
東京市場は一進一退か。米国株はまちまち。ダウ平均が上昇した一方、S&P500とナスダックは下落した。ダウ平均は260ドル高の46018ドルで取引を終えた。FOMCでは大方の予想通り0.25%の利下げが決定された。ドットチャートでは、年内あと2回の利下げが示唆された。パウエルFRB議長は会見で今回の利下げは予防的な措置と言及しており、会見はややタカ派的と受け止められた。景気敏感系の銘柄が買われてダウ平均は堅調に推移した一方、個別にネガティブなニュースがあったエヌビディアが弱くナスダックは下落。S&P500は横ばいに近い下落となった。3指数ともFOMCの結果発表後の振れ幅は大きくなったが、発表前からダウ平均は強く、ナスダックは弱かった。
利下げ決定直後に米10年債利回りは低下したが、議長会見を受けて一転上昇。ドル円も連動するように145円台に入った後に147円台まで円安が進むなど、やや動きが荒くなった。足元では146円80銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが35円安の44575円、ドル建てが50円高の44660円で取引を終えた。
注目イベントを消化して米3指数の方向がそろわなかったことから、日本株は気迷いムードが強まりそう。利下げ決定でもナスダックが下落して米長期金利が上昇していることから、ハイテク株にはネガティブな影響が想定される。一方、米国株が大崩れしなかったことや、円高が加速しなかったことなどは安心材料。マイナス圏に沈むようなら、下値では買いが入る公算が大きい。強弱感が入り混じり、場中は方向感に欠ける動きが続くと予想する。日経平均の予想レンジは44500-45000円。
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
下の画像は 実際にメンバーの政策金利見通しが書かれたチャートです
市場が織り込む政策金利の見通しは、FOMCメンバーの金利見通しと同じように「マーケット→米国株→マクロ経済データ」の順にタップしていくと、「主要経済指標」の下に掲載されています。
昨日の米国市場では、主要3指数が小幅に高安まちまちとなりました。FRB(米連邦準備制度理事会)は、6月17日から18日にかけて開催したFOMC(米連邦公開市場委員会)で、市場予想通り政策金利を据え置くことを決定しました。また、FOMC参加者の政策金利見通し(ドットチャート)では、2025年末の予想中央値が0.25%の利下げ2回を示す水準で維持されました。パウエル議長は「不確実性があるにもかかわらず、経済は堅調」と述べ、堅調な労働市場を背景に利下げを急がない姿勢を改めて示したことで、主力株の一角には売りが出ました。また、中東情勢を巡る警戒感も引き続き相場の重荷となりました。ダウ平均は20ドル高の42,236ドルで取引を開始すると、上げ幅を広げて一時294ドル高の42,510ドルまで上昇しました。高値を付けた後は売りが優勢となって上げ幅を縮め、取引終盤には下落に転じて97ドル安の42,118ドルでこの日の安値を付けました。最終的には44ドル安の42,171ドルで取引を終え、小幅に続落しました。また、S&P500株価指数も1ポイント安の5,980ポイントで取引を終え、小幅に続落しました。一方で、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は25ポイント高の19,546ポイントで取引を終え、小幅に反発しました。
毎年3月、6月、9月、12月のFOMCでは、“FOMCメンバーが適切と考える米国の政策金利(FF金利)の水準”が公表されます。下の画像は、実際にメンバーの政策金利見通しが書かれたチャートです。適切な政策金利の水準をドット(点)で表すため、この資料は「ドットチャート」と呼ばれています。
必ずしもドットチャートどおりに政策金利が動くとは限りませんが、FOMC参加者が今後の政策金利や経済見通しをどのように考えているかが読み取れる資料なので、世界中の投資家が注目しているのです。
日米関税交渉の合意をきっかけに盛り上がった先週の株式市場ですが、関税によるコスト上昇などの影響がなくなったわけではありません。少なくとも税率が見えてきたことで国内企業も今後の業績について、ある程度の見通しを立てることができるようになると思われ、これからの企業決算で、「関税の影響を克服して業績を伸ばすことができるか」を確認していくことになります。
市場の投資家たちも、今後の経済見通しから政策金利の動向を予想しています。FOMCのドットチャートとあわせて確認するとよいでしょう。
moomooアプリを使うと、「市場が織り込む政策金利の見通し(連邦準備制度理事会金利予測確率)」もチェックできます。
画面を下にスクロールしていくと、「連邦準備制度理事会金利予測確率」の下に「FOMCメンバーの金利見通し」があります。


コメント