
18日のニューヨーク外国為替市場でドル円は148.27円まで上げ幅を広げた。米経済指標の強い内容を受けて米10年債利回りが4.13%台まで上昇し、ドル買いが活発化した。ユーロドルも、一時1.1750ドルまでユーロ安ドル高に傾いた。
本日の東京外国為替市場のドル円は、日銀金融政策決定会合での政策金利据え置きがほぼ確実視されていることで、15時30分からの植田日銀総裁の記者会見から利上げ時期などを探る展開となる。
8時30分発表の8月全国コア消費者物価指数(CPI)は、前年比+2.7%予想と7月+3.1%からの伸び率鈍化が見込まれている。8月から10月の電気代及び都市ガス代は、「緊急対応パッケージ」の一環で押し下げ効果が現れることになるため、政策要因による伸び率鈍化となる。
日銀金融政策決定会合では、政策金利0.50%の据え置きが大方の予想。植田日銀総裁の会見では、トランプ関税の影響の見極め時期、今後の企業収益と賃上げの見通し、物価の基調と上振れリスク、財政拡張的になりやすい次期政権の政策と利上げのポリシー・ミックスに関する見解、利上げ時期への言及などに注目しておきたい。
日銀が政策金利据え置きの理由としていたトランプ関税の不確実性は、日米関税合意が締結されて16日に対日自動車関税率が15%へ引き下げられたことで後退。現状は自民党総裁選(22日告示、10月4日投開票)が不透明要因となっている。
本日は、昨日自民党総裁選への出馬の意向を表明した高市氏が記者会見を行う予定。「サナエノミクス(金融緩和、機動的な財政出動、大胆な危機管理投資・成長投資)」を再強調して、日銀の利上げに否定的な見解が表明されるのか要注目となる。
高市氏は、昨年9月の総裁選の1回目投票では石破首相の154票(国会議員票46票+党員票108票)を上回り、全体1位181票(72票+109票)を獲得していた。なおドル円は、出馬の意向が報じられた11日には148.17円、優勢が報じられた12日には148.07円、出馬表明の昨日は148.27円まで円安に反応している。
先日の関係筋による報道では、「日銀は国内政治情勢が混乱する中でも、年内利上げの可能性を排除しない」とのことで、10月29-30日の会合での利上げ観測がやや高まっている。
日程的には、以下の通りとなっており、注視しておきたい。
・10月1日:9月調査の日銀短観
・10月2日:内田日銀副総裁講演
・10月3日:植田日銀総裁講演
・10月4日:自民党総裁選
・10月6日:日銀支店長会議
・10月中旬:国会で次期首相指名投票
・10月29-30日:日銀金融政策決定会合
またベッセント財務長官は、先月の植田日銀総裁との会談の後、「物価高の下で日本銀行の金融政策は後手に回っている」とし、利上げを促すような発言をしていた。さらに先日公表された為替に関する日米共同声明は、6月に米財務省が公表した「為替政策報告書」と同様に、日本銀行の追加利上げにより円安修正が進むことを、トランプ米政権が期待していることが示されており、植田日銀総裁に対する質疑応答に注目しておきたい。
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
市場概況 東京為替見通しドル円 植田日銀総裁の会見に要注目
19日の東京外国為替市場では、日銀金融政策決定会合の結果や植田和男日銀総裁の会見が注目となる。日銀は今回の会合で政策金利を据え置くとみられており、植田総裁の会見で次の利上げ時期を見極めることになりそう。米景気やウクライナ情勢、国内の政局、春闘の結果などに対してどのような見方を示すのか確認したい。一方、米国ではFOMC(米連邦公開市場委員会)の結果も公表される。東京市場はあすが休場で飛び石連休となるため、手じまいの動きも強まりそうだ。
外国為替市場で円安が進んでいることについて、加藤財務大臣は20日の閣議のあとの会見で「足元では一方的で、急激な動きが見られると認識している。為替相場はファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが重要であり、政府としては投機的な動向も含め為替の動向を憂慮していて、行き過ぎた動きに対しては適切な対応をとっていく」と述べました。
1日の東京外国為替市場で円安が再燃した。対ドルの円相場は一時1ドル=150円台後半に下落した。円売りにつながったのは日銀の植田和男総裁の発言だ。
146円レベルがサポートラインへ転換して以降、ドル円は強気地合いへ転じている。この点を示唆しているのが日足チャートのMACDである。1日の東京時間で円安優勢の流れが続いていることも考えるならば、上で取り上げた米経済指標前に151.00をトライ、そして突破する可能性がある。
29日のアジア市場では、朝方に1ドル160円を付けた後、ドル円レートは1ドル159円台前半で推移していたが、13時台に入って一転して円高に振れ、1ドル155円近くまで円が買い戻された。その後29日の海外市場では、ドル円レートは1ドル154円台と156円台の間で大きく変動する不安定な動きが続いた。
仮に為替介入が行われた場合には、それが、円安が進んだ先週末ではなく週明けのタイミングとなった理由は2つ考えられる。第1は、朝方に1ドル160円の節目を超えたことで、日本の当局の円安への警戒感が一段と高まったことに加えて、日本の為替介入に難色を示す米当局を説得する材料になったと考えられる。第2に、日本市場が休日でアジア市場でのドル円の取引が薄商いであったことから、比較的規模が小さい介入でも為替市場を大きく動かすことが可能な状況であったことだ。
20日の東京外国為替市場は、日銀の植田総裁が19日の会見で追加の利上げに慎重な姿勢を示したことを受けて、円を売ってドルを買う動きが進み、円相場は午前中、一時、1ドル=157円台後半まで値下がりしました。その後は値下がりした円を買い戻す動きも出て、午後5時時点の円相場は、19日と比べて35銭、円安ドル高の1ドル=156円81銭から84銭でした。またユーロに対しては、16銭円安ユーロ高の1ユーロ=162円80銭から84銭でした。ユーロはドルに対して1ユーロ=1.0381から82ドルでした。市場関係者は「アメリカの来年の利下げペースが今後、緩やかになるという見方が強まっていることも、円売り・ドル買いの動きを後押しした。市場では日本時間の今夜発表されるアメリカの消費関連の経済指標の結果に注目が集まっている」と話しています。
1時間以内に4円程度も円高に振れることは、通常の取引では起こりにくいことだ。日本が休日でアジア市場でのドル円の取引が薄商いであったため、価格の変動(ボラティリティ)が高まっていたことを考慮に入れても、政府による為替介入があったことが疑われる状況だ。政府は為替介入の有無を明らかにしていないことから確実ではないものの、覆面で為替介入が行われた可能性は比較的高いのではないか。
5月1日の東京外国為替市場では、日銀金融政策決定会合と日銀の植田和男総裁による会見が注目となる。前日の米国時間は、米1-3月期GDP(国内総生産)が市場予想に反してマイナスとなったことからドル売り・円買いが優勢となったが、一巡後は下げ渋った。今回の日銀金融政策決定会合では金融政策の現状維持が見込まれているほか、「展望リポート」ではGDPの成長率見通しが下方修正されるとの見方があり、利上げ後ズレ観測が高まればドル買い・円売りを誘いそう。一方、声明文や会見などがタカ派寄りと受け止められれば円を買い戻す動きが強まるとみられる。日米通商協議も予定されており、神経質な展開となりそうだ。
植田総裁は4月18日のG20会議後の記者会見で、「円安が基調的な物価に無視できない影響を与える場合には、金融政策で対応する可能性がある」との主旨の発言をした。金融市場では、円安進行を受けて日本銀行の追加利上げを前倒しする、あるいはそれを示唆するような発言を総裁が行うことで、円安の流れが食い止められる、との期待が浮上していた。
今週18〜19日の日銀による金融政策決定会合は、金利据え置きの見通しが広がっており、マーケットの関心は終了後の植田和男総裁の記者会見に集まっている。債券市場で織り込みが進んだ日銀の利上げ観測を容認するとの見方が優勢だ。もし慎重な姿勢を示せば、為替の円売り・ドル買いを促して円安をけん制するトランプ大統領の対日強硬姿勢を強めかねないとの警戒感が市場の想定の背景にある。
円安を加速させる特定の材料があった訳ではないが、日本が休日であるため、政府の為替介入に対する警戒感が薄れていたことが、市場参加者が安心してドル買い円売りを仕掛けることを許した一因と考えられる。さらに、日本が休日のためドル円の取引がかなり薄いことも、市場のボラティリティを低下させ、一気に1ドル160円台まで円安が進んだ背景だろう。
1987年に野村総合研究所に入社後、経済研究部・日本経済調査室(東京)に配属され、それ以降、エコノミストとして職歴を重ねた。1990年に野村総合研究所ドイツ(フランクフルト)、1996年には野村総合研究所アメリカ(ニューヨーク)で欧米の経済分析を担当。2004年に野村證券に転籍し、2007年に経済調査部長兼チーフエコノミストとして、グローバルリサーチ体制下で日本経済予測を担当。2012年に内閣の任命により、日本銀行の最高意思決定機関である政策委員会の審議委員に就任し、金融政策及びその他の業務を5年間担った。2017年7月より現職。
SBIリクイディティ・マーケットの上田真理人金融市場調査部長は、1回目の日米関税交渉では水面下で為替についても協議したとみており、「日銀は条件が整えば利上げを継続し、それが円高に結び付くというのが日米の共通認識ではないか」と指摘。2回目の交渉を控え、植田総裁が会合後の会見で「年内利上げのニュアンスを出してくるかどうか注目だ」と述べた。
20日の東京外国為替市場は、日銀が追加の利上げに慎重だという見方から円を売ってドルを買う動きが進み、円相場は一時、1ドル=157円台後半まで値下がりしました。


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