米景気の後退懸念が強まる!株・為替に調整圧力(今週の米国株・FX見通し)田嶋智太郎氏 2025/9/8 #外為ドキッ

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米景気の後退懸念が強まる!株・為替に調整圧力(今週の米国株・FX見通し)田嶋智太郎氏 2025/9/8 #外為ドキッ
 

このレポートの概要:米国株式市場と外国為替市場の最新動向と分析
金融マーケットで永く情報発信を行っている田嶋智太郎氏が、米国株式市場の最新動向を詳しく解説します。

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当面は米株市場に慎重ムードが拡がりやすい

●当面は米株市場に慎重ムードが拡がりやすい
ちょうど1カ月前の8月4日更新分の本欄で、筆者は「8月以降の雇用統計のデータは一段と厳しい内容となる可能性が高い」と述べた。米景気の後退懸念が今後ジワジワと強まって行くとの見方も以前から披露し続けてきている。それにも拘らず、主要な米株価指数が一段の上値を追い、ドルが底堅く推移し続けることにはずっと違和感しかなかった。
しかし、先週末5日発表された8月の米雇用統計が突きつける“厳しい現実”を目の当たりにして、ようやく市場のムードも変わり始めた模様。発表前まで「年内に米利下げはない」としていた向きでさえ、発表後には従来の予想を撤回したうえで「年2回」などと見方を大きく修正している。もともと9月米利下げを予想する向きは多かったものの、むしろ米株市場は利下げ予想を歓迎し、深刻な景気後退リスクを無視するかのように楽観的な姿勢を取り続けてきた。今後は、さすがに慎重ムードが拡がりやすくもなろう。

アップルのイベントが一つのカギ

前回は「エヌビディアが一つのカギ」とも述べたが、同社株の値動きは先週も振るわない状態が続き、週末5日は前日終値比で2.7%もの値下がりとなった。中国のアリババや米ブロードコムに関わる個別のニュースが株価の上値を押さえる一因でもあったが、いましばらく市場は一段の上値追いに慎重な姿勢を取り続けると見られる。なお、今週は9日に米アップル新製品発表イベントの開催日程が組まれており、その内容に対する市場の評価もS&P500種の値動きに反映されやすいので見逃せない。
今月から来月あたりにかけて、米主要3指数が一定の調整を交えるとの個人的な見方に変わりはない。下値サポートとしては、一つに25日移動平均線の信頼感が強いわけであるが、それだけに同線をひとたびクリアに下抜けると、ひとまずは6200ポイントあたりの節目まで下落する可能性もあると見ておく必要があるとの見方も継続したい。

米利下げに対する市場の見方は一変

ともあれ、8月の米雇用統計の結果が短期金融市場における9月米利下げ確率を完全に織り込ませ、9月を含めて年内3回米利下げの確率をも8割程度まで引き上げたことは厳然たる事実。また、一部からは9月の米利下げは0.5%ポイントとなる可能性までもが指摘されており、まさに市場の見方は「一変」してきている。なにしろ、今回は6月分の非農業部門雇用者数(NFP)の伸びがパンデミック以来で初めての「減少」に改定されたわけであるから、そのマイナスインパクトは相当なものと受け止めねばなるまい。
結果、米雇用統計の発表後にドルは強い売りに押され、ドル/円は一時147円割れの水準まで売り込まれた。NY時間の終わりにかけては147円台半ばあたりまで買い戻されたが、それは週末のポジション調整を目的とする買いが入ったことも一因と見られる。

今週もドル/円は基本戻り売り

週明けの市場では、石破首相辞任の一報を受けてドル/円、クロス円がともに急上昇となっているが、そうした値動きは一時的なものに留まると見る。ドル/円については、やはり200日移動平均線(200日線、現在は147.78円処)が当面の上値の目安ということになろう。先週末のドル/円の安値は31週移動平均線(31週線)にサポートされる格好となり、結局のところ週末終値で同線を久しぶりに上回ったが、かなり下向きの31週線を上抜けたところで「ついに強気転換」と見るのは些か早計。むしろ、今週末に向けて再び同線を下抜けるかどうかを見定めたい。基本的には今週も、一時的に戻りを試す場面があれば戻り売りを仕掛ける算段で臨みたい。

今週もユーロドルは基本押し目買い

先週末にかけてドルはユーロに対しても強く売られ、ユーロ/ドルは一時的にも1.1750ドル処を上回る場面があった。5日に発表されたユーロ圏の第2四半期の実質GDP(確報値)は前年比+1.5%と改定値+1.4%から上方修正。今週11日に予定される欧州中央銀行(ECB)理事会では政策の据え置きが確実視されており、当面は底堅い推移が続くと見られる。再び21日移動平均線(21日線)付近まで下押す場面があれば、押し目買いが有効と見られる。 

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yoshizaki.jpg田嶋智太郎氏
経済アナリスト 慶應義塾大学を卒業後、現三菱UFJモルガン・スタンレー証券を経て、経済アナリストに転身。現場体験と綿密な取材活動をもとに、金融・経済全般から戦略的な企業経営、個人の資産掲載まで幅広い範囲を分析・研究。 WEBサイトで経済・経営のコラム執筆を担当し、株式・外為・商品などの投資ストラテジストとしても高い評価を得ている。 また、「上昇する米国経済に乗って儲ける法」など書籍も手掛けるほか、日経CNBCレギュラーコメンテーターも務める。

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米景気の後退懸念が強まる株 為替に調整圧力 今週の米国株

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先週は国債入札の低調を受けた米10年国債利回りの上昇に加え、セールスフォースの不振決算がソフトウェア株全般に波及したこともあり、軟調な展開でした。今週の株価材料として、5月雇用統計、5月企業景況感、エヌビディアの株式分割(1株を10株に分割...

今週、市場参加者が最も注目するのが5日の8月雇用統計となろう。ブルームバーグがまとめた市場予想を見ると、非農業部門雇用者数変化は前月比7.5万人と、7月の7.3万人からほぼ横ばいの見通しにある。失業率は4.3%へ上昇することが見込まれている。

前述した連続利下げの観測は、今後の経済指標で大きく揺れ動くだろう。今週は、その観測に大きな影響を与える重要指標が順次発表される。

先週は堅調な経済、インフレの下がりにくさを示唆する経済指標を受けて、市場の利下げ期待時期が後ずれし、米10年国債利回りの上昇が株式相場を抑えました。今週の株価材料として、3月消費者・生産者物価指数、FOMC議事要旨(3月19日、20日開催分...

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先週は米10年国債利回りの上昇に加え、中東情勢の緊迫化、半導体市場の見通し下方修正が重なり、株価調整の勢いが強まり、S&P500指数は2/21(水)以来となる5,000ポイント割れとなりました。今週の株価材料として、1-3月期決算発表、3月...

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先週は市場予想を下回るインフレ指標で米10年国債利回りが4.2%台まで低下、AI関連やアップル関連などテクノロジー株が物色され、株式市場は再び最高値を更新しました。今週の株価材料として、米国の5月小売売上高、トリプルウィッチング、欧州株式市...

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先週はFOMCのタカ派姿勢を受けて米10年国債利回りが一段と上昇、株価は大幅な下落となりました。今週の株価材料として、10年国債利回りの行方、サンタクロースラリーとなるか、ネットフリックスのNFL試合放送、などが注目されます。 今週は...

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