上を踏まえ、FX初心者におすすめする通貨ペアは、「米ドル/円」「ユーロ/米ドル」「ユーロ/円」です。是非参考にしてみてください。


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