シカゴIMM通貨先物ポジションの推移から為替市場の全体的な状況と投資マインドを読み解きます。
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 為替アナリスト 中村勉
目次
ドル/円
IMMポジション ドル/円

ポイント
【円ネットロング大幅に増加】
9月9日時点で円のポジションは、ドルに対して約9.2万枚の買い越し(ネットロング)。
ロングは積み増され、ショートが大幅に取り崩されたことから、ネットロングは前週から約1.8万枚増加した。
期間中のドル/円相場は「日銀は国内政治情勢が混乱する中でも、年内利上げの可能性を排除しない姿勢」との一部報道を受けて約1カ月ぶりに146.30円台へと下落する場面があった。
こうした中で、投機筋の円先高観が再び強まったと考えられる。

ユーロ/ドル
IMMポジション ユーロ/ドル

ポイント
【ユーロネットロング増加】
9月9日時点でユーロのポジションは、ドルに対して約12.6万枚の買い越し(ネットロング)。
ロングが積み増され、ショートが取り崩されたことから、ネットロングは先週から約0.6万枚増加した。
期間中のユーロ/ドルは、欧州中銀(ECB)理事会を前に約1カ月半ぶりに1.1780ドル目前まで上昇した。
フランスの政治不安など懸念点はあるものの、ECBの利下げサイクルが終了するとの思惑などを背景に、投機筋はユーロ先高観を強めたようだ。

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IMMポジション
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外為どっとコム総合研究所 情報企画部 為替アナリスト
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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大口投資家の動向は ドル円 一時1カ月ぶり安値へと下落
政府・日銀は円が145円台に下落した22年9月に約24年ぶりとなる円買い介入を実施。152円が目前に迫った翌10月にも2度の介入を行い、合計の介入額は9兆円に上った。昨年11月には再び151円台後半まで円安が進み、神田財務官が為替介入について「スタンバイしている」とけん制。その後、円は151円91銭と22年安値に迫ったが、米国の利下げ観測の台頭もあってドル安・円高基調に転じたため、介入は行われなかった。
31日に円はドルに対し、トランプ米政権が世界の貿易相手国に対し上乗せ関税を課すと発表した4月2日以来の安値を付けたが、下値余地はまだある。関税が米国の成長を損ね、利下げ議論が復活するまでは、日本の低成長や大幅なマイナスの実質金利に市場の注目が向かう可能性がある。この2つは、いずれも円を圧迫する要因になる。
円安・ドル高の背景にあるのが日米の金融政策見通しの格差だ。米連邦公開市場委員会(FOMC)は20日、24年の利下げについて0.25ポイントを3回という従来予想を据え置いた一方、25年は最近のインフレの上振れを踏まえて予想利下げ回数を減らした。
円安進行を受け、財務省、金融庁と日銀は国際金融資本市場に関わる情報交換会合を開いた。円はドルに対する下げを解消し、午後7時27分時点で前日比0.2%高の151円20銭前後で取引されている。
このように、経済的なニュースや大口投資家による売り等を発端として株価が大きく下落し、それを見た投資家たちがそれぞれの事情で売りを重ねることで、下落の勢いが止まらず、株価は暴落していきます。
今後オプションの権利消滅に伴いドル高・円安が一段と進む可能性があるとの見方がある。匿名のトレーダーによると、円が152円まで下落するとドル買いの権利が消滅するオプションを保有する投資家が、152円手前で防戦のため積み上げたドル売り・円買いのポジションをカバーする必要があるという。
コロナショックの前までは、アメリカの景気刺激策もあり世界的な株高の状況で、日経平均株価も2020年1月17日に1年3ヶ月ぶりとなる2万4,000円台をつけていましたが、コロナウィルスが流行した同年3月19日には一時1万6,358円まで暴落しました。これは1月17日から計算すると、約30%の下げ幅です。
円相場は同日午前に一時1ドル=151円97銭まで下落し、2022年に付けた1990年7月以来の安値(151円95銭)を下回った。タカ派とみられる日本銀行の田村直樹審議委員がこの日の講演でゆっくりと着実に正常化を進めると述べたことが、円売り材料視された。


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